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とれんど捕物帳 「CPIが無かったら」に尽きるが、終わってみれば週足で5週ぶり陽線

配信日時
2017年6月17日(土)09:43:00
掲載日時
2017年6月17日(土)09:53:00

 今週は一言で言えば「CPIが無かったら」に尽きるであろう。インフレ鈍化傾向が不安視される中、5月のCPI(消費者物価)はコア指数で前年比1.7%と予想(1.9%)となった。4ヵ月連続で鈍化している。先週はこれが2.0%か2.1%を見せてくれればと期待したが、見事に裏切られてしまった。もちろん、ドル円はロフテッド軌道どころか、上がる前に音速の10倍で急落してしまった。

 そのCPIだが、原油安によるエネルギー価格低下の影響が色濃く出ているのはもちろんのこと、中古含む自動車、そして、航空運賃、アパレルの下げが影響している。航空運賃はエネルギー価格に連動する傾向もあるが、航空キャリアが輸送能力を拡大しており、業者間の競争も激しさを増している。ただ、CPI算出に対する寄与度は小さい。

 問題はアパレルだ。アパレルは寄与度も自動車並みに高い。3ヵ月連続で前月比マイナスだが、これについては百貨店やディスカウントストアなどの苦戦も要因としてあるものと思われる。株価も下げが続いている状況。アマゾンなどネット通販が大きく台頭する中、ショッピングモールなど従来の路面販売は客足の減少が止まらず、既存店売上高も前年割れが続いている。そのため、店舗間で顧客獲得合戦が激しさを増しており、値引き合戦の様相になっているようだ。

 ただ、これは家計の購買意欲が減退したというよりも、サプライヤーサイドの構造上の問題ではある。ちなみに、コアインフレのトレンドを牽引するとも言われる帰属家賃は前月比で上昇傾向が続いている。

 しかし、捨てる神あれば拾う神あり。CPI当日の午後に発表になったFOMCは想定通りであっただろう。利上げはもちろんのこと、FOMCメンバーの金利見通しも、今年はあと1回、来年は3回と、3月時点と変わらずとなっている。経済見通しについては、今年のインフレ見通しはさすがに下方修正したものの、成長見通しは上方修正し、第2四半期以降の成長に自信を覗かせている。具体的な開始見通しまでは示さなかったものの、バランスシート縮小計画も具体的に公表していた。

 市場からは非難の声も出ているようだが、先週も言及した通り、FRBなかでは現状はあくまで、正常化の過程なのであろう。インフレが多少鈍化しても、成長と雇用がしっかりしていれば問題なしと考えているのかもしれない。景気サイクルを考えれば、”やれるときにやっておく”ということなのかもしれない。

 「ハト派なイエレン議長にしては?」と思われる方も少なくないであろうが、議長の専門はインフレではなく労働市場だ。賃金の伸びは緩いが、失業率は完全雇用の状況にあり、スラックも小さくなる中、労働市場は健全と見ているのかもしれない。

 ベテランのFXトレーダーなら同調する方も少なくないと思われるが、為替取引でFRBに逆らうと良い結果にはならないことが多い。

 翌日の木曜日から一気にドル買いが強まり、金曜日のドル円は一時111円台まで買い戻されている。週足で見れば、5週間ぶりの陽線だ。200日線も上回ってきている。

 さて来週だが、強気に行きたいところではあるが、何せ米経済指標が弱い。予想を上回る指標を見たいところではあるが、来週の主な指標は住宅販売件数2本と景気先行指数くらいのものである。住宅指標はあまり期待できないが、どうであろうか。むしろFOMCメンバーの発言が多数出る。しかし、金曜日のカプラン・ダラス連銀総裁もそうだったが、FOMC直後のメンバーの発言は概ね、FOMCを追認する内容が多い。ただ、注目はして置きたい。また、相変わらずノイズの多いトランプ大統領の動向も引続き注目されよう。ただ、ロシア疑惑に関しては息の長い話になりそうだ。最注目はIT・ハイテク株が下げ止まるかどうかかもしれない。

 ドル円の予想レンジだが、先週と変わらず109.50~112.50を想定。スタンスは期待を込めてやや強気を維持。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 ↓(↓↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立継続
短期 ↓(↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 →(↓↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(↓↓)

(みんかぶ「Klug」 野沢卓美)

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