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ダックビル為替研究所

雇用統計は3月の利上げを否定したのか?

 3日に発表された1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく上回ったものの、失業率が予想外に悪化、そしてこのところ注目度が高い平均時給が前月比、前年比ともに予想を下回るという結果になりました。
 これらの結果を受けて、瞬間的にドル買いが入った後、ドル売りに転じる結果となりました。

 米国では今年2回もしくは3回の利上げが期待されています。
 利上げに関してはFRBの二つの命題「雇用の最大化とインフレターゲット2%」がポイントとなります。
 雇用の最大化に関しては、現状でかなり近づいていると見られており、利上げへのハードルは下がっているという認識がすでに広がっています。そのため、NFPの好結果への反応は限定的なものにとどまったとみられます。
 あとは、インフレ圧力の拡大で、インフレターゲット水準を超えていくという懸念が、利上げを決定づけるという見方が広がっています。そのため、インフレ圧力につながる賃金状況が注目されていると見られています。
 なお、失業率の悪化に関しては、労働参加率の上昇(62.7%→62.9%)で基本的に説明できます。失業率の悪化自体は悪材料ですが、労働参加率の上昇は好材料だけに、悪いという見方はあまりないようです。

 ということで、今回のドル売り。平均時給の伸び鈍化が主要因という見方が広がっています。

 ただ、今回の平均時給の伸びの鈍化は、致し方ない面が大きいです。
今回の雇用統計、非農業部門雇用者数の詳細を確認してみると、
目立っているのが建設(3.6万人増)と小売(4.59万人増)です。
ちなみに小売の中では服飾関連(1.83万人増)が特に目立っています。

 こうした部門、特に小売り部門は労働者の流動性が高く、景気に敏感な一方、
給与水準がやや低めの傾向があります(日本もそうですね)。

 景気が拡大し、雇用が増える中で、流動性が高く人が増えやすい小売部門などの就業者が拡大、
業界として賃金の低さが、全体の平均受給を押し下げたという格好です。

 特に悪いことではありませんし、今後の雇用のひっ迫からの全体としての賃金上昇圧力につながることも考えると
今回の雇用統計で3月の利上げを否定というのはやりすぎと思われます。

 とはいっても、個人的には3月は据え置きで6月が本線という見方を維持しています。
6,9,12月で3回の利上げは計算できますし、
トランプリスクを考えると、基本的に慎重なイエレン議長が3月利上げに踏み切るとは考えにくいからです。
さて、どうなるでしょうか。

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。
2016年3月より株式会社みんかぶマガジン社・FX情報配信部門 部長兼 編集長
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)
はじめての人のFX(外国為替証拠金取引)基礎知識&儲けのルール」(すばる舎)がある

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