「追証がないとどんなメリットがあるんですか?」
「追証がないことを利用したトレード手法はありますか?」
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海外FXの最大のメリットは「ハイレバレッジトレードができること」だと思っている方も多いのですが、実際には「ハイレバレッジでありながら、追証がないこと」が最大のメリットなのです。追証なしの理由から追証なしを活用したトレード手法まで解説します。
目次
そもそも、「追証」とは?
「追証」とは
を言います。
FXトレードは、ポジションを持って、その損益が変動するトレードですが、為替レートの変動に応じて、含み益・含み損が発生して、証拠金額も上下します。その時にFX業者が定めた証拠金維持率を割ってしまうと、「追加で証拠金を入金してください。」という要請がきます。これを「追証(おいしょう)」というのです。
証拠金維持率とは
「追証」が発生した場合どうしないといけないのか?
国内FX業者の場合
「追証」が発生している状態を解消する必要があります。
解消の方法は
- 追加証拠金を入金する
- 保有しているポジションを決済して、ポジション必要証拠金を純資産額よりも下げる
という2つの選択肢があります。
ポジション必要証拠金 = その時点のポジションを持つために必要な証拠金
純資産額 = 預託証拠金残高 + 評価損益
を意味します。
「追証」が発生した場合、いつまでに対応すれば良いの?
国内FX業者によって、設定が異なります。
基本的には
です。
DMM FX → 追証発生日の翌営業日の午前4:59
追加証拠金が発生した翌営業日の04時59分までに追加証拠金額以上のご入金もしくはポジション決済による追加証拠金額の解消が必要となります。
GMOクリック証券 → 追証発生日の翌営業日の午前3:00
追加証拠金を解消するには、解消期限である追加証拠金発生日の翌営業日(祝日を除く)午前3:00までに入金、もしくは、建玉の全部又は一部の決済が必要です。
「追証」に応じないとどうなるのか?
国内FX業者の場合
- ポジションの強制ロスカット
- 新規取引の停止
- 出金予約の停止
- 発注済み新規未約定注文の取消
- 出金予約の取消
などの対応が取られます。
国内FX業者の追証で設定されている証拠金維持率
DMM FX → 100%未満
DMM FXでは毎営業日クローズ時点に「証拠金維持率の判定」を行い、この時点で証拠金維持率が100%を下回っていた場合には追加証拠金が発生します。
追加証拠金が発生した場合は、追加証拠金が発生した翌営業日の04時59分までに追加証拠金額以上の入金もしくはポジション決済による追加証拠金額の解消が必要となります。
解消期限までに、追加証拠金が0円とならない場合には、保有しているポジションを反対売買による「マージンカット(強制決済)」を行います。
GMOクリック証券 → 100%未満
1.判定時刻
追加証拠金の判定を、毎営業日(祝日を含む)ニューヨーククローズ時点で建玉を保有しているお客様に対し、順次実施します。
(追加証拠金の判定はニューヨーククローズ後1時間程度での完了を想定しております。)2.発生条件
ニューヨーククローズ時点に時価評価総額が取引金額の4%に相当する日本円額を下回っていた場合(証拠金維持率が100%を下回った場合)追加証拠金が発生します。
追加証拠金はニューヨーククローズ時点の必要証拠金額から時価評価総額を引いた金額です。
追加証拠金が発生したと判定された時点で発注中の新規注文は取消しとなり、当社が解消を確認するまでの間、新規注文、振替出金を制限します。
強制ロスカットがあるのに追証って必要なの?
