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とれんど捕物帳 ドル円、米株や貿易問題次第では下値警戒も

配信日時
2018年9月8日(土)08:45:00
掲載日時
2018年9月8日(土)08:55:00

 今週のドル円はトランプ大統領の日本との貿易問題に関する発言などで110円台半ばまで下落する場面も見られたものの概ね111円を挟んでの上下動に留まっており、全体的には膠着感の強い相場展開を見せている。英国のEU離脱交渉進展への期待感もあって欧州通貨に買戻しが入り全体的にはドル売りムードからドル円の上値は重かったものの、下値では押し目買いが根強く出るようだ。

 下値では本邦投資家の買いも断続的に入っていたようだ。新興国市場への不安感が台頭しており、欧州も政治問題が燻る中、現在の局面では外貨建て投資をするならばドル資産に投資するのが最も合理的な選択肢と思われる。

 注目の新興市場の動きだが、アルゼンチンとトルコで始まり、ロシアや南ア、インド、インドネシアまで伝染している。ただ、あくまで新興国市場内での伝染に留まっている印象で、主要国の市場には思ったほど影響は出ていない印象だ。これまでのFRBの利上げや株高もあって、既にかなりの資金が巻き戻されているのであろう。新興市場での損失を主要国で穴埋めする動きまでは出ていない。関心も意外に大きくはないようだ。

 今週は気になる動きが2つ見られている。1つはFOMCメンバーの発言、2つ目は米株式市場でのIT・ハイテク株の動きだ。

 今週の米地区連銀総裁の発言を見ると、「インフレは2%目標に到達しつつあるが、インフレ圧力はない」「賃金の伸びが鈍く労働市場のスラックはまだある」「イールドカーブのフラット化は将来の景気後退の可能性を示す」「中立金利の水準までは利上げは実施するがそれ以降は・・・」などなど。トランプ大統領による利上げけん制発言が効いているとは思いたくはないが、妙に慎重な言い回しが多かったように思われる。

 いまのところは、年内あと2回、来年2回との市場のコンセンサスに変化はない。ただ、今月下旬に行われるFOMCは波乱がある可能性も留意したいところではある。

 そして米株式市場だが、週後半になってIT・ハイテク株に売りが強まった。貿易問題で産業株などオールドエコノミーには売りが強まっていたが、それを尻目に決算発表以降、IT・ハイテク株は高値更新を続けていた。米上院によるフェイスブックやツイッターの幹部に対する公聴会や、半導体の価格及び需要がピークアウトするとの見方が材料となっていた。しかし、半導体に関しては既に言われていたことでもあり目新しさはない。取って付けた理由で、高値警戒感からの利益確定売りといったところが本筋と思われる。

 一部にこんな調査が流れていた。米企業幹部が8月に100日億ドル余りの持ち株を売却したという。昨年11月以降で最大。調査会社は企業内部者が売りを加速させたのは一つの警告サインで、そろそろ企業幹部は上昇局面は終焉を迎えつつあると見ている可能性があると指摘していた。

 先週も言及したが、個人的にはもう少し先と考えているが、ピークが近づいていることは間違いないように思われる。

 さて来週だが、米物価統計のほか、ECBや英中銀の金融政策などそれなりのイベントが控えている。米物価統計に関しては今月のFOMCでの利上げを正当化する内容になるであろう。ECBや英中銀は政策変更はないものと思われるが、ECBは成長見通しの下方修正が見込まれる。英中銀はEU離脱交渉への警戒感を温存するであろう。ただ、反応は未知数。

 ドル円は1ヵ月以上、概ね110円から112円の間でのレンジ相場が続いている。踊り場におり、次のアクションが待たれるところではある。基本的には底堅い推移を予想するが、米株式市場の調整色が強まることや、貿易問題が揉めるようであれば下値も警戒したいところではある。下記のトレンドは下から中立へ上げているが、上値には慎重になりたい。レンジとしては109.50~112.00円を想定。スタンスは「中立」を維持する。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↑↑)
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来週はお休みします。次回の配信は9月22日(土)の午前を予定しています。ご了承ください。
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minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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