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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

円が安全資産だという意味

 今年に入ってから円高圧力がかかっているようです。

 ただ、円相場の水準自体は、かつてと比べてまだまだ円安水準にあると言っていいかもしれません。

 いずれにしても、では、何故今年に入ってから円高圧力が圧力が掛かっているかと言えば...

 中国経済の減速、原油安、ドイツ銀行など欧州の金融機関の経営問題などがあり...つまり、リスクオフの様相が強くなっているからです。

 円は安全資産とみなされており、リスクオフの様相が強まると円に対する需要が高まるのでしたよね。

 だから、今、円高!

 まあ、ここまでの話については、理解している方も多いと思うのですが、でも、何故円は安全資産とみなすことができるのかと言えば...答えに窮する人が多いのではないでしょうか?

 それに今、円が安全資産とみなされているとしても、それがこの先も長く続くのでしょうか?

 如何でしょうか?

 私、率直に言って、円が安全資産だというのは、当たっているようでもあり、当たっていないようでもあり...

 というのは、日本は世界一の純債権国であるので、その意味では円は安全資産だと言ってよいでしょう。

 しかし、だとしたら、何故アベノミクスがスタートして以降、大きく円安に振れたのでしょうか?

 それに、日本政府の対GDP債務残高比率は、先進国のなかでは群を抜いて高い!

 その意味では、それほど胸を張って円は安全資産だとは言えない気もします。

 では、円が安全資産であるかどうかは別として、何故リスクオフになると円に対する需要が高まるのでしょうか?

 実は、その問いに答えるのはそれほど難しくはありません。

 というのも、リスクオンの状態で、投資家の目がギラギラ輝いているとき、つまり、アニマルスピリッツが旺盛なときというのは、新興国や資源国に対する投資が盛んになり...そのようなときの原資になるのが円になるからです。つまり超低金利の円を調達し、それを対象国の通貨と交換して投資する、と。

 円キャリートレードということですよね。

 で、円キャリートレードというのは、巻き戻しと言う言葉があるように、経済の先行きが不透明になると、逆の流れが起きるので円に対する需要が高まるのです。

 まあ、そういう意味から言えば確かに円は、安全資産であると言えるような気もしますが、しかし、こうして長年円キャリートレードが起きている最大の理由は、日銀が長年ゼロ金利、そして今やマイナス金利まで導入するようなことをしているからなのです。

 だとすれば、仮に、日本の金利水準が今ほど低くなくなれば、円キャリートレード、そして、円キャリートレードの巻き戻しも起こらない訳ですから、リスクオフになっても円高になることはないでしょう。

 つまり、日銀が金利を引き上げれば、日本も、リスクオフになれば円安になって、それが景気を下支えする可能性がある、と。

 結論!

 近年、世界経済が危機的状況に陥ったときに限って円高が生じていたのは、全て日銀の超緩和策のせいであったのです。

 換言すれば、円安にするための超低金利政策が、よりによって世界経済が危機的状況に陥ったときに超円高を引き起こしていたのです。


以上


最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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