FXトレードをする業者を比較検討するときに重要なポイントの一つに「スプレッド」があります。これは海外FX業者でも同じです。どの海外FX業者が一番狭いスプレッドなのか?スプレッド比較のコツも含めて丁寧に解説します。
目次
海外FX業者と国内FX業者のスプレッドの違い
まず理解しておきたいのは「海外FX業者のスプレッドと国内FX業者のスプレッドの違い」です。
国内FX業者のスプレッドの相場
- 米ドル/円 0.3pips~0.5pips
- 原則固定スプレッド
海外FX業者のスプレッドの相場
- 米ドル/円 0.8pips~1.2pips
- 変動スプレッド
という違いがあります。
簡単に言えば
のです。
なぜ、国内FX業者のスプレッドの方が、海外FX業者のスプレッドよりも狭いのか?
取引方法の違いによるものです。
国内FX業者の取引方法
呑み取引(店頭取引、OTC取引、相対取引)
海外FX業者の取引方法
NDD取引「ノン・ディーリング・デスク」(STP取引、ECN取引)
簡単に言えば
国内FX業者の場合
投資家の注文は、FX業者が呑む
インターバンク市場では取引をしない
海外FX業者の場合
投資家の注文は、そのままインターバンク市場に流す
という違いがあります。
teacher
すべての取引が上記の仕組みではありませんが、おおむねこのような違いがあります。
国内FX業者は「投資家の注文を呑む」だけですので、何もすることがなく、コストがかからない分、スプレッドを狭く設定することができるのです。
インターバンク市場での通貨の売買をしないため、スプレッドも「固定」できるのです。
「原則固定」となっているのは、指標発表時や大きな経済トピックがあるときなど、注文が集中するときにすべての注文を呑まずにカバー取引をしてリスクヘッジをするケースがあります。この場合、スプレッドが広がってしまうため、「原則固定」という表現になっているのです。
一方、海外FX業者は実際にインターバンク市場で、複数のリクイディティプロバイダーと通貨の売買をして、レートを受け取るので、当然のようにスプレッドは上下してしまいます。
だからこそ、「変動」スプレッドが基本となるのです。
海外FX業者のスプレッド比較のポイント
ポイントその1.変動スプレッドは「平均スプレッド」で比較する
前述のように海外FX業者のスプレッドは「変動スプレッド」を採用されています。
多くの海外FX業者で
米ドル/円 スプレッド:0.1pips~
というように大きくウェブサイトに掲載されていますが・・・
これでは
- 0.1pipsなのか?
- 0.5pipsなのか?
- 1.2pipsなのか?
さっぱりわからないのです。
- 海外FX業者A社:最小スプレッド:0.1pips~
- 海外FX業者B社:最小スプレッド:0.2pips~
- 海外FX業者C社:最小スプレッド:0.3pips~
となっていても、
「最小値」だけで比較して、海外FX業者A社を選んだとしても
「体感だと、すごくスプレッドが広い感じがするんだけど、なぜだろう。」
man
となってしまう可能性が高いのです。
それも、そのはずで「最小値」のスプレッドでは、スプレッドの比較のしようがないのです。
海外FX業者の中でも、良心的な業者は「変動スプレッドの平均値(平均スプレッド)」を公開しています。
例
XM(エックスエム)
マイクロ口座
最低スプレッド:0.010(1.0pips)
平均スプレッド:0.016(1.6pips)
スタンダード口座
最低スプレッド:0.015(1.5pips)
平均スプレッド:0.016(1.6pips)
XM Zero口座
最低スプレッド:0.001(0.1pips)
平均スプレッド:0.001(0.1pips)
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
最低入金額 | 500円相当 |
TitanFX(タイタンエフエックス)
スタンダード口座
平均スプレッド:1.33pips
ブレード口座
平均スプレッド:0.33pips
口座の種類 | Zeroスタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.33 |
最大レバレッジ | 500倍 |
約定力 | ミリ秒単位の約定スピード |
最低入金額 | 2万円相当 |
「変動スプレッドの平均値(平均スプレッド)」であれば、正しくスプレッドを比較することができます。
- 海外FX業者A社:平均スプレッド:0.8pips
- 海外FX業者B社:平均スプレッド:1.2pips
- 海外FX業者C社:平均スプレッド:1.0pips
となっている場合は、「海外FX業者A社」が一番スプレッドが狭い海外FX業者と考えて良いのです。
ポイントその2.取引手数料はスプレッド換算してトレードコストで比較する
多くの海外FX業者では
- 取引手数料が無料でスプレッドが広い口座
- 取引手数料が有料でスプレッドが狭い口座
の2種類の口座を提供しているケースがあります。
例
XM(エックスエム)
スタンダード口座
取引手数料:無料
平均スプレッド:1.6pips
XM Zero口座
取引手数料:片道5ドル
平均スプレッド:0.1pips
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
最低入金額 | 500円相当 |
TitanFX(タイタンエフエックス)
スタンダード口座
取引手数料:無料
平均スプレッド:1.33pips
ブレード口座
取引手数料:片道3.5ドル
平均スプレッド:0.33pips
口座の種類 | Zeroスタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.33 |
最大レバレッジ | 500倍 |
約定力 | ミリ秒単位の約定スピード |
最低入金額 | 2万円相当 |
この状態で「取引手数料が無料でスプレッドが広い口座」「取引手数料が有料でスプレッドが狭い口座」比較してしまうと、取引手数料分が加味されていないので、正しくスプレッドを比較できないのです。
このようなケースでは
必要があります。
取引手数料というのは、スプレッドに換算できるので、それを加味して、トレードコストを算出するということです。
になります。
注意しなければならないのは、取引手数料をスプレッドに換算するときには「往復」で計算する必要があるということです。
スプレッドというのは、買値(Ask)と売値(Bid)の価格差のことですから、買う(エントリー)、売る(エグジット)の往復の取引に関するコストになります。
そのため、取引手数料も「片道」ではなく、「往復」で考えなければならないのです。ただし、少しでも取引手数料を安く見せようと海外FX業者は、取引手数料を「片道」表記しているところが多いので、「往復」に直して、トレードコストを算出する必要があるのです。
XM(エックスエム)
スタンダード口座
取引手数料:無料
平均スプレッド:1.6pips
XM Zero口座
取引手数料:片道5ドル
平均スプレッド:0.1pips
TitanFX(タイタンエフエックス)
スタンダード口座
取引手数料:無料
平均スプレッド:1.33pips
ブレード口座
取引手数料:片道3.5ドル
平均スプレッド:0.33pips
となるので
上記の4つの口座のスプレッド(トレードコスト)を比較するとしたら
ことになるのです。
ポイントその3.平均スプレッドは同環境で比較すべき
前述した通りで
「変動スプレッド」は、「平均スプレッド」で比較する
必要があります。
しかし、ここで注意しなければならないのは
トレード環境
です。
海外FX業者が自社調査、自社公表データとして提示している「平均スプレッド」が正しいとは限らないからです。
海外FX業者が自社公表している「平均スプレッド」は
- いつからいつの平均値か?
- 何分間隔で測定された平均値か?
- どのサーバーで計測した平均値か?
明らかにされていることはなく、ただただ「平均スプレッド」としてのみ表記されていることがほとんどなのです。
本当の意味で正確に海外FX業者のスプレッドを比較するのであれば
同環境のサーバー上でMT4を起動して
同じ期間、同じ間隔で計測した平均スプレッド
である必要があるのです。
これは、システムを開発しなければできないことですので、測定してくれている海外FXのサイトで確認することをおすすめします。
前述した同環境での平均スプレッド比較を見ると
平均スプレッド比較
検証期間:2017年3月29日~2019年1月7日
※取引手数料(ECN口座)はスプレッド換算して、スプレッドに含めています。
となっています。
ポイントその4.通貨ペアごとにスプレッドの狭い業者は変わってくる!
海外FX業者のスプレッドというのは、通貨ペアごとに異なります。
また、海外FX業者によって
- 得意な通貨ペア
- 苦手な通貨ペア
というものが出てくるのです。
例えば
オーストラリアの海外FX業者であれば、オーストラリア人の投資家が多く、豪ドルの取引額が大きくなります。豪ドルの取引額が大きくなれば
- インターバンク市場からも有利な価格が提示される
- 豪ドルに強いリクイディティプロバイダーと提携する
- 豪ドルに有利なスプレッド設定にする
・・・
など、現地の投資家向けに豪ドル関連の通貨ペアのスプレッドを狭くするケースが多いのです。
- 欧州の海外FX業者 → ユーロ関連の通貨ペアが強い
- 米国の海外FX業者 → 米ドル関連の通貨ペアが強い
ことになります。
実際に本社が欧州、米国の海外FX業者はほぼありませんが、親会社が欧州、米国、実際に運営している本部があるのが欧州、米国というケースはあるので、通貨ペアの強い、弱いというのは出てきてしまうのです。
一番スプレッドが狭い(トレードコストが安い)海外FX業者は?
「米ドル/円」のスプレッド狭さランキング
1位.AXIORY/ナノスプレッド口座
口座の種類 | ナノ口座/MT4/ECN |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.30 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202.42m/sec |
最低入金額 | 2万円相当 |
2位.TitanFX/スタンダード口座
口座の種類 | Zeroスタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.33 |
最大レバレッジ | 500倍 |
約定力 | ミリ秒単位の約定スピード |
最低入金額 | 2万円相当 |

3位.XM(エックスエム)/ゼロ口座

4位.AXIORY/スタンダード口座
口座の種類 | ナノ口座/MT4/ECN |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.30 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202.42m/sec |
最低入金額 | 2万円相当 |

5位.IFCMarkets/スタンダード口座
口座の種類 | MT4・MT5マイクロ口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.80 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.80 |
最大レバレッジ | 400倍 |
約定力 | |
最低入金額 | 100円相当 |