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第350回 スティグリッツ教授の来日(1/3)

 ノーベル経済学者のジョセフ・E・スティグリッツ教授が来日し、国際金融経済分析会合に出席した。国際金融経済分析会合は、5月のサミットに向け、政府が有識者と世界経済情勢について意見交換をするという主旨である。
 来日したスティグリッツ教授は、安倍総理と会談し、消費税増税の見送りと「財政の拡大」を進言した。当然と言えば、当然なのだが、その後、不思議な現象が発生した。

『2016年3月16日 時事通信「消費増税に否定的=スティグリッツ氏」
 ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は16日、政府の国際金融経済分析会合後、首相官邸で記者団の取材に応じ、「現時点では消費税を引き上げる時期ではないと思っている」と述べ、2017年4月からの消費税率引き上げに否定的な見解を示した。
「日本は金融政策などを行っているが、財政政策がこれから必要だ」とも語った。』

「日本は金融政策などを行っているが、財政政策がこれから必要だ」

 まことに、ごもっともだが、不思議なことに、上記の記事はすでに時事通信のサイトから削除されてしまっている。時事通信を転載していたYahoo!やgooニュースからも消えている。
本稿執筆時点で、ガジェット通信に掲載された時事転載の記事は残っているが、これもいずれ消されてしまうのかも知れない。

『消費増税に否定的=スティグリッツ氏[時事]
http://getnews.jp/archives/1429950
(前略)「日本は金融政策などを行っているが、財政政策がこれから必要だ」とも語った。』

 繰り返すが、不思議な現象である。スティグリッツ来日や総理との会談の記事はいくつもあり、「消費税見送り」については報じられ、財政拡大についても書かれているのだが、
「日本は金融政策などを行っているが、財政政策がこれから必要だ」
 が載っている時事通信の記事だけが、元記事が削除され、Yahoo!やgooの転載までもが削除されてしまった。
「日本は金融政策などを行っているが、財政政策がこれから必要だ」
 と、スティグリッツ教授が発言したことが国民に知られると、何か都合が悪いことでもあるのだろうか。意味不明である。
 ちなみに、大手紙は「財政」についても報じているところが多い。

●毎日新聞
「金融政策には限界があり、財政政策をとることが重要だ」と語った。
http://www.sankei.com/photo/daily/news/160316/dly1603160015-n1.html

●産経新聞
「スティグリッツ氏は世界経済の低迷に対応して積極的な財政出動に踏み切ることも訴えた。」
http://www.sankei.com/photo/daily/news/160316/dly1603160015-n1.html
「低迷の原因は需要の不足があるとし、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では「日本が議長国として、需要を作り成長を引っ張る模範を示してほしい」と要請。日銀の金融緩和策も「限界に近い」とし、政府に追加的な財政政策をとるよう促した。」
http://www.sankei.com/economy/news/160316/ecn1603160036-n1.html

●日本経済新聞
「スティグリッツ氏は日銀の量的質的緩和政策については「限界に達している」とし、財政政策で需要を刺激すべきだとの考えを示した」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL16HCZ_W6A310C1000000/

●朝日新聞
「そのうえで「金融政策は限界に来ている。G7では、需要を刺激するような各国間の調整策について議論して欲しい」として、各国で協調して財政出動をするべきだという考えを示した。」
http://www.asahi.com/articles/ASJ3J36QDJ3JULFA00G.html

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三橋貴明(みつはし・たかあき)

三橋貴明(みつはし・たかあき)

1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。
外資系IT企業ノーテルをはじめ、NEC、日本IBMなどに勤務した後、2005年に中小企業診断士を取得、2008年に三橋貴明診断士事務所を設立する。現在は経済評論家、作家として活躍中。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」での発言を元に執筆した『本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社)が異例のベストセラーとなり一躍注目を集める。同書は、韓国の各種マクロ指標を丹念に読み解き、当時日本のマスコミが無根拠にもてはやした韓国経済の崩壊を事前に予言したため大きな話題となる。
その後も、鋭いデータ読解力を国家経済の財務分析に活かし、マスコミを賑わす「日本悲観論」を糾弾する一方で、日本経済が今後大きく発展する可能性を示唆し「世界経済崩壊」後に生き伸びる新たな国家モデルの必要性を訴える。
崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『中国経済がダメになる理由』(PHP研究所)、『ドル崩壊!』 など著書多数。ブログ『新世紀のビッグブラザーへ blog』への訪問者は、2008年3月の開設以来のべ230万人を突破している(2009年4月現在)。

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