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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

税金で飲み食いしていながら国民に説教を垂れる麻生氏

 本日も、昨日に続き麻生発言について考えてみたいと思います。

 麻生氏の、いつまで生きているつもりだという発言については非常に反発が強いようですが、その一方で、お金は使わなきゃ意味がないという発言については賛同する人が多いように見受けられます。

 要するに、日本の景気が悪い最大の理由は、国民がお金を持っているのにそれを使わないことにある、と。

 どう思いますか?

 賛同しますか?

 まあ、確かにそのようなことが言えなくもないではないのですが...でも、思い出すと、昭和50年代に我が国経済が構造不況に陥った頃からそのようなことを言い続けているのです。

 ということは、政治家たちは40年以上も同じようなことを言い続けているのに、何も進歩がないということなのです。

 まあ、確かに、国民がお金をもっともっと使えば、景気がよくなる可能性はありますが、絶対に景気がよくなる、或いは、絶対に日本の成長率が高まるかと言えば甚だ疑問なのです。

 何故かと言えば...例えば、国民が麻生氏の発言に発奮して、仮にお金をジャンジャン使うようになったとしても、輸入物のウィスキーやワインを飲むようになったり、或いは、海外のブランド物を頻繁に買うようになったり、或いは外車を乗り回すようになったりするだけでは、国内の生産に結びつかないからなのです。

 否、海外の高級品を買う場合だけでなく、例えば、下着やシャツや靴下を買う場合でも...或いは電化製品などでも輸入物が多いのです。

 具体的に数値を示せば、実質ベースの個人消費は、2005年度の293兆円から2015年度には306兆円へと10年間で13兆円増えていますが、その一方で実質ベースの輸入は66兆円から80兆円へと14兆円も増えており、これらの数字からだけで判断すると、幾ら消費が伸びてもそれが国内の生産に結びついているとは言えないのです。

 だから国民が麻生氏の発言に従って、じゃんじゃんお金を使うようになっても、必ずしも期待どおりの結果になるとは限らないのです。

 それに、お金を湯水の如く使うことができないのは、それなりの理由があるのです。

 例えば、株で儲けたり、突然遺産が転がり込んできたりすれば、金遣いは荒くなるでしょう。

 しかし、額に汗して苦労して稼いだお金は、もったいなくて無駄に使うことはできません。

 麻生氏は、自分は毎日、一流ホテルのバー通いなどをしてお金をじゃんじゃん使っているという感覚があるのかもしれませんが、多額の給料以外に非課税の文書交通費や政党交付金が国から気前よく振り込まれるからに過ぎません。

 要するに、国民の犠牲の上に政治家の生活は成り立っているのです。
 
 さらに、我々国民がじゃんじゃんお金を使っていたあのバブルの頃でさえ、確かに税収は増加したものの、国債の発行をせずに済むことはなかったのです。つまり、税収不足は続ていた、と。

 つまり、国民がじゃんじゃんお金を使って、仮に少しくらい景気がよくなったところで、税収不足が解消することなど期待できないのです。そして、その一方で、国民の蓄えが底を衝くことになれば、国内だけで国債を消化するのは困難になり...その結果、ギリシャみたいになる時期が早まるだけの話なのです。


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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