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とれんど捕物帳 下がれば拾いたいが、上値追いには慎重姿勢も

配信日時
2017年7月15日(土)09:30:00
掲載日時
2017年7月15日(土)09:40:00

 今週のドル円は調整色が強まり112円台まで下落している。112円台半ばにきていた21日線はかろうじて維持していたが、一時112円台前半まで下落する場面も見られてた。112円台前半の水準にはフィボナッチ38.2%水準が来ており、この水準を下回ると50%戻しの水準である111.65付近までの下落の可能性も高まる。

 今週はイエレン議長の議会証言と米消費者物価(CPI)の発表がドル円を押し下げている。イエレン議長の議会証言では緩やかな利上げと、インフレ動向を警戒し注視する姿勢に言及していた。緩やかな利上げについては以前から言及していることではあるが、為替市場は敏感に反応したようだ。

 そして、週末のCPIだが、コア指数は前年比で1.7%と前回と変わらずとなった。予想通りではあったものの、前月比では0.1%上昇と小幅な上昇に留まり、全体を見ても前月比で下げているアイテムが多い。今回のCPIもインフレ鈍化が懸念される弱い内容ではある。

 ただ、6月ほどネガティブな反応を見せていない印象もあり、米国債利回りも水準を保っている。9月FOMCでの利上げの可能性はほぼ無くなりつつあり、年内はあっても12月との見方がコンセンサスになっている。しかし、その点は既に織り込んでしまっている面もある。

 むしろ市場は、日銀と各国中銀の金融政策の温度差に関心を向けており、円安の動きがドル円を支えている。積極的に上値をトライして行く雰囲気にはまだないが、米株が決算を期待して最高値を更新していることもあり、下値攻めをする雰囲気にもない。

 200日線が金曜日時点で111.75付近に来ており、111円台後半に差し掛かっている。上記のフィボナッチ50%戻しである111.65水準、そして、堅調な米株をあわせて考慮し、もし、200日線に接近した場合、押し目を細かく買って行きたいところではある。一方、現段階での上値追いは慎重になりたい局面でもある。

 さて来週だが、最注目はECB理事会であろう。特段の政策変更はないものと思われるが、前回同様に出口戦略を意識したアナウンスが何か出るものと見込まれている。9月か10月には量的緩和の拡大ペースの縮小を、早ければ年末にも開始する意向を示す可能性を示唆してくるかもしれない。

 先月の理事会では景気の下振れリスクの文言は削除したものの、「必要なら債券購入プログラムの拡大・延長を行う」という文言は温存されていた。今回はこの部分が削除されるとの見方が有力だ。ただ、市場の過剰期待をけん制するために、温存されるとの見方も一部では根強い。拡大の文言は削除すするものの、延長の文言は残し、期間についてはオープンエンドにするとの見方もあるようだ。

 先月27日のポルトガル・シントラで開催されたECBの年次フォーラムでドラギ総裁が「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さが増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」と発言していたが、その発言に市場が敏感に反応。欧州債利回りは急上昇し、ユーロも急上昇していた。恐らくECBも急激な市場の動きに警戒感を持っているものと見られる。

 来週の理事会では、出口戦略着手に向けて一歩前進させるものの、同時に慎重姿勢も強く打ち出す可能性もありそうだ。その場合のユーロの反応は非常に未知数。

 ちなみに、米商品先物取引委員会(CFTC)が週末に発表したIMM投機筋のユーロの建玉は11日(火曜日)時点で、買い越しが8万3788枚と07年以来の高水準に膨らんでいる。何かをきっかけに巻き戻しが出てもおかしくはない水準ではあり、上値追いには注意を払いたいところでもある。

 中長期的にはユーロは上げトレンド継続との見方が多いようだが、短期的には調整も欲しいとの声も少なくないようだ。なお、個人的には中長期的にもユーロはいずれ失速するとの見方は変えていない。

 さて、ドル円の来週の想定レンジだが、111.50~113.50を想定。トレンドは中立としたい。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑(↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑↑)

(みんかぶ「Klug」 野沢卓美)

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