FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

ダックビル為替研究所

<ドラギマジック>月毎買い入れ規模減少も引き締めムードを出さず

 注目された8日のECB理事会は
従来来年3月までとされていた現行の月額800億ユーロという資産買い入れプログラム(APP)について
月額600億ユーロに減額したうえで来年12月までの9か月間の延長を決めました。

 市場の見通しは月額800億ユーロを維持したうえで半年間の延長。
月毎の購入額を減らしたことで発表直後はユーロ買いが入り
節目の1.08をしっかり超えて1.08台後半まで上昇したものの、
すぐに値を戻し、逆にユーロ売り欧州株高が進行するなど
緩和強化の雰囲気が広がるというドラギマジックを見せました。

 期間を事前予想よりも長めに延長したことで
総額の買い入れ額を予想よりも大きくしたこと。
今回の措置について出口戦略に向かるテーパリングではないと明言し
テーパリングについては検討していないと明言したこと。
状況によってはさらに延長する。実質上はオープンエンドと発言し
ECBの緩和姿勢継続を強調したことなどが
買い入れ額減少を決めながらも
引き締めムードを印象付けず、緩和姿勢を意識される動きとなりました。

来年は欧州にとってかなり大きな年で
3月にオランダ、6月にフランス、8月から10月にドイツで総選挙。
フランスはさらに4月に大統領選第一回投票、その二週間後に決選投票。
4日の国民投票結果を受けて首相が辞任を表明したイタリアも
再来年の任期を待たず、来年2月の総選挙で調整と
政治的なイベントが目白押し。
また、来年3月までには英国のEU離脱、ブレグジットの手続きも正式にスタートする見込みです。
こうした状況だけに金融政策面で来年中しっかりとサポートするという姿勢を示した
12月までの延長は好感を持って迎えられたといえます。

緩和継続による買い入れ対象債券のひっ迫感についても
現在禁止されている中銀預金金利(-0.4%)以下の利回りの債券購入や
残存期間2年とされている条件の1年への緩和などで対応することを表明。
そもそもトランプラリーのおかげで各国の利回りが上昇し
これまで8年債ぐらいまで中銀預金金利を下回っていたドイツ国債が
4年債まで購入可能な状況になっており、
ひっ迫感への懸念が少し和らいでいるだけに、警戒感は小さそうです。

今回の動きでユーロは瞬間の上昇後大きく売られました。
米国が今月利上げに向かい、来年も利上げ傾向を継続するとみられる中
ECBのこうした緩和姿勢は対照的で大きな材料となります。
ユーロドルのパリティ(1ユーロ=1ドル)が現実味を帯びてきました。

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。
2016年3月より株式会社みんかぶマガジン社・FX情報配信部門 部長兼 編集長
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)
はじめての人のFX(外国為替証拠金取引)基礎知識&儲けのルール」(すばる舎)がある

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ

URL変更のお知らせ

KlugFXのURLはhttp://klug-fx.jpへ変更となります。お気に入りやブックマークなどに登録されているご利用者さまは、お手数ですが下記の新URLへの変更をお願いいたします。

http://klug-fx.jp