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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

FOMCの声明文で示された中国経済への懸念

 FRBが、26日、27日の2日間に渡って開いていたFOMCの会合を終え、金利据え置きを決定したと発表しました。

 まあ、世界的に株価が軟調になっていることもあり、予想どおりではあるのですが...

 FOMCの声明文を読むと、中国の文字は出てこないものの、中国を強く意識している様子が窺われるのです。

 では、どのようなことが書かれているのか?

 前回の声明文と今回の声明文を比べてみましょう。重要な部分のみ抜粋します。

<前回の声明文 2015年12月>

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.

「当委員会は、その法的な任務に従い、雇用の最大化と物価の安定を促進すべく努める」

The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace, with labor market indicators moving toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.

「当委員会は、労働市場の指標がその二つの任務に沿ったレベルに向かっていることから、適切な緩和策の下、経済活動は緩やかなペースで拡大すると予想する」

The Committee sees the risks to the outlook for economic activity and the labor market as nearly balanced.

「当委員会は、経済活動と労働市場の見通しに対するリスクはほぼバランスが取れているとみている」

The Committee expects inflation to rise gradually toward 2 percent as the labor market improves further and the transitory effects of lower energy prices and other factors dissipate.

「当委員会は、労働市場がさらに改善し、エネルギー価格の低下という一時的な影響と他の要素が消失するにつれ次第に2%に向かって上昇すると予想する」

The Committee continues to monitor inflation developments closely.

「当委員会は、物価の進展を引き続き注視する」

<今回の声明文 2016年1月>

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. (前回と同様)

「当委員会は、その法的な任務に従い、雇用の最大化と物価の安定を促進すべく努める」

The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen.

「当委員会は、金融政策のスタンスが徐々に調整されるなか、経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標も引き続き力強いものになると現在予想している」

Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of the further declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further.

「インフレ率は、エネルギー価格がさらに低下すると見られることもあり、短期的には低い水準に留まると見られるが、エネルギー価格と輸入価格の低下という一時的影響が消失し、また、労働市場がさらに強まるにつれ中期的に2%に向かって上昇すると見られる」

The Committee is closely monitoring global economic and financial developments and is assessing their implications for the labor market and inflation, and for the balance of risks to the outlook.

「当委員会は、世界経済と金融面の進展を注視し、それらが労働市場やインフレ見通しにどのような意味を有するのか、そして、将来見通しのリスクをどのように変化させるのかを評価することとする」


 如何でしょうか?

 中国のことなんか何も書いていないではないか、と言われそうな気もしますが...

 当委員会(FOMC)は、世界経済の進展を注意深くモニター(監視)すると言っており、これは、冷静に考えるとただ事ではないといべきでしょう。

 確かに中国とは言っていません。しかし、今世界経済で一番関心を集めていると言えば、中国を置いて他には考えられないのです。

 中国経済が減速しているからこそ、原油価格の低下にも拍車がかかり、また、中国の株価が低下するから、世界的にも株価が軟調になるのです。

 それに、今、中国から大量に資金流出が起きていることも事実であり、従って、そうした動きを注視するのは当然と言えば当然。

 いずれにしても、本来であれば、国内の雇用の最大化と物価の安定にのみ目を向