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とれんど捕物帳 ドル高よりも円安に期待 北朝鮮が変なことをしなければだが

配信日時
2017年9月23日(土)09:23:00
掲載日時
2017年9月23日(土)09:33:00

 今週は何と言ってもFOMCであったであろう。予想通りにバランスシート縮小開始は表明してきたが、そのこと自体は既に市場も織り込み済みでサプライズはなかったように思われる。来月から100億ドルつづ縮小して行くという。注目は年内利上げの可能性の強弱だったが、こちらは予想以上にタカ派な印象で、サプライズではあった。特にFOMCメンバーの金利見通しだが、中央値は6月時点と変わらず、年内あと1回の利上げと来年3回の利上げを見込んでいる。

 個人的には中央値に変化がない可能性はあると考えていたが、各メンバーの見通しをチャート化したドット・プロットを見ると、各メンバーの見通しにも概ね変化が無かったことはさすがに驚きではあった。

 前回6月時点で年内あと2回の利上げを見込んでいたタカ派なメンバー4人のうち、3名が1回に変更している。今回利上げを見送ったことから、あと1回に落としただけとも言えよう。利上げ無しを主張しているメンバーは6月時点と変わらずの4名となっている。ブレイナード、カシュカリ、エバンス、そして、あと1人はブラード?の各理事、地区連銀総裁あたりかもしれない。来週は発言が多く予定されているが、この辺の理事は意識しておきたいところではある。

 また、経済見通しに関しても、インフレ見通しはさすがに下方修正していたものの、GDP見通しは上方修正されている。イエレン議長も会見で、インフレ鈍化は一時的要因との見解を再度表明している。なお、ハリケーンの影響については、短期的には出るものの、中期的には影響はないとしていた。

 今回は個人的にも、予想以上にタカ派な印象だった。度々述べているが、FRBは現状はあくまで正常化の過程という認識で、成長や雇用に問題が無ければ、多少インフレが鈍化していても、利上げを続けたがっているという見方を確信させるFOMCではあった。

 FOMC発表後、為替市場はドル高の反応となり、CMEが算出しているFEDウォッチでは12月FOMCでの利上げ確率を80%近くまで高めている。このままドル高モードまっしぐらと行きたいところではあったが、そうは問屋は降ろしてくれない。この辺は為替は相手があるので簡単ではないとう所以かもしれない。

 意外にユーロが強く、ユーロドルは依然として底堅さを堅持している。米利上げについて市場ではなお、懐疑的な見方も少なくなく、上記のFEDウォッチが示すほど年内利上げを織り込む動きは強くはない。今後発表されるインフレ指標が下振れないという保証はないため躊躇しているものと思われる。一方、ECBの出口戦略の開始に関しては信頼感が高いようだ。ECB理事の間ではユーロ高を懸念する声も多いようだが現時点で、出口戦略を開始を見送るという選択肢まではないものと見られる。その点ではFRBよりもECBのほうが魅力的に見えているのかもしれない。

 そのような中、北朝鮮問題など外部環境が落ち着き、市場のリスク許容度が高まるようであれば、為替市場のメインシナリオははやり、円安であろう。欧米の中銀が出口戦略に舵を切る中、今週の日銀決定会合では、リフレ派として知られる新任の片岡審議委員から、緩和を強化すべきとして反対票が投じられていた。

 今後、衆院選を通じて安倍政権が信任されるようであれば、日銀が出口戦略に舵を切ることは当面はなさそうだ。実際、今週は円安の動きも見られており、ユーロ円やポンド円は高値水準を更新していた。

 さて来週だが、北朝鮮がまたきな臭い。太平洋で水爆実験などと居丈高な言動を繰り返している。次第に市場も慣れてきたような雰囲気もあるが、実際、ICBMミサイルに核弾頭を積んで、太平洋に撃つなどの暴挙があれば、反応せざるを得ないであろう。北朝鮮が実現可能かどうかは未知数だが。

 敢えて来週はそのリスクは無いと仮定すれば、ドル円ももう少しリバウンド相場を試すものと期待したい。金曜日の戻り売りでようやく復活した200日線は維持できなかったが、水準は保っていると言えよう。ドル高の援護射撃はさほど期待できないものの、円安が支えてくれるものと期待する。

 先週からの急速なリバウンド相場で過熱感も指摘され始めているが、過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは60付近で推移しており、まだ上げ余地はありそうだ。

 ドル円の想定レンジだが、リバウンド相場をもう少し期待して、111.00~114.00を想定。スタンスはやや強気。114円を超えると戻り売りがきつく出る可能性には注意したいところではあるが、そこまでの上昇は期待薄。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↑↑)

(みんかぶ「Klug」 野沢卓美)

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