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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

金融緩和中毒症の日本経済

 本日は、建国記念の日ということで、株式市場はお休み。

 よかったですね、休みで。

 というのも、このところ、凄いスピードで株価が低下しているうえに本日は、ドル円が、1ドル=112円台にまでなっているからです。株式市場が開いていたら、多分、また株価が大きく下がっていたことでしょう。

 いずれにしても、年明け以降、世界的に株価が軟調な状態が続いているので、またまた緩和策を求める声が出ています。

 では、今度はどんな内容が期待されているかと言えば...

 日銀当座預金の一部に課しているマイナス金利を、現在のマイナス0.1%からもっとマイナス幅を大きくするのだとか。

 長期金利が既にマイナスになっているにも拘わらず円高が進んでいるので、さらに長期金利を下げるべきだという考えなのでしょうか?

 しかし、このマイナス金利政策というのは、常識に反した持続可能性のない制度であるだけでなく、長期金利までもがマイナス圏に突入してしまっているので、益々投資家のマインドを弱気にする副作用さえあるのです。

 というのも、金利がマイナスになるなんていうことは、仮にあったとしても、物価が基調的に大きく下がるような局面でしかありえないと思われるからであり、そして、物価が大きく下がり続けるということは、それだけ景気が悪いことを意味するからです。

 それから、一つ大事なことを言っておくと、日本の場合、長期金利がマイナスになったのは自然の流れでそうなっているのではなく、日銀が損失を覚悟で高値で国債を買い占めているからそのような状態が起きているということです。

 いずれにしても、日銀がマイナス金利政策を導入したということは、今、日本経済が大変に深刻な状態にあるという認識があればこその話だと思うのですが...

 次のグラフをご覧ください。

有効求人倍率 2.jpg

 有効求人倍率の推移を示しています。

 何かお感じになりませんか?

 2015年の平均値の有効求人倍率は、1.20倍です。そして、2015年12月は、1.27倍。

 リーマンショック後、着実に雇用情勢が改善してきたことがお分かりでしょう?

 バブルの絶頂期でさえ1.4倍程度ですから、今どれほど雇用情勢が良いか容易に分かると思います。

 そんななかで、またしても追加緩和が必要だという声が挙がっているのです。

 しかも、通常ではあり得ないマイナス金利政策をさらに強化すべきだ、と。

 これが、欧州のように依然として失業率が非常に高いレベルにあるのであれば、少しは理解できないでもありませんが...

 日銀のやっていることは、おかしいのではないでしょうか?

 確かに、経済成長率は低いままなのですが...しかし、それは日本の潜在成長率が低下しているためであり、要するに、日本の今の実力からいったら、かつてのような高い成長率を期待することが無理な話なのです。

 しかし、そのことが少しも理解できず、日銀に過度な期待を抱き続けているというのが日本の姿なのです。


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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