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とれんど捕物帳 200日線で明確に反転 ロング勢にとっては心強い動き

配信日時
2017年10月21日(土)09:32:00
掲載日時
2017年10月21日(土)09:42:00

 ドル円もどうなるかと冷や冷やしたが、何とか上向きの流れに復帰した印象もある。何でドルが買い戻されたのかは定かではないが、先週まで強まっていた調整売りが一段落したというのが正直なところであろう。米景気の先行き期待は根強く米株式市場も最高値更新が続いている。依然として米インフレ鈍化懸念は根強いものの、当面FRBの利上げは続き、ドル金利は上昇すると見ている向きが多いものと思われる。

 また、円のほうを見ても、衆院選で安倍政権の足腰がどうなるか不安もあったものの、最新の世論調査では自公で300議席をうかがう勢いのようだ。この情勢であれば、安倍政権の足腰が揺らぐことは無さそうだという見方に繋がっているのかもしれない。この先もアベノミクスが続き日銀の量的緩和継続の期待に繋がる。

 日本の投資家が下値で結構買っていたのであろうか、ドル円は200日線で明確に反転した格好となっており、金曜日には米雇用統計直後の高値も抜けてきた。ロング勢にとっては心強い動きで、115円を目指す動きも期待できそうな雰囲気になってきている。

 年末にかけての最大のイベントリスクは米税制改革の審議であろう。今週は米上院が2018会計年度の予算案を可決したが、これで米税制改革の審議が年末にかけて本格化してくるとの期待感が市場に高まっている。トランプ政権と米共和党指導部が提案している税制改革法案への市場の評価は悪くはない。米株式市場は前倒しで織り込んでいるような雰囲気もあるが、満額は難しいにしても、一定の線で成立させることができるのかが、今後の焦点となりそうだ。トランプ政権の鍵を握る法案でもあり力量が試される。米利上げ期待も重なり、年末にかけてドル高を期待する向きも増えているようだ。

 そして、注目のFRB議長選だが、金曜日にトランプ大統領のFOXテレビのインタビューとサンダース報道官の会見が伝わっていた。まもなく結果が発表されるほか、テイラー、パウエル両氏の組み合わせも検討にあると述べている。また、トランプ大統領は、「大半の人は、テイラー氏とパウエル氏の2人に絞られたと考えている。私はイエレン氏とも面会した。彼女のことは非常に好ましく思っている」とも述べていた。

 フィッシャー前副議長が既に退任しているが、FOXテレビは大統領は正副議長を同時に選出する可能性もあると伝えている。ポジションはどうあれテイラー氏が参画することはタカ派と受け止められそうだ。

 ただ、トランプ大統領は低金利政策が好ましいとしている。テイラー氏であれば、金利が急上昇する可能性もあり、それに伴って過度にドル高が進むリスクも考えられよう。米製造業には打撃なはずで、大統領としては避けたいのかもしれない。ただ、テイラー氏は議会共和党からの推しが強い。個人的には引続き、パウエル氏が議長、議会共和党の顔を立ててテイラー氏は副議長を予想している。

 そうなるとイエレン議長の去就はということになるが、イエレン議長は雇用政策が専門分野で、その点ではトランプ大統領の政策と合致する。別の重要ポジションが用意される可能性もあるのかもしれない。

 意外に、確執のあるコーン氏を外して、国家経済会議(NEC)委員長だったりするのかもしれない。金曜日にホワイトハウスでイエレン議長とコーン委員長が会談を行っていた。定例のミーティングということになっていたが、実は引継ぎだったりするのかもしれない。あくまで邪推ではあるが。

 いずれにしろ、来週あたりには結論が出る可能性がありそうだ。先週も述べたが、「外れた場合はトランプのせいだ!」ということにしておこう。

 さて来週だが、イベントとしては26日のECB理事会が最注目であろう。市場は来年以降の出口戦略が打ち出されることをほぼ確実視している。ただ、その具体策については見方が様々出ている。資産購入額を現在の月600億ユーロから減らし、緩和拡大ペースを緩めることはほぼ確実視されているが、ECB内には低インフレに対する懸念も根強い。確かに、先日発表になっていたユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は総合指数で前年比1.5%、コア指数では1.1%となっていた。ECBの目標の2%弱に向かいそうな気配はあまり感じられない。

 当初の予想よりも期間を長めに取り、更にその期間を明確にすることによってECBは、ゆっくりとした出口戦略を印象づけたい思惑があるとの見方も多い。市場はある程度織り込んではいるものの、ドルの流れ次第では、ユーロはネガティブな反応になる可能性もありそうだ。

 そのほか、第3四半期の米GDP速報値が発表される。第2四半期が高い成長だったことや、ハリケーンのノイズが入る可能性もあり、市場予想は前期比年率2.5%と第2四半期の3.3%よりは鈍化が予想されている。しかし、今回は特殊事情も重なることから、予想通りであれば十分強い数字と言えよう。

 最後にドル円の想定レンジだが、スタンスはやや強気に戻すものの、レンジとしては112.50~114.50を見込む。年初以降114円台に入ると上値を拒まれており、この先は上値抵抗がかなり強まってくることが予想される。ただ、本邦勢の買いが下値でを支えることを期待したい。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 上げトレンド継続
短期 →(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↑(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 →(↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑(↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立継続
短期 →(↓↓↓)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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