FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

日銀が国債を買い上げれば、その分政府の債務は減少するというとんでも理論

 いきなりですが...舛添氏の政治資金疑惑についてどう思いますか?

 もう、バカバカしいったらありゃしない!

 何故かと言えば、99.9%、舛添氏の言っていることは作り話に違いないと皆思っているのに、舛添氏の釈明を許さざるを得ない状態が続いているからです。

 舛添氏に釈明させるなというのではないのですよ。釈明の十分な機会を与えることは正しい。

 しかし、舛添氏は、そうした機会を与えられても説明責任を果そうとはしないのですから、何のための釈明の機会なのか、と。

 事務所関係者らと会議をしたと言っていましたが、だったら、その場に言わせた人物の名前を明らかにしたらいいだけの話ではありませんか?

 相手の都合があるから...なんて言っていますが、名前を明らかにすることによって舛添氏の潔白が立証できるのであれば、舛添氏は大金をはたいてでも、その人に証言してもらおうと考えるのが普通ではないでしょうか。

 誰がどう考えても、舛添氏の言い分が正しいなんてあり得ないのではないでしょうか。

 ということで、毎日バカバカしい茶番劇を見せつけられる私たち。

 バカバカしいと言えば、日銀が国債の保有額を増やすことによって、政府の債務は減少する、なんていう主張もバカバカしい議論のトップに位置すると言っていいでしょう。

 どう思いますか?

 政府は、税収不足に陥ると国債を発行して歳入不足を補う訳ですが、そうやって国債の発行を続ければ、当然のことながら借金、つまり債務が増える、と。

 だから、増える一方の政府の借金をどうにかしないといけないということで、我々は困っているのです。

 しかし...このとんでも理論によれば、そうした心配は一気に解消。何故ならば日銀の国債保有が増えれば...つまり、日銀から政府がお金を借りるようにすれば、その分、政府の借金は減るのだ、と。

 何故そういうことになるかと言えば、日銀は実質的に政府の一部門と言えるから、政府と日銀を合算すれば、政府の債務は日銀の債権であるので、差し引きゼロになる、と。つまり、日銀が保有している国債残高の分だけ、政府の債務はないものと見なすことができる、と言うのです。

 でも、理屈は別として、何かおかしいと思うでしょう?

 そう思う人は正常。

 しかし、私が幾らそう言っても、政府の債務と日銀の債権は帳消しにできるから、政府と日銀の貸借対照表を連結すれば、広い意味での政府の債務は、帳消しになった分だけ減る筈だと考える人がいると思うのです。

 でも、そう考える人は、大事なことを見逃しているのです。

 確かに、政府と日銀の貸借対照表を連結すると、政府の債務と日銀の債権が帳消しになるのはそのとおり。しかし、日銀は、国債を購入するために発行した日銀券という債務を貸借対照表上に計上しているので、その債務が今度は連結後の政府に上乗せされることになるのです。

 つまり、政府と日銀を連結して考えると、日銀が保有する国債の額だけの債務が連結後の貸借対照表上から消えるものの、その反面、日銀が発行した日銀券という債務が新たに追加されることになり、広い意味の政府の債務は少しも変化することはないのです。

 この肝心なところを無視しているのが、このとんでも理論!

 基礎的な知識が欠落している故、肝心なことを無視しているのか、それとも敢えて気が付かない振りをしているだけか、私には分かりません。

 いずれにしても、そうしたとんでも理論を吹聴しているのが、日銀の原田審議委員であり、高橋洋一氏らであるのです。

 騙されたらいけませんよ。

 政府の借金は全然問題ではない、なんて主張を信じる政治家もいたりするものだから、こうして日本政府の借金は増え続けるのです。


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ

URL変更のお知らせ

KlugFXのURLはhttp://klug-fx.jpへ変更となります。お気に入りやブックマークなどに登録されているご利用者さまは、お手数ですが下記の新URLへの変更をお願いいたします。

http://klug-fx.jp