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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

トランプショックの可能性

 大統領候補の指名争いをしているトランプ氏ですが、どう思いますか?

 それにしても、この人、本当に名前負けしているというか、名前どおりと言うか...

 そんなことを言うと、何を言っているのだと文句を言われそうですね。

 だって、名前どおりというのと名前負けというのは正反対だからです。

 でも、トランプ、trump の意味を考えていくと、名前どおりのようでもあり、全く逆のようでもあり...

 先ず、トランプと聞いて、多くの日本人はゲームで使うカードのトランプを思いつくと思うのです。

 で、そのトランプは何を意味するかと言えば...切り札、或いは切り札を出すという意味があるのですが、その他に、立派な人という意味もあるので、名前負けしているのではないかと思うのです。

 まあ、仕事につけない米国の若者たちにとっては、最後の切り札のような意味がない訳ではないでしょうが...

 trumpには他にも意味があります。ラッパ、つまりトランペットを意味する他、ラッパを吹くことも意味します。

 この意味だったら、トランプ氏はまさに名前どおりと言っていいでしょう。

 いずれにしても、もしこのトランプ氏が大統領に就任することになったら、経済面ではどんなことが起こるでしょうか?

 私は、トランプショックが起こるのではないかと勝手に想像しています。

 では、そのトランプショックが何を意味するかと言えば...1971年8月に起こったニクソンショックの再現です。

 若い方はご存知ないかもしれませんが...1971年8月15日、テレビでボナンザ(後のカートライト兄弟)を放映している時間帯に、ニクソン大統領が突然、ドル紙幣の金(ゴールド)との交換を停止するとともに、10%の輸入課徴金を課すと宣言したのです。

 トランプ氏は、常日頃言っているでしょう?

 中国や日本やメキシコは怪しからん、と。自国通貨を安くして米国に輸出攻勢をかけ、その結果、米国の労働者は職を奪われている、と。自分が大統領になったら、そうしたことを改めさせる、と。どうしても言うことを聞かなければ、高い関税をかけてそうした国の製品が入ってこないようにする、と。

 メキシコとの国境に高い壁を建てることより、輸入課徴金を課したり、ドル安政策を取る方がむしろ実行しやすいと思われるのです。

 でも、私がそんなことを言えば、中国やメキシコとの関係は知らないが、日本は貿易収支が赤字に転落しており、円の価値が安すぎるなんて言われる覚えはない、と考える人も多いと思います。

 貴方もそう思いますか?

 グラフをご覧ください。

対米貿易収支.jpg

 確かに、対世界全体でみた日本の貿易収支は、5年間連続で赤字になっています。しかし、対米国との関係で見ると、日本の黒字が依然として続いているのです。そして、その黒字幅は、リーマンショック後に一時、縮小したものの再び増加しているのです。

 ということは、ドルとの関係だけで考えると、やはり円は安すぎるのかもしれません。

 もちろん、だからと言って、米国が突然、輸入課徴金を課すようなことは認められないと思うのですが...幾ら日本や中国が文句を言っても、米国が一方的にそのような決定をしたら、どうしようもありません。それに、もっと穏便な方法として、マイナス金利を導入するなどしてドル安に誘導する作戦を取るかもしれません。

 単にマイナス金利を導入するだけだったら、真の目的はドル安誘導にあるにしても、欧州や日本もやっていることだから、文句を言われる筋合いではないと主張する可能性があるのです。

 では、もし、米国がマイナス金利を導入するなどして、急激なドル安を引き起こしたらどうなるのでしょうか?

 日本も、対抗上さらにマイナス金利の幅を大きくするのでしょうか?

 いずれにしても、米国が究極の選択肢として、マイナス金利を導入するならば、誰も米国の国債など購入しなくなり、米国への資金還流が滞ることによって株価も暴落してしまうでしょう。

 仮に、米連銀が、日本のように大量に国債を買い上げるような政策を取れば...

 そうなれば、益々投資家が米国債を敬遠するようになり、米連銀以外で米国債を購入するものはいなくなり...

 そして、そのとき、ドルは基軸通貨としての役割を終えるでしょう。


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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