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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

円安政策の功罪

 小笠原誠治です。

 今回で、記事の連載が終了します。

 2009年5月に連載するようになってから約7年の期間が経過しました。当時、このように長く続くとは思ってもいませんでしたが、いずれにしても長い間記事を書き続けることができたのはひとえに読者の皆様のお蔭だと思っています。

 本当にありがとうございました。

 引き続き、私の記事を読みたいとお思いの方は、私のオリジナルなブログにアクセスして頂ければ幸いです。

 併せまして、Klugの関係者の皆様にも感謝の意を伝えたいと思います。

 ありがとうございました。

 安倍総理が言っています。

 「この道を。力強く、前へ。」

 どうでもいいことですが、句読点の使い方が、納得いきませんね。

 何故、この道をマルなんでしょうか。

 それはそうと、この道とは何を指すのでしょうか?

 いろんな解釈が成り立つと思いますが、要するに安倍流のやり方をこのまま力強く続けるということなのでしょうね。

 従って、日銀が国債を大量に買い取る政策を続ける、と。力強く前へということですから、マイナス金利幅がもっと大きくなるのかもしれません。

 でも、それでいいのでしょうか?

 全くデフレから脱却する気配はないのですから。

 つまり、3年半前に自分が大声を上げて訴えていた金融政策が全く不発に終わっているのに、その反省をしないで、そのまま続けるのだ、と。

 私が、そんなことを言うと、アベノミクスで円安が実現でき、それによって企業業績が改善し、株価も上がったからいいではないかと言う人がいると思います。

 今、再び円高の圧力がかかっていますが、しかし、確かに相当の期間円安が続いたのは事実です。そして、それによって企業業績が改善したのも事実。

 しか~し...今、私は、企業業績が改善したのも事実と言いましたが、ここは冷静に考える必要があるかもしれません。

 本当に企業業績は改善したと言えるのか、という疑問が湧くからです。

 というのも、円安で金額ベースの輸出は増加したように見えるかもしれませんが、輸出数量は殆ど増えていないからです。

 つまり、企業の業績が改善したかに見えるのは、円安になるとドル建ての売り上げは変わらなくても、円建てでは増えているように見えるからだ、と。

 これがアベノミクスの果実の正体ではないのでしょうか?

 安倍総理は、税収が増えたとも言いますが...リーマンショック後に税収が激減したことの反動と、消費税増税の効果を取り除いてみると、以前の通常のレベルに戻っただけの話なのです。

 つまり、アベノミクスのお蔭で景気がよくなって、それで税収が増えた訳ではないのです。

 その一方で、円安によって輸出企業の売り上げが増加して見えるのであれば、円安によってドルベースの1人当たりGDPが落ち込んで見えるのもまた事実です。

 IMFは2015年の1人当たり名目GDPのランキングを発表していますが、それによれば日本の順位はなんと世界26位まで落ちているのです。

 これもアベノミクスの果実なのでしょうか?

 結局、円安になったからと言って、日本経済の成長率が高まってはいないのです。

 もっとも、円安になれば、企業経営者としては売り上げが伸びたように見えるので、自分の地位は安泰であるという効果はあるかもしれませんが。

 円高だとか、円安だとか、必要以上に騒ぎすぎるのは如何なものでしょうか?


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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