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とれんど捕物帳 ドルは反転の兆しも信頼感はまだ無い

配信日時
2017年2月11日(土)09:37:00
掲載日時
2017年2月11日(土)09:47:00

 今週は週後半になってドルの買い戻しが強まった。強まったといっても小戻りといった程度ではあるが、ドル円が21日線付近まで戻したことは来週以降の期待感を高めたであろう。きっかけは米10年債入札とトランプ大統領の税制に対する発言であった。

 米10年債入札に関しては入札が不調で、米国債利回りが急上昇し、ドルも呼応して買戻しが強まっている。ただ、米国債入札に対する普段の反応と比べれば、少し過剰であったような印象も受ける。ドル円について言えば、111円台半ばの水準が固く、攻め切れなかったことや、日米首脳会談が週末に控えていたことで、ポジション調整のショートカバーに使われただけと思われる。

 更に、トランプ大統領の税制に関する発言だが、航空業界のトップとの懇談会で「2~3週間のうちに目を見張るような(phenomenal)税制改正案を出す」との言及が期待感を高めた模様。トランプ大統領の経済政策の具体案を待ち望んでいるなか、「phenomenal」という発言に、市場も刺激されたのかもしれない。

 そして、週末の日米首脳会談だが、為替問題に関しては、日米の財務相間で緊密な議論をするとしており、麻生副総理兼財務相とペンス副大統領が専門家を交えて今後も協議を継続するという。予想通りの無難な通過ではあったが、首脳の共同会見中に瞬間的にドル売りが強まる場面が見られた。トランプ大統領が記者から、中国の為替操作に関して聞かれ、「為替については以前から問題視してきた。為替政策で公表な土俵を作れる」と語ったことに敏感に反応した模様。中国に関しての話ではあるが、トランプ大統領からすれば、日本に対しても言えるのであろう。大統領はやはり、為替をかなり問題視している様子はうかがえた。

 さて来週だが、ドル買戻しの流れが続くかどうか注目となるが、来週はイエレンFRB議長の議会証言が予定されている。米地区連銀総裁からは3月利上げも選択肢にあるとの発言も複数出ているが、市場の反応は鈍い。CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチは、3月FOMCでの利上げの確率を13%程度で見ている状況で、米地区連銀総裁の発言を市場はほぼ無視している。

 記憶にある方もいるかもしれないが、昨年の夏にも9月FOMCに向けて同様の光景が見られていた。その後、イエレン議長のワイオミング州のジャクソンホールでの講演を受け、一気に9月FOMCでの利上げの可能性が高まったことがあった。実際にはイエレン議長の講演後のフィッシャーFRB副議長の発言が火をつけた格好ではあったが。結局、その後の指標は冴えず、9月FOMCでの利上げは見送られたが、そのような事が無いとは限らない。恐らくFRBは、緩やかとの条件付きではあるが、利上げに向けた意志を示すことであろう。

 ただ、過去30年の経験則を見ると、米国が利上げサイクルにある局面でも、ドル指数で見ると意外にもドル安になっていることが多い。もっとも、米景気が強い局面ではユーロ圏も景気が強く、更に昔は、米個人消費の拡大と伴に輸入も拡大。その恩恵をまともに受けていたのが日本の輸出で、貿易黒字が問題視されドル安・円高が強まっていた。

 今はユーロに対する信認も以前ほどはなくなっており、円も異次元の緩和から簡単には脱却できそうにない。新興国の台頭など世界経済の構造も大きく変化しており、昔のアノマリーは通用しないのかもしれない。しかし、トランプ大統領が苦言を呈している状況と何となく似ているような気がするのは私だけであろうか。

 その他、トランプ大統領は入国規制に関して、最高裁に控訴しない代わりに、新たな大統領令を出すと宣言している。来週前半あたりのようだ。内容によっては再び保護主義への懸念を高める可能性もあり要注意だ。

 いずれにしろ、ドルは反転の兆しが出てはいるが、まだ、信頼感はなさそうだ。

 来週のドル円だが、基本的な下向きの流れはまだ残っているものと思われる。想定レンジとしては、111.50~114.50と中立を想定したい。

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立継続
短期 ↓↓(↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓(↑↑)

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来週はお休みをいただきます。次回の配信は2月25日(土)の午前を予定しています。
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(みんかぶ「Klug」 野沢卓美)

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