
「投資家の資産が安全に守られる海外FX業者は、どこですか?」
「海外FX業者が倒産したら、お金は戻ってきますか?」
海外FXをする投資家にとっての一番の不安は「自分のお金はきちんと守られるのか?」つまり、「資産保全」についてではないでしょうか。今回は、資産保全でおすすめの海外FX業者をいろいろな角度から検証し、明らかにします。
目次
資産保全に関する国内FXと海外FXの違い
国内のFX業者の場合
2008年のリーマンショックをきっかけに日本国内のFX業者でも
- 経営破綻時に顧客資産が保全されない
- 顧客から預かった証拠金が消失する
事象が増加しました。
この実態を踏まえて、「金融商品取引業等に関する内閣府令(金商業等府令)」が改正され
金融商品取引業者又は登録金融機関がFX取引に係る証拠金の預託を受けた場合の区分管理方法が信託会社又は信託業務を営む金融機関への金銭信託に一本化された。
のです。
簡単に言えば
日本の金融庁に登録して営業している国内FX業者は、顧客の資産を信託銀行に保全することが義務付けられた
ということになります。
「信託保全」とは
信託銀行、信託会社に投資家の資産を預託することで、FX業者の倒産時にも、第三者機関が投資家に資産を返金する資産保全スキームのこと
を言います。
例
DMM FX

お客様の大切な資産で安心してお取引いただくために、法令に基づき、お客様から預託された証拠金等の資金は『日証金信託銀行株式会社』、『株式会社SMBC信託銀行』、及び『FXクリアリング信託株式会社』へ信託保全を行う方法により当社の財産とは区分して管理しています。
信託保全されたお客様の資産は、万が一当社が破綻した場合であっても保全されます。なお、信託先銀行が破綻した場合も信託法により信託先銀行固有の財産から切り離して取扱われるため、信託財産として保全されます。
出典:DMM FX
GMOクリック証券

安心してお取引いただくための制度です
万一、GMOクリック証券が破綻した場合に、お客様の資産は、受益者代理人である外部弁護士を通じてお客様に直接返還されることになります。つまり、国内FX業者は、必ず「信託保全」が義務付けられているのです。
出典:GMOクリック証券
海外FX業者の場合
基本的には
海外FX業者が取得している金融ライセンス、つまり、金融監督庁の方針によって、義務付けのレベルが異なります。

- 何も指定しない金融監督庁
- 分別管理のみ指定されている金融監督庁
- 投資家保護基金などの保護スキームへの加入が義務付けられている金融監督庁
- 信託保全が義務付けられている金融監督庁
など、国によってバラバラなのです。
- 英国FCA → CASS規定(顧客の資産保護の規定)を守らなければなりません。
- CySEC(キプロス証券取引委員会) → ICF(投資家補償基金)で最大250万ユーロの信託保全が義務付けられています。

「じゃあ、海外FX業者も、顧客の信託保全をしている可能性が高いの?」
そうではありません。
前述した、英国FCAやCySECは、比較的顧客保護の規制が厳しい金融監督庁であり、日本人向けにサービス展開している海外FX業者には、金融ライセンスを付与しません。日本の金融庁からの圧力もあるので、ライセンスを付与しないのです。
海外FX業者が取得する金融ライセンスは、審査の緩い金融ライセンスになってしまいます。
審査の緩い金融監督庁では、信託保全を義務化しているところは少なく、「分別管理のみ」「資産保全の規定なし」となってしまうケースが多いのです。
海外FX業者の場合は金融監督庁が規制していないのですから、「信託保全を導入するか?導入しないか?」は、海外FX業者自身の判断となり、企業努力をしているかどうかという違いでしかないのです。
「分別管理」とは
FX業者の「事業運営にかかる費用」と、「投資家の投資資金」を別の銀行口座で、別の帳簿で管理すること
を言います。
「分別管理」だけでは、FX業者倒産時に投資家に返金されるわけではありません。「別で管理していますよ。」と言っても、管理している主体は同じなのですから、いざ、会社が倒産間際になってしまえば、別の顧客の銀行口座から事業資金に使い込みをしてしのいでしまう可能性はゼロではないのです。
つまり
- 国内FX業者 → 全業者「信託保全」を導入
- 海外FX業者 → 基本的に「分別管理のみ」、資産保全に力を入れている業者のみ「信託保全」を導入
ということです。

金融ライセンスで規制されていなくても、自主的に「信託保全」が導入できるなら、すべての海外FX業者で導入した方が良いのでは?なぜ、しないの?