「強制ロスカット」と「追証」は、発生する基準とタイミングが異なるのです。
GMOクリック証券
- 追証 → 証拠金維持率:100%未満(ニューヨーク市場のクローズ 日本時間:午前7時(夏時間時:午前6:00) → 追加証拠金の入金、もしくは追証を解消できる分のポジションの決済 → 強制ロスカット
- 強制ロスカット → 証拠金維持率:50%未満(随時) → 全ポジションの決済
- 追証の方が緩い基準
- 強制ロスカットは厳しい基準
という違いがあります。
追証発生の計算例
入金した投資資金:10万円
1ドル:100円
保有ポジション:「買い」2枚(2万通貨)
↓
追証(追加証拠金)発生レート 1ドル:98.958円
ロスカット発動レート 1ドル:98.958円
- 1ドル:100円で買いポジションを2枚持ったら、104.2pips円高になった時点で追証が発生する
ということを意味しています。
「追証」が「借金」になるケース
前述した通りで
- 証拠金維持率100%未満 → 追証発生
何もしない場合
- 証拠金維持率50%未満 → 強制ロスカット
という対応を国内FX業者はしているので、平時であれば、追証が発生して、放置していても、ポジションが強制的に決済されて、損失が確定し、多少の証拠金が残っている状態になります。
とくにこの状態では「借金」は発生していません。
しかし、相場の急変動が起きた場合
FX業者がいくら証拠金維持率hの50%でロスカットしたくても、
- 決済が成立しない
- 決済が成立したタイミングは、大きく価格が動いていた
というケースが起こってしまうのです。
平時の場合
- 追加証拠金額 < ポジション必要証拠金
- 含み損 < 純資産額
相場の急変動時
- 追加証拠金額 > ポジション必要証拠金
- 含み損 > 純資産額
→ 口座残高がマイナスの状態
になってしまいます。
DMM FX
ロスカットが執行されれば、証拠金がマイナスになることはありませんか?
相場の状況等によっては、ロスカットルールが執行された場合においても預託された証拠金以上の損失が発生することがあります。ロスカットは、原則として証拠金維持率が50%以下となった時点でお客様に配信しているレートで執行されます。
そのため、急激な相場変動時等には、本来のロスカット水準を大幅に下回りロスカットが執行される可能性があります。
また、流動性の低下に伴い、有効なレートが配信されていない場合や、ロスカットや他の注文が殺到した場合には、ロスカットの執行に通常以上の時間を要する可能性があります。
基準を大幅に下回りロスカットが執行された場合は、お預けいただいた証拠金額以上の損失が発生することがありますので、ご注意ください。
口座残高がマイナスになると、国内FX業者は投資家の損失を肩代わりしている状態を意味するため、投資家は国内FX業者に対して「借金」を抱えることになります。国内FX業者は、投資家にマイナス分の請求をするのです。
これが「追証(おいしょう)」の一番怖い部分と言っていいでしょう。
スイスフランショックが発生した2015年には
- 個人投資家の強制ロスカット未収金(借金) → 2,907,457,000円(29億円)
- 強制ロスカット未収金(借金)が発生した個人投資家:6786人
- 個人投資家1人あたりの借金 → 428,449円
2015年だけでなく、毎年金額の大小はあれど、強制ロスカット未収金(借金)が発生しているのです。
年月 | 発生件数 個人 |
発生件数 法人 |
発生金額 個人 |
発生金額 法人 |
---|---|---|---|---|
2015年 | 6786件 | 562件 | 2,907,457,000円 | 170,044,000円 |
2016年 | 4545件 | 372件 | 459,180,000円 | 64,775,000円 |
2017年 | 253件 | 31件 | 25,991,000円 | 15,057,000円 |
2018年 | 1806件 | 16件 | 70,871,601円 | 438,000円 |
2019年 | 6391件 | 210件 | 809,179,000円 | 13,523,900円 |
相場の急変動時には
- 証拠金維持率100%未満 → 追証発生
- 証拠金維持率50%未満 → 強制ロスカット
と、どちらも間に合わずに口座がマイナス残高になり、借金を抱える可能性があるということです。
当然ですが、口座残高がマイナスにならないようにするためには
- レバレッジを下げる
- 余裕を持った資金を入金する
- 追証が発生したら、すぐに資金を入金する
- 証拠金維持率が高い状態で損切する
- ポジションの両建てで損失を固定する
などの方法が考えられます。
同時に
- ゼロカットシステムのある海外FX業者を使う
という方法もあります。
海外FX業者は「追証なし」「ゼロカットシステムあり」!
