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とれんど捕物帳 あくまで年末に向けた調整の範囲との見方は否めない

配信日時
2017年12月2日(土)09:32:00
掲載日時
2017年12月2日(土)09:42:00

 今週も市場は様々な出来事があったが、ドル円はリバウンドの動きを続け週初の110円台から一時112円台後半まで上昇している。週末には21日線を回復する場面もあったが、米国のフリン前大統領補佐官のロシア疑惑に関する裁判所での有罪弁明で維持できずに今週の取引を終えている。トランプ大統領のノイズに関しては北朝鮮同様に常にそこにあるリスクと考えるべきであろう。

 その出来事だが、殆どは政治的なもので、経済のファンダメンタルズは蚊帳の外といった雰囲気であったように思われる。米税制改革法案での米上院での投票、ドイツの政局混迷、そして、英EU離脱交渉といったところが主に材料となっていた。

 ただ、幸にしてネガティブな内容はなく、ドイツの連立政権樹立ではメルケル首相が最大野党の社会民主党(SPD)と再度大連立を模索。SPD指導部も前向きに検討しているようだ。SPDは連立は絶対にないと選挙で言い放っていたようだが、政治とはそのようなものなのであろう。昔は日本でも、自民党と旧社会党が連立するという目が点になる裏技を見せてくれたことがある。どこの国でも権力維持のためには背に腹はかえられぬということなのであろう。ただ、市場は歓迎だ。

 英国のEU離脱は離脱に伴う負担金で合意できぞうだ。一部では負担金の設定は最大1000億ユーロだが、実際に英国が支払う負担金はその半分以下とも見られている。それでも英国側が当初主張していた200億ユーロよりはかなり高く、英国側が譲歩した格好のようだ。アイルランドの国境問題がまだ残るものの、離脱交渉の第1フェーズは年内に合意できそうな運びだ。スキャンダルで閣僚の辞任が相次いだメイ政権の去就とあいまってポンドショートを形成していた向きも多かったようだが、一気に敗走したようだ。しかし、年内に合意できたとしても、あくまで第1フェーズで、本当の戦いはそのあとの貿易交渉とも言われている。英国が望む結果になる可能性は非常に小さいとの見方が多い。実際、ドイツのメルケル首相も、貿易交渉は第1フェーズとは比較にならないほど困難な交渉になるだろうと語っていた。ポンドがこのまま上値を追い続けると見ている向きは多くはなさそうだ。

 そして、米税制改革法案だが、この原稿を書いている時点で、上院本会議で採決できていない。共和党が与党とは言え上院の議席配分は52対48と僅差だ。数名の共和党議員が造反すれば可決できない。反対の共和党議員もいるようで、いまだ調整は難航しているようだ。どこかの国のように棄権という選択肢はないのであろう。万一採決できなければ月曜日の朝は覚悟する必要があるのかもしれない。

 米株式市場の値動きなどを見ても、まちまちな動きが多く、個人的には今週の動きはあくまで年末に向けた調整と考えている。いつまで続くかは未知数で、市場の関心がファンダメンタルズに戻れば、低インフレ、米国債のイールドカーブのフラット化などに着目したドル売りが再開されるリスクも警戒される。

 さて来週だが、週末に米雇用統計の発表や、米債務上限問題で導入した暫定予算の期限などがある。米雇用統計については再来週にFOMCを控えていることもあり注目だが、よほどの結果でない限り利上げ期待に変化はないであろう。引続き平均時給を注目したいあが、前年比で+2.7%と今年の中では高い伸びを見込んでいるようだ。2%のインフレ目標達成には少なくとも3.0~3.5%程度は欲しいところではあるが、来年以降の期待ということになりそうだ。

 そして、米債務上限問題だが政府機関閉鎖は回避したいはずなので、何らかの手当てが実施され無難に通過するものと見ている。

 さて、ドル円の想定レンジだが、正直、あまり強気には見ていない。110.50~113.50を想定し、スタンスは中立とする。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑↑(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑↑(↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↓↓(↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑↑)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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