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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

EU残留が望ましいなら何故ポンドを手放さないのか?

 ここ数日の英国のEU離脱問題を巡る報道ぶりには本当に納得がいかないことがあります。

 残留を支持する者は教養が高い人で、離脱を支持する者は教育程度がそれほど高くない人だと言われていますが...

 だったら、教育程度がそれほど高くないため単純労働に勤しんでいる人々が離脱を支持したくなるのは当然ではないでしょうか?

 というのも、移民によって職を奪われる可能性が大きいのは、単純労働に勤しんでいるような人々だからです。

 高学歴で金融界で働いている人々や管理職に就いている人々、或いは教職についている人々などが移民から職を奪われることは殆どないからです。

 違いますか?

 TPPなどの自由貿易の議論でも同じことが言えます。競争力を有する輸出産業は自由貿易を支持し、その反対に競争力がない農業部門(全てではありませんが)が保護主義を訴えるのは当然のことなのです。

 では、肝心のEU諸国は、全ての分野で自由貿易を信奉しているかと言えば...、農業について手厚い保護政策を採用していることは周知の事実です。

 それに、そんなに英国がEUに残留することが望ましいというのであれば、だったら、何故英国はこれまで自国通貨のポンドを手放さなかったのでしょうか? ドイツやフランスやイタリアなどと同じようにユーロを使用すべきではなかったのでしょうか?

 EUに残留すべきだという人でも、ポンドを手放すことにまで賛成する人々はどれほどいるのでしょうか?

 さらに言えば、例えばギリシャの財政破綻の問題が起きたときなどでも、議論を引っ張っていたのはドイツやフランスなどで、英国は陰に隠れていたではありませんか?

 それにも拘わらず、EU残留が望ましいなんて。

 英国の立場は、いいとこどりにしか見えないのです。

 テレビに出演しているコメンテーターたちは、相変わらず感情論でEU離脱を選択した英国民の愚かさを嘆いていますが...そんなに他国のことを心配する余裕があるのであれば、自国のことを心配したらどうかと思います。

 EU離脱決定を契機に円高が進行するなか、単独でも構わないから為替介入をすべきだとの声が高まっている日本ですが、そうした考えは、まさにトランプ氏的考えと同根であり、従って、EU離脱派の考えかたとも同類だと思います。

 以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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