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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

マイナス金利はデフレマインドを強めるだけ!

 日銀の中曽副総裁がNYで講演し、マイナス金利の効能を説明しているようなのですが...如何なものなのでしょうね。

 勿論、中曽副総裁も黒田総裁とともにマイナス金利の導入に賛成した人物ですから、今さらマイナス金利政策を否定するようなことを言う訳はないのですが...それにしてもです。

 だって、外的な要因が重なったという面があるにしても、これだけ一気に株価が下がり、円高に振れてしまっているからです。

 中曽副総裁の講演からの抜粋です。

・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入に当たっては、2つの点を重視しました。第一に、「量的・質的金融緩和」の基本的な枠組みを維持しつつ、マイナス金利を付加することです。「量的・質的金融緩和」のもとでの大規模な長期国債買入れによりイールドカーブ全体の金利低下を促すことに加え、マイナス金利によりイールドカーブの起点を引き下げることで、より強い緩和効果が生じます(図表8)。このように、「量」と「金利」は矛盾せず、相互補完的なものなのです。

・第二に、「量」・「質」に加えて、「金利」面でも拡張可能性を確保することです。必要があれば、「量」・「質」をさらに拡大することも可能であり、一部に言われているように限界が近づいているとは思っていません。これに「金利」の引き下げというオプションが加わることで、日本銀行は、「量」・「質」・「マイナス金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じることができるようになります。

・日本銀行の取り組みは、潜在成長率の引き上げにも寄与すると考えています。日本銀行は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を推進することで、緩和的な金融環境を提供するとともに、人々に定着してしまったデフレマインドの払拭を図っています。

 要するに、全般的な金利水準を一段と引き下げることによって投資や消費を刺激することを狙っているのでしょうが...しかし、金利は下がるどころか、10年物国債の利回りまでマイナスになるような状況になっているのです。

 余りものを考えない経営者であれば、そんな状況でお金を借りることができることを歓迎するかもしれませんが、普通の経営者であれば、何故マイナス金利が発生するような状況に今なっているのかを考えると思うのです。

 何故?

 そんなに景気が悪いのか、と。そんなに先行きの見通しが不透明なのか、と。

 マイナス金利が発生するということは、お金を貸したいという人はいても、お金を借りたいという人が殆どいないことの証明でもあるのです。即ち、それほど景気が悪い、と。

 それに、貸し手の立場で考えれば、マイナス金利でも実質的にペイするのは、将来物価が大きく下がり続けるようは場合に限られるのです。

 それなのに、どうしてインフレ期待が膨らむなんて言うことができるのでしょうか?

 結局、スイスやスウェーデンなどがそうであるように、マイナス金利を導入して、自国の通貨高を阻止したいだけだったのでしょ?

 つまり、円安に誘導するつもりでマイナス金利を導入したものの、景況感の悪化を招くという副作用の方が勝ってしまい、リスクオフで円高になってしまったということなのです。


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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