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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

米国債を売ってドル高円安にする方法

 先日、「アベノミクスの最後の切り札は外為特会による米国債売り」と題して書いた記事に対しコメントがありました。

 「米国債の売り=ドル高? 何かの間違いでは?」

 日本が米国債を売却すると何故ドル高円安になるのか? 逆ではないのか、とのご指摘だと思います。

 そのような感想を抱いた人がいても、少しも不思議ではありません。

 何故ならば、為替介入をして得たドルで米国債を買うことによって円安に誘導してきたのが日本のやり方だったからです。

 つまり、米国債の購入、イコール、ドル高円安誘導という図式が頭のなかに叩き込まれているからです。

 だとしたら、米国債を売れば、円高になる筈だ、と。

 でも、このコメントを下さった方は、私の記事をよく読んではいないのでしょう。

 何故ならば、私は、米国債を売れとは言ったものの、その売却代金のドルを円に交換しろとは少しも言っていないからです。私が言ったことは、その売却代金で米国の株式を購入すればいい、と。

 ですから、米国債を売却したからといって、新たな円買い需要が発生する訳ではないので円高圧力がかかることはないのです。

 その一方で、米国債を売却すれば、必ず米国債の価格に下押し圧力がかかります。つまり、米国債の利回りは上がる、と。

 そして、米国債の利回りが上がり、日米金利差が拡大すると、ドル高円安圧力がかかり、だから円安になるだろうと言っているのです。

 本日、日本の長期金利がさらに最低記録を更新しています。

 長期金利イコール新発10年物国債の利回りは、マイナス0.205%まで下がっているのです。

 こんなに日本の金利が低くなっているのに、何故円は安くならないのかと言えば、それと同等に、或いはそれ以上に米国の金利が低くなっているからなのです。

 グラフをご覧ください。

日米金利差 2016年6月15日.jpg


 6月に入ってからの日米金利差の推移を示しています。

 日本の国債(残存期間10年)の利回りが下がるなか、むしろ日米金利差は縮小しているように見えるでしょう?

 だから円高圧力がかかっているのです。

 ということで、米国の金利が上がるような状況にもっていけば円安圧力がかかるので、だから日本政府が保有している米国債を売却することが一つの手段になり得ると言っているのです。

 米国がこれに異議を述べるようであれば、米国債の利回りが2%を超えるようになったら、また買い戻すから心配する必要はないとでも言っておけばいいでしょう。

以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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