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ダックビル為替研究所

AIG救済

米証券第4位リーマンブラザーズの破綻、
第3位メリルリンチのバンカメによる救済合併など
激震が続く米金融市場。
次に危ないところとして
市場からマークされた感のあった
米最大手の保険会社AIGグループに対して、
米当局は実質的な国有化による
公的支援に乗り出しました。

今回のAIG救済策の内容は
①最大850億ドルの有担保融資
②AIG株の79.9%を受け取り
③普通・優先株の配当支払いに対する拒否権
といったところ。

担保となるのは、AIGの持つ全資産で
融資期間は二年間。
利率はLibor(銀行間出し手金利)3ヶ月もの+8.5%ですから
今のLibor水準(2.8%台)でみると
11.3%ぐらいです。

AIGグループの2007年度業務純益が62億ドル程度ですので
二年間で850億ドルを普通に返すのは無理。
ということで、
AIGは今後資産の売却を進めていくこととなります。

欧米金融機関が期待した
リーマンブラザーズに対する公的資金投入には
断固拒否の姿勢を貫いた米政府当局は、
信用格付けの低下から
経営難が伝えられたAIGに対しても
当初は民間支援による再建を目論んでいたといわれます。

ただ、サブプライム問題で痛んでいるのは
どこの金融機関も同じ。
AIGという巨人を救済する体力のある金融機関は無く、
かといって、
破綻ということになると
その影響が大きすぎる(いわゆるTooBigTooFail)ということで
米政府が公的支援に乗り出した形です。

破綻による影響を受けるのが
基本的にプロである他の金融機関であるリーマンと
保険という商品の性格上、普通の個人への悪影響が大きいAIGとの差
ということが出来るかもしれません。

先週末のつなぎ融資依頼報道などもあり、
今週に入って株価が急落。
15日に米格付け機関による格下げ発表もあり、
資金繰りの悪化に直面したAIGは
支払い義務を果たすために145億ドルの資金調達を必要としており
17日までに資金調達のめどが立たなければ
破産法適用申請が不可避の状況であったと見られているだけに
当局はぎりぎりのタイミングで
難しい判断を迫られた形です。

今回のAIG救済によって
リーマン、メリル、AIGと
先週末に懸念された大きな問題が
一旦結末を得た形です。
これで問題も一服となるといいのですが、
なかなかそうも行かないようです。

英国では最大の住宅金融であるHBOSが
資金繰りなどへの懸念から
今週に入って株価が一時約3分の一まで下落。
ロイズTSBによる救済合併での合意が報じられるなど
世界的に、まだまだ予断を許さない状況が続いており
金融市場の動向に神経質な展開が当面続きそうです。

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

山岡和雅(やまおか・かずまさ)

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。
2016年3月より株式会社みんかぶマガジン社・FX情報配信部門 部長兼 編集長
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)
はじめての人のFX(外国為替証拠金取引)基礎知識&儲けのルール」(すばる舎)がある

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