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とれんど捕物帳 FOMC次第ではリスク許容度の更なる改善も期待

配信日時
2017年9月16日(土)09:35:00
掲載日時
2017年9月16日(土)09:45:00

 この連休中に日本列島には台風が来襲しようとしているが、今週の相場のほうは台風一過とった感じであったであろう。もしかすると元々、米ハリケーンや北朝鮮問題のノイズが無ければ、この展開だったはずと思っている方もいるかもしれない。

 ハリケーン「イルマ」のほうは米フロリダ州中心に相応の被害をもたらしたものの、後半になって勢力がやや弱まったこともあったのであろうか、市場の受け止めは実に楽観的だ。さすがに第3四半期の米成長見通しは下方修正を余儀なくされるものの、復興需要などもあり、第4四半期の回復がその落ち込みを相殺するとの見方が多いようだ。

 そして、特に北朝鮮への反応は今週の雰囲気を象徴していたものと思われる。ICBMミサイルが発射されたものの、事前に伝わっていたこともあり、市場の反応は冷静であった。

 市場は先週のリスク回避の雰囲気から一変した。米株式市場は最高値更新、週末には円安と、市場のリスク許容度が回復している可能性も見られている。

 そのほか、今週の米消費者物価指数(CPI)の反応はドル円のロング勢には安心感を与えたであろう。12月の米利上げ期待が復活しており、金融機関各社も利上げ期待を上方修正する動きが相次いだ。米CPIはコア指数で前年比1.7%、前月比では0.2%の上昇となり、いずれも予想を上回る内容ではあった。決して強い内容とは言えないが、前年比で1.7%が4ヵ月連続で続き、前月比では前回まで0.1%の小幅上昇が続いていたが、今回は0.2%に拡大している。

 この結果に、今年に入って続いていたインフレの鈍化傾向も一服し始めている兆候を感じ取っている向きも少なくないのかもしれない。この先、FRBの目標の2%に向かって行くかは未知数ではあるが、コア指数で1.5%から2.0%の間で鈍化が止まるとの期待感は維持できそうだ。

 米CPIがコア指数で1.5%から2.0%の間で鈍化が落ち着き、消費や生産、雇用のデータが期待通りに底堅く推移すれば、12月FOMCでの利上げの可能性はまだあると見ている。現状はあくまで正常化の過程でありFRBは、問題が無ければもうしばらく利上げを続けたがっている。12月FOMCまでに発表される米CPIはあと3回。1回でもコア指数で1.8%を見せてくれれば、一気に利上げに近づくのだが。

 ちなみに12月発表の米CPIは12月FOMCの結果発表当日ではある。なお、ガソリン価格は上昇しそうだが、コア物価にハリケーンの影響がどう出るかは未知数。そもそも、10月に発表される9月分の経済指標は全体的に参考程度の認識になるのかもしれない。

 年末にかけての米経済に少し心強い動きも見られている。小売店の一部が11月の感謝祭から始まるホリデーシーズン向け大幅な臨時雇用を計画しているといったニュースが流れていた。大手ディスカウントストアのターゲットは過去最多となる10万人の臨時雇用を計画しているという。年末商戦に向け強気な見方をしているのかもしれない。

 もしかすると、米税制改革の行方次第では年末にかけて、市場のリスク許容度が上昇し、円安・株高の動きも予想される。あくまで楽観的な期待ではあるが。

 さて来週だが、注目はFOMCであろう。金融危機以降、約4.5兆ドルに膨らんだバランスシートの縮小開始が発表される可能性が高い。FRBが既に発表している計画によると、当初の縮小額は100億ドルで、内訳は米国債が60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)が40億ドルでスタートする。縮小額の上限は米国債が300億ドル、MBSが200億ドルに達するまで3ヵ月ごとに米国債を60億ドル、MBSを40億ドルずつ引き上げていく。

 ただし、その辺は既に織り込み済みで、注目はFOMCメンバーの金利見通しと、FOMC経済見通し、そして、イエレン議長の会見であろう。特にFOMCメンバーの金利見通しは最注目であろう。6月の金利見通しの中央値は、年内あと1回の利上げと来年3回の利上げを予想していた。このところのインフレ鈍化傾向から利上げ予想は少し後退する可能性は否めない。もし、6月から変化がなければ、ドル円にとってはポジティブ・サプライズとなるのかもしれないが、可能性は半々といったところだ。非常に未知数。

 さて、相変わらず当たらないドル円の想定レンジだが、FOMC次第ではあるが、リバウンド相場をもう少し期待して、109.50~112.50を想定したい。FOMC次第では200日線が控える112円台前半までの回復も期待したい。スタンスはやや強気。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下から中立へトレンド変化
短期 →(↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
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◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑(↑↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑↑)

(みんかぶ「Klug」 野沢卓美)

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