「なぜ、海外FX業者は、レバレッジ規制の対象外なのですか?」
「海外FX業者でハイレバレッジトレードをするときの注意点を教えてください。」
man
海外FX業者は、ハイレバレッジトレードができることで多くの投資家に人気がありますが、そもそも、なぜ海外FX業者はレバレッジ規制の対象外なのでしょうか、海外FX業者でのハイレバレッジトレードのメリットデメリットも含めて、丁寧に解説します。
海外FXのレバレッジの仕組みとは?
海外FX業者のレバレッジ
現在の主要な海外FX業者のレバレッジ設定は、下記のようになっています。
FBS 最高3,000倍
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 2.00 |
最大レバレッジ | 3000倍 |
約定力 | 95%以上のオーダーが0.4秒以内に執行 |
最低入金額 | 1万円相当 |
レバレッジ条件
レバレッジ関連情報 | 内容 |
---|---|
最大レバレッジ | 3,000倍 |
対象口座 | マイクロ口座、スタンダード口座、ゼロスプレッド口座 |
レバレッジの残高制限 | なし |
ロスカットレベル(証拠金維持率) | 20% |
GEMFOREX 最高1,000倍
口座の種類 | オールインワン口座/STP | ガチゼロ口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.20 | 0.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.20 | 0.00 |
最大レバレッジ | 1000倍 | 1000倍 |
約定力 | 99.79%を0.78秒以内に約定 | 99.79%を0.78秒以内に約定 |
最低入金額 | 100円相当 | 5000円相当 |
レバレッジ条件
レバレッジ関連情報 | 内容 |
---|---|
最大レバレッジ | 1,000倍 |
対象口座 | オールインワン口座、ガチゼロ口座 |
レバレッジの残高制限 | なし |
ロスカットレベル(証拠金維持率) | 20% |
HFMarkets 最高1,000倍
口座の種類 | セント口座/STP | プレミアム口座/STP | PRO口座/STP | ゼロ口座/STP | HFCOPY口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.60 | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.20 | 1.20 | 1.20 | 0.00 | 1.00 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 2.20 | 2.20 | 0.10 | 1.70 | |
最大レバレッジ | 2000倍 | 2000倍 | 2000倍 | 2000倍 | 400倍 |
約定力 | |||||
最低入金額 | 0円 | 0円 | 1万円相当 | 0円 | 5万円相当 |
レバレッジ条件
レバレッジ関連情報 | 内容 |
---|---|
最大レバレッジ | 1,000倍 |
対象口座 | マイクロ口座 |
レバレッジの残高制限 | なし |
ロスカットレベル(証拠金維持率) | 20% |
IS6FX 最高1,000倍
レバレッジ条件
レバレッジ関連情報 | 内容 |
---|---|
最大レバレッジ | 1,000倍 |
対象口座 | マイクロ口座、スタンダード口座 |
レバレッジの残高制限 | 口座残高20,000ドル以下 |
ロスカットレベル(証拠金維持率) | 50% |
XMTrading 最高1,000倍
口座の種類 | スタンダード口座/STP |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 1.60 |
最大レバレッジ | 1000倍(~2万ドル) 200倍(2万ドル~) 100倍(10万ドル~) |
約定力 | 99.35%を1秒以内に約定 執行率100% リクオート・注文拒否なし |
最低入金額 | 500円相当 |
レバレッジ条件
レバレッジ関連情報 | 内容 |
---|---|
最大レバレッジ | 1,000倍 |
対象口座 | マイクロ口座、スタンダード口座 |
レバレッジの残高制限 | 口座残高20,000ドル以下 |
ロスカットレベル(証拠金維持率) | 20% |
国内FX業者のレバレッジ
国内FX業者のレバレッジは
- 個人投資家:最大25倍
- 法人投資家:変動制(40倍~50倍が相場)
となっています。
国内FX業者も、以前は、400倍、500倍という高いレバレッジでサービス提供をしていましたが、2011年のレバレッジ規制の導入に伴い、2010年、2011年に規制が導入され、現状は、上記のレバレッジに制限されてしまったのです。
レバレッジ規制とは
を言います。
経緯としては
- 2009年5月29日:「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等の公表
- 2010年8月1日:(個人)最大レバレッジ50倍の規制
- 2011年8月1日:(個人)最大レバレッジ25倍の規制
- 2016年6月14日:金融商品取引業等に関する内閣府令の改正
- 2016年6月14日:(法人)レバレッジ変動制(50倍前後)為替リスク想定比率により算出
規制される法律
- 金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令 略称:金商業等府令
導入の経緯・理由
- 顧客保護(ロスカットルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)
- 業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ)
- 過当投機
レバレッジ規制の是非は、さておき、このような理由と経緯で「レバレッジ規制」が導入され
- 海外FX業者:レバレッジ規制対象外 → レバレッジ最高3,000倍(相場:400倍~500倍)
- 国内FX業者:レバレッジ規制対象 → レバレッジ最高25倍
という差が出てきてしまい
- ハイレバレッジトレードをしたい投資家
- 少額資金でトレードする投資家
- 一獲千金を求める投資家
がこぞって海外FX業者を利用するようになっているのです。
man
「金商業等府令」というのは、日本の金融監督庁である「金融庁」が、金融商品取引業の業者に対して、規制を行う法律です。
対象は、日本国内に本社を構えて、日本国内で営業活動をする金融商品取引業です。
teacher
日本人が海外旅行に行って、ハワイのレストランで食事をすることはありますが、そのレストランは、日本の食品衛生法に従っているわけではありません。ハワイの、アメリカの、飲食店経営のルールに従って営業されているのです。
前述した通りで、海外FX業者を利用すればハイレバレッジトレードができるのですが、ハイレバレッジトレードにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを理解しておく必要があります。
海外FX業者でハイレバレッジトレードをするメリット
メリットその1.追証がない!
海外FX業者のハイレバレッジトレードの最大のメリットは「追証がない」点です。
海外FX業者は、「追証ゼロサービス」「ゼロカットサービス」を導入しており
国内FX業者の場合
になってしまうため、これが問題視されて「レバレッジ規制」が導入されてしまったのです。
海外FX業者の場合
するため、どんなに高いレバレッジでトレードをしても、損をするのは「入金した資金の範囲内」に限定されます。
メリットその2.ポジションをギリギリまで持つことができる
レバレッジが高ければ、同じポジションを持っていても、資金のギリギリまでロスカットされずに持つことができます。
- 国内FX業者 レバレッジ:25倍
- 海外FX業者 レバレッジ:3,000倍
で試算すると
国内FX業者で1万通貨のポジションを持った場合の許容される最大損失額
投資資金:10万円
保有ポジション:1万通貨
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
ロスカットレベル(証拠金維持率):100%
レバレッジ:最大25倍
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
100円 × 1万通貨 ÷ 25倍 = 4万円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 4万円 = 6万円
海外FX業者で1万通貨のポジションを持った場合の許容される最大損失額
投資資金:10万円
保有ポジション:1万通貨
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
ロスカットレベル(証拠金維持率):20%
レバレッジ:最大1,000倍
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
100円 × 1万通貨 ÷ 1,000倍 = 1,000円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 20% × 1,000円 = 9万9,800円
つまり、同じ10万円を入金して、米ドル/円の1万通貨のポジションを持った場合
- 国内FX業者 → -6万円の時点でロスカット
- 海外FX業者 → -9万9,800円の時点でロスカット
ですから、
teacher
メリットその3.多くのポジションを持つことができる
レバレッジが高ければ高いほど、多くの取引量でポジションを持つことができます。
資金10万円で持つことができる取引量の最大値は
国内FX業者
投資資金:10万円
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
レバレッジ:最大25倍
- 10万円 × 25倍 / 100円 = 25,000通貨
海外FX業者
投資資金:10万円
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
レバレッジ:最大1000倍
- 10万円 × 1000倍 / 100円 = 1,000,000通貨
です。
当然、資金の限界でポジションを持ってしまえば、それだけロスカットのリスクが高まるため、現実的ではありませんが、同じ資金でも、持てるポジションに差があるのです。
国内FX業者の場合、10万円の入金では、米ドル/円を10万通貨(1ロット)ポジションを持つことはできませんが
海外FX業者で1万通貨のポジションを持った場合の許容される最大損失額
投資資金:10万円
保有ポジション:10万通貨
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
ロスカットレベル(証拠金維持率):20%
レバレッジ:最大1,000倍
取引証拠金 = 為替レート × 取引量 ÷ レバレッジ
100円 × 10万通貨 ÷ 1,000倍 = 10,000円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 20% × 10,000円 = 9万8,000円
海外FXレバレッジ比較の注意点
そもそも、1000倍、3000倍という高いレバレッジは不要!?
前述した通りで、海外FX業者は
400倍~500倍のレバレッジ設定の海外FX業者から、1,000倍、3,000倍のレバレッジ設定の海外FX業者まで、設定されているレバレッジには差があります。
前述した通りで
レバレッジが大きいメリットとして
- 許容できる最大損失額が大きくなる(ギリギリまでロスカットされない)
- 多くのポジションが持てる
という点が挙げられますが、これは最大レバレッジ:25倍の国内FX業者と比較したうえでのメリットです。
レバレッジが400倍を超えてくれば、それ以上大きくても、大きな違いが出てきません。
レバレッジと最大許容損失額の比較
投資資金:10万円
取引通貨ペア:米ドル/円
為替レート:1ドル=100円
ロスカットレベル(証拠金維持率):20%
1万通貨を保有する場合
レバレッジ:1000倍の海外FX業者
- 100円 × 1万通貨 ÷ 1,000倍 = 1,000円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 20% × 1,000円 = 9万9,800円
レバレッジ:400倍の海外FX業者
- 100円 × 1万通貨 ÷ 400倍 = 2,500円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 20% × 2,500円 = 9万9,500円
10万通貨を保有する場合
レバレッジ:1000倍の海外FX業者
- 100円 × 10万通貨 ÷ 1,000倍 = 10,000円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 20% × 10,000円 = 9万8,000円
レバレッジ:400倍の海外FX業者
- 100円 × 10万通貨 ÷ 400倍 = 25,000円
- ロスカットまでに許容される最大損失額 = 10万円 - 20% × 25,000円 = 9万5,000円
teacher
- 1万通貨で300円の差
- 10万通貨で3,000円の差
しかないのです。
海外FX業者では
- レバレッジが高ければ高いほど、スプレッドが広い
- レバレッジが高ければ高いほど、約定力が低い
傾向にあるため、
優先順位を間違えてしまうと、せっかくのハイレバレッジトレードができるメリットが損なわれてしまうため、400倍以上のレバレッジがあれば十分と考えて、「スプレッドの狭い(取引手数料の安い)」「約定力が高い」海外FX業者を選ぶことをおすすめします。