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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

アベノミクスを止めると、暗く低迷した時代に逆戻りするのか?

 安倍総理が言っています。

「選挙戦の最大のテーマは経済政策だ。確かにアベノミクスは道半ばだ。しかし、今この政策をやめてしまえば暗く停滞した時代に逆戻りする。やるべきは今の政策を力強く前に進めていくことだ。力強く前に進めていくのか、暗く低迷した時代に逆戻りするのかを決める選挙だ」

 暗く低迷した時代に戻りたいのか、なんて聞かれて、そうですと答える人など誰もいないでしょう。

 しかし、では、何故アベノミクスを止めると、暗く低迷した時代に逆戻りすることになるのでしょうか?

 安倍総理の話は、そこのところの説明が一切ないのです。

 ただ、俺の言うことを聞かないと暗い時代に逆戻りだというだけなのです。

 ということで、私は、安倍総理の話の論理が全く理解できません。

 それに、そもそも、暗くて停滞した時代とは何時の頃を指しているのでしょうか?

 これが、アベノミクスがスタートした2013年初頭以前の例えば10年間程度を意味するというのであれば、一応理屈としては分からないではありません。

 かつての日銀の体制下での経済パフォーマンスは、黒田総裁が就任しインフレ目標政策を採用してからの経済パフォーマンスと比べて、本当に惨憺たるものではなかったかというストーリー構成が可能となるからです。

 では、アベノミクスがスタートする前の時代は、本当に「暗く低迷した時代」だったのでしょうか?

 グラフをご覧ください。

実質GDP成長率.jpg

 一目瞭然だと思うのですが、暗くて低迷した時代があったとしても、それは、リーマンショック後の数年間程度の話であり、その期間を除けば、実質GDPの成長率は、最近よりもむしろかつての方が高かったのです。

 つまり、インフレ目標政策を採用するに至るまでずっと成長率が最近より低かった訳ではないのです。成長率が急に落ち込んだのは、リーマンショック後の暫くの間のことなのです。

 では、リーマンショックが起きたのは、安倍総理が声高に主張していたリフレ政策を採用しなかったから、つまり、それまでの日銀の緩和策が生ぬるかったからなのでしょうか?

 答えはノーです。

 むしろ、何故リーマンショックが起きたかと言えば、米国が必要以上に緩和政策を長引かせてバブルが発生したからに他なりません。

 だとすれば、日本が今後も不必要に緩和策を続けるということは、再びバブルを発生させるだけの話しなのです。

 それに、当初のアベノミクスの最大の功績とも言える円安効果が全くなくなってしまっているではないですか?

 円安効果を生まないアベノミクスなんて、気の抜けたビールみたいなものなのです。

 不味いったら、ありゃしない。

 さらに言えば、今年の2月にマイナス金利が導入されましたが、そうしたことによって預金者は預金金利がマイナスになるのではないかと気が気でないのです。

 一般の国民はそうやって脅かされるものだから、益々財布のひもが固くなってしまうのです。

 家計の金融資産は、1700兆円ほどあると言われています。

 仮に金利が1%であるとしたら、それで17兆円も家計の購買力が新たに生まれるのです。2%であれば、34兆円。

 それなのに、益々家計から購買力を奪うようなことをしたいという安倍総理。それがさらにアベノミクスのエンジンをふかすという意味なのです。

 アベノミクスを止めると、きっと日本人はまっとうな考えに戻ると思います。

以上

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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