信託保全をすると、信託保全にかかわる銀行に支払う報酬、第三者の監査法人に支払う報酬、管理が煩雑になるためのコスト・・・など、コスト高が大きな要因です。顧客だけのことを考えれば、信託保全スキームは導入した方がベターなのですが、多くの海外FX業者は、多大な導入コストが発生してしまう信託保全を導入していないのです。
海外FX業者を資産保全で比較するポイント

その1.資産保全の保全度の強い「信託保全」を選ぶ
海外FX業者が導入している「信託保全」にも、いくつかの種類があります。
- 信託保全を導入せず「分別管理」のみ
- 海外FX業者自身が倒産時の保険に加入している形の信託保全
- 投資家補償基金などの基金で、投資家1名あたり上限○○万円までの信託保全
- 全額信託保全
の大きく分けて、4つのパターンがあります。
1.信託保全を導入せず「分別管理」のみ
海外FX業者の倒産時に、投資家の投資資金は返還されません。
2.海外FX業者自身が倒産時の保険に加入している形の信託保全
海外FX業者倒産時に保険金が支払われますが「保険金の総額 / 投資家数」が戻ってくる金額になるため、いくら戻ってくるのか?は不明です。
加入している保険の金額、保険の条件、投資家数まで開示している海外FX業者は少ないため、金額が想定できないのです。
3.投資家補償基金などの基金で、投資家1名あたり上限○○万円までの信託保全
投資家1人あたりの返還額が「基金」によって、決まってきます。上限付きの信託保全と言えます。
例:ICF(投資家補償基金)
ICFの加盟企業の顧客は、20,000 EURを超えない、または対象となる投資家の請求額の90%のいずれか低い方の支払い可能な報酬を受け取ることができます。
4.全額信託保全
日本国内のFX業者の信託保全と同様に投資家の資金が全額返金されます。
当然、投資家の資金が全額守られる「全額信託保全」を導入している海外FX業者をおすすめします。
以前は、ICFに加入が義務付けられているキプロス証券取引委員会(CySEC)ライセンスの海外FX業者も多かったので、ある程度信託保全のレベルとしては十分だったのですが、キプロス証券取引委員会(CySEC)が日本人向けのサービス展開をしている海外FX業者を締め出し始めたため、現在は、かなり少なくなっています。
その2.日本人スタッフが複数在籍している海外FX業者を選ぶ
日本人の特性上、外国人よりも
- 仕事への責任感が強い
- 丁寧な対応ができる
- 顧客への思いやりがある
方が多いです。
信託保全が発動するような状況では、スタッフへの給与支払いも止まってしまう可能性があり、外国人スタッフでは、ビジネスライクに一切対応をしなくなって辞めてしまう方も多いのです。
信託保全が発動するときに最後まで責任感を持って対応してくれるのは、やはり日本人ですし、言葉の壁がないというのは、細かい事情も伝えやすい大きなメリットとなります。
信託保全と同時に、複数名の日本人スタッフが在籍する海外FX業者を選ぶと、さらに資産保全という意味では、安心してトレードをすることができるはずです。
その3.日本人向けサービスの事業歴が長い海外FX業者を選ぶ
基本的には「信託保全」が発動せずに、長く利用し続けられることがベストです。
海外FX業者の場合、以前は、金融ライセンスの有無、金融ライセンスの種類である程度の見極めができたのですが、現状は、メジャーな金融ライセンスは、日本人向けサービスを展開している海外FX業者は、取得できない状況になっています。
そうなると
倒産しにく海外FX業者
= 事業歴の長い海外FX業者
= 親会社、グループ会社が主要な金融ライセンスを取得している(体制が整っている)
という形で判断していく必要があるのです。
事業歴が長い、親会社、グループ会社が主要な金融ライセンスを取得しているを選ぶことが、信託保全自体を発動しないで済む可能性が高くなるのです。
信託保全を導入している海外FX業者
AXIORY
信託保全比較項目 | 内容 |
---|---|
信託保全の種類 | 全額信託保全 |
日本人スタッフ | 複数名在籍 |
事業歴 | 2007年設立、2013年日本人向けサービス開始 |
金融ライセンス | ベリーズ国際金融サービス委員会 IFSC |
親会社、グループ会社の金融ライセンス | なし |
口座の種類 | ナノ口座/MT4/ECN |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.30 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202.42m/sec |
最低入金額 | 2万円相当 |
XMTrading
信託保全比較項目 | 内容 |
---|---|
信託保全の種類 | 保険型信託保全。AIGグループで100万ドルの保険 |
日本人スタッフ | 複数名在籍 |
事業歴 | 2009年日本人向けサービス開始 |
金融ライセンス | セーシェル金融庁(FSA) |
親会社、グループ会社の金融ライセンス | キプロス証券取引委員会(CySEC) ベリーズ国際的金融商品取扱業者登録(IFSC) 英国FCA オーストラリア証券投資委員会(ASIC) ドバイ金融サービス機構(DFSA) |
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
最低入金額 | 500円相当 |
TRADEVIEW
信託保全比較項目 | 内容 |
---|---|
信託保全の種類 | 投資家保護基金型信託保全。1顧客あたり35,000ドルの信託保全 |
日本人スタッフ | 複数名在籍 |
事業歴 | 2004年日本人向けサービス開始 |
金融ライセンス | ケイマン諸島金融監督庁(CIMA) |
親会社、グループ会社の金融ライセンス | なし |
口座の種類 | xLeverage口座(MT4)/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.80 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 2.00 |
最大レバレッジ | 400倍 |
約定力 | |
最低入金額 | 1万円相当 |
資産保全でおすすめの海外FX業者No.1は?
結論として
全額信託保全を導入している日本人向けサービスを展開している海外FX業者は「AXIORY」だけなのです。
AXIORYの信託保全のスキームは

- 顧客の投資資産 → Doha Bank(ドーハ銀行)に分別管理される
- Doha Bank(ドーハ銀行)の顧客資金の出金権限は、口座名義のお客様の承諾・当社アカウンティングチーム監査(第三者)機構によって行われ、倒産時には、口座名義のお客様の承諾監査の上、第三者機関が責任を持って、顧客に資金を戻す
形を採用しています。
第三者機関というのは、AXIORYの財務監査機関、会計士、弁護士から構成された外部機関であり、
万が一弊社が破綻した場合、「口座名義であるお客様の承諾」と「機構による承諾」のみの権限で、これらの資金を出金することができます。
という仕組みになっているのです。
また、同時に毎年監査法人PWC(プライスウォーターハウスクーパース)の監査を受け、監査レポートを公開するなど、徹底した透明化に取り組んでいる海外FX業者です。
資産保全の確実性、企業経営の透明性という意味では、圧倒的にAXIORYが信頼できる海外FX業者と言えます。
デメリットは、AXIORYは、グループ会社や親会社を持たずに日本人向けサービスをメインに運営している海外FX業者ですので、世界各国の金融ライセンスを取得しているわけではないという点です。
口座の種類 | ナノ口座/MT4/ECN |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.30 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202.42m/sec |
最低入金額 | 2万円相当 |
次点としては
信託保全としては「AIGグループから100万ドルの保険」と弱い設定になってしまっているXMTradingが挙げられます。
XMTradingは、信託保全の仕組みこそ脆弱ですが
- 2009年から10年以上の事業歴
- 20名以上いる日本人スタッフ
- グループ会社が世界各国の金融ライセンスを取得している。※キプロス証券取引委員会(CySEC)、ベリーズ国際的金融商品取扱業者登録(IFSC)、英国FCA、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)、ドバイ金融サービス機構(DFSA)
など、資産管理体制のスキームが世界各国のハイレベルな監査をクリアして運営されているため、倒産しにくく、実際に事業歴も長い安心して利用できる海外FX業者となっています。
資産を安心して、預託してトレードができるという意味では、AXIORYに次ぐ、おすすめの海外FX業者と言えます。
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
最低入金額 | 500円相当 |
資産保全に関するよくある質問

Q. 分別管理のみの海外FX業者は、使わない方が良いの?

気を付けて使えば良いと思います。
資産保全としては、海外FX業者の倒産時に資金が戻ってこない可能性があるので
- 倒産しにくい海外FX業者を選ぶ
- 口座へ預託する資金は、トレードに使う最低限の資金に留めておく
- 掲示板やtwitterなどの情報を常にチェックして、出金拒否などの情報が見つかったら、すぐに出金する
などの対策を取ることで、「分別管理のみ」の海外FX業者であっても、大きな資産を失うリスクを最低限に抑えて、トレードすることが可能です。
筆者の個人的な意見で言えば
本当に「資産の安全性」を重視するのであれば、国内のFX業者を使えば良いだけですので
せっかく
- ハイレバレッジトレードができる
- 最先端のサービスが利用できる
- 追証を気にせずトレードができる
海外FX業者を使うのであれば、あえて「資産保全」を重視する必要はなく
を重視して、海外FX業者を選んだ方がベターなのではないかと考えます。

前述した「口座へ資金を置きすぎない」「利用している海外FX業者の出金拒否の情報を常にチェックしておく」ことを行えば、資産を失う海外FX業者の倒産リスクは大きく下げられます。
「分別管理のみ」の海外FX業者も、選択肢に入れて、海外FX業者を選ぶことをおすすめします。どうしても、資産保全が気になる方は、AXIORYを利用すれば良いでしょう。