海外FX業者は
追証という制度自体がなく
- 強制ロスカット
- マージンコール
のみが設定されています。
XM
マージンコール
取引口座の動きをモニターする責任はすべてお客様にございますが、 XMTradingは起こり得る最大のリスクがお客様の口座総額を超えないように、マージンコールの方針に従います。
保有口座の総額が、未決済のポジションを維持するのに必要とされる証拠金の50%まで減った場合はすぐに、未決済のポジション維持に十分な資金がない旨を警告するマージンコールを行います。
損切りレベル
ロスカットレベルとは、未決済ポジションが自動的に決済される有効証拠金レベルを意味します。 取引口座の有効証拠金が必要証拠金の 20% 以下になると、顧客口座のロスカットレベルに達します。
- マージンコール:50%未満
- ロスカットレベル:20%未満
となっています。
これだけでも
ということがわかります。
さらに
XM
入金額以上の損失を被る可能性はありますか?
いいえ、お客様が入金された金額以上を失うことはありません。特定の通貨ペアでスリッページが発生し口座残高がマイナスになりました場合には、新たにご入金頂き次第、マイナスが自動的に解消されます。
とあるように
のです。
これが「ゼロカットシステム」と呼ばれるものです。
というメリットがあるのです。
という点が、最大の魅力となっています。
国内FX業者
- 最大レバレッジ:25倍
- マージンコール:200%以下
- 追証:100%以下
- 強制ロスカット:50%以下
- 口座残高がマイナスになった場合 → 個人投資家の借金
ローリターンなのに、個人投資家が入金額以上の借金を背負う可能性がある(損失が限定されない)
海外FX業者
- 最大レバレッジ:400~500倍
- マージンコール:50%以下
- 追証:なし
- 強制ロスカット:20%以下
- 口座残高がマイナスになった場合 → 海外FX業者が補填
ハイリターンでも、個人投資家が入金額以上の借金を背負うことはない(損失が限定される)
という違いがあるのです。
teacher
単純にハイレバレッジなだけでは、「海外FXは危険」という声も間違えではありませんが、ハイレバレッジでも、個人投資家が入金額以上の借金を背負うことはない、損失が限定されているため、見方によっては「国内FX業者よりも、海外FX業者の方が安全かつ稼ぎやすい」と言えるのです。
海外FXは「最大レバレッジが大きい」かつ「口座残高がマイナスになった場合に個人投資家が損失を被らない」という2点で、国内FXとは違ったメリットが享受できるのです。
「ハイレバレッジ = 危険」というものではないのです。
主要海外FX業者の追証、マージンコール、ロスカットレベル、ゼロカットシステムの有無
XM
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
最低入金額 | 500円相当 |
マージンコール:50%以下
追証:なし
ロスカットレベル:20%以下
ゼロカットシステム:あり
AXIORY
口座の種類 | ナノ口座/MT4/ECN |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.30 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202.42m/sec |
最低入金額 | 2万円相当 |
マージンコール:50%以下
追証:なし
ロスカットレベル:20%以下
ゼロカットシステム:あり
TitanFX
口座の種類 | Zeroスタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.33 |
最大レバレッジ | 500倍 |
約定力 | ミリ秒単位の約定スピード |
最低入金額 | 2万円相当 |
マージンコール:なし
追証:なし
ロスカットレベル:20%以下
ゼロカットシステム:あり
GEMOFOREX
口座の種類 | オールインワン口座/STP | ガチゼロ口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.20 | 0.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.20 | 0.00 |
最大レバレッジ | 1000倍 | 1000倍 |
約定力 | 99.79%を0.78秒以内に約定 | 99.79%を0.78秒以内に約定 |
最低入金額 | 100円相当 | 5000円相当 |
マージンコール:50%以下
追証:なし
ロスカットレベル:20%以下
ゼロカットシステム:あり
LAND-FX
口座の種類 | スタンダード口座/MT4/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 400倍(~10万ドル) 300倍(~20万ドル) 200倍(20万ドル~) |
約定力 | 約定率:99.97% スリッページ平均:0.039pips 約定スピード:202ms |
最低入金額 | 2万円相当 |
マージンコール:なし
追証:なし
ロスカットレベル:30%以下
ゼロカットシステム:あり