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とれんど捕物帳 ドル自体は底堅さも見られているのだが

配信日時
2018年3月17日(土)08:50:00
掲載日時
2018年3月17日(土)09:00:00

 結局、今週もドル円は上がらず、年初来の安値圏での取引が続いている。週央に107円台を回復したときは反転の狼煙とも思われたが、トランプ大統領に消火されてしまったといった印象だ。トランプ大統領につては度々指摘しているが、「常にそこにあるリスク」ということなのだろう。株式市場の上値が重くなるなどリスク回避の円高の動きがドル円を圧迫している。ただ、ドル自体は底堅さも出てきたように思われる。

 ここで少しマニアックな話になるが、短期金融市場でドル資金の調達にストレスが高まっている。ストレスの度合いを示す指標としてよく、3ヵ月物のLIBOR(銀行間翌日物貸出金利)とOISの金利差が使われるが、2009年以来の水準に拡大している。OISは、翌日物インデックス・スワップもしくは、翌日物金利スワップなどと呼ぶが、一定期間の翌日物レートと、その期間の固定金利を交換する金利スワップである。

 LIBORは銀行間の需給で決まる金利、OISのレートは毎日行われる翌日物取引を一定期間固定した場合の金利と思ってくれればよい。

 日本もそうだが、翌日物取引は米国も中央銀行の金融政策の誘導目標となっている。いわゆるFFレートだ。よく中央銀行の利上げ確率の話が出てくるが、その数字はOISの取引から算出されるものを使っていることも少なくない。米国の場合はCMEのFF金利先物取引から算出している確率を使うことが多いが、他国の場合はOISが多いように思われる。

 OISは金融政策の動向をダイレクトに反映する。米国は利上げ期待が高まっているので、OISの金利も上昇傾向だが、金利差が拡大しているということは、それにも増してLIBORが上昇しているということだ。

 ちなみに16日時点の3ヵ月物のドルLIBORは2008年以来の2.20%程度まで上昇、OISは1.69%程度で推移しており、その差は0.51%程度(51ベーシスポイント)まで拡大している。2009年以来の金利差拡大となった。

 現在の状況からすれば、決して金融機関の信用不安が高まっている状況にはない。先月の米議会による債務上限の適用停止を受けた米財務省短期証券(Tビル)の増発が主因のようだ。

 今週のドル自体は底堅く推移していたように思われるが、上記の状況からすれば、ドルはもう少し上がってもよいものと思われる。ただ、金利だけで考えるほど為替相場は素直な値動きとはなっておらず、トランプ大統領のご乱行ぶりも、ドルの上値を抑えている要因の一つかもしれない。

 さて来週だが、FOMCが予定されている。利上げが確実視されているが、そのこと自体は既に織り込み済みといった状況だ。注目はFOMCメンバーの年内の金利見通しとパウエルFRB議長の初の会見であろう。前回1月末のFOMCからの指標を見ると、景気の底堅さは確認できるものの、足元のインフレに関してはまだ上昇の兆候を見せていない。貿易戦争への懸念も高まる中、現時点ではFOMCメンバーの年内の金利見通し(ドット・プロット)は3回で変わらずと見ている。今回のFOMCで利上げが実施された場合、あと2回が中央値になるのではと予想している。

 ただ、議長会見に関しては、景気の先行きに自信を示すであろう。インフレに関しては証拠を待ちたい姿勢を示すかもしれないが、少しタカ派よりになることも想定される。

 来週もドル高のシナリオを想定したい。ドル円は踏ん張り処だが、引き続き反転期待を継続。想定レンジは105.00~108.50円を想定。スタンスは「中立」で変えず。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立継続
短期 →(→)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立継続
短期 →(↓↓)

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しばらく配信をお休みさせて頂きます。次回は4月7日(土)の午前を予定しています。ご了承ください。
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minkabu PRESS編集部 野沢卓美


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