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ダックビル為替研究所

<新年特集>2017年トランプ政権誕生で為替はこうなる!

衝撃の結果となった11月8日の米大統領選挙から約2ヶ月。
今月20日の就任式をもって、いよいよドナルド・トランプ第45代大統領が誕生します。

大統領選の中で、
老朽化が深刻となっている総額1兆ドル規模のインフラ整備
連邦法人税を35%から15%へ、所得税率の簡素化による富裕層への減税や子育て支援税制導入などの減税策(総額で4.4兆ドル規模)などを提唱してきたトランプ氏。

与党共和党とすると、自らの党が選出した大統領とはいえ、基本的に小さい政府を志向していること(直近ではティーパーティー運動によってその傾向が強まっています)もあって、すべての同調してくるわけにはいかないと思われ、実際に就任後どこまで現実化するのかなどが就任後の注目となります。

ただ、法人減税などは共和党案としても(税率は違うにせよ)入っていたものですし、財政支出にしても税制優遇制度などを利用した民間資本による公共投資を基本として、財政バランス的には中立を目指すとしているだけに、基本路線はこの流れになりそう。

こうした政策が為替市場に与える影響ですが、基本的にはかなりのドル買い材料となります。
まずは景気の浮揚効果。インフラ投資を行い、減税を行うと、投資、消費ともに拡大が期待されます。対中国などへの批判にもみられるように、保護主義的通商政策も試行していますので、米国内企業への投資が大きくなると期待されおり、経済成長が加速する可能性があります。こうした状況の国にお金が流れ込むのはある意味当たり前です。

さらに、本国投資法(ホームランドインベストメント)も検討されています。これは企業の海外留保資金を本国に戻す際の税率を軽減するもので、これにより米国への投資資金流入が期待されます。これももちろんドル買い材料です。

財政赤字懸念も当初はドル買いにつながります。
減税の規模が大きいため、景気浮揚による税収拡大分(1.8兆ドルと推計されています)を除いても大きな赤字拡大が予想されています。
トランプ氏が意識するレーガノミクスでも減税と財政支出拡大(イラン米国大使館事件などの後だけに軍事費拡大などがメインでした)が行われ、当初景気拡大がみられましたが、その後貿易赤字と財政赤字の双子の赤字に苦しめられました。
税制赤字は基本的に国債発行によって行われ、それによって国債価格の下落(利回りの上昇)圧力が強まります。米国債の利回り上昇はかなり強いドル買い材料となります。

更にインフレ懸念もあります。すでに失業率が完全失業率水準といわれているような状況での景気の積極拡大路線(ちなみにレーガノミクスの時は、米国は景気後退とインフレ拡大というスタグフレーションに悩まされていました)は、物価上昇を招くとみられます。

FRBは12月のFOMCでの経済見通し(SEP)でインフレ見通しを据え置きましたが、トランプ氏の経済政策の進展次第では見通しの上方修正が必要となります。こちらも大きなドル買い材料です。

こうした状況を考えると、就任後当面はドル高が進むと期待されます。展開次第では2016年どころか、2015年に付けたアベノミクス以降の最高値である125円86銭すら更新する可能性があると思われます。

もちろんいい面だけではなく、強硬な移民政策と保護主義的な通商政策は、米経済にマイナスを与えると懸念されます。
また、ドル高が進むことで輸出が弱まると、レーガン大統領時と同じく双子の赤字懸念が広がる可能性があります。
とはいえ、経済成長的にはともかく、為替市場的には双子の赤字もドル買い傾向を大きく崩すとは考えにくいです。特に近年貿易収支関連が相場に影響を与えるケースが減っているだけに、財政赤字分がまともにドル買い圧力になりそうです。

年末にいったん大きく調整が入ったドル円ですが、流れはまだドル高円安に見えます。

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。
2016年3月より株式会社みんかぶマガジン社・FX情報配信部門 部長兼 編集長
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)
はじめての人のFX(外国為替証拠金取引)基礎知識&儲けのルール」(すばる舎)がある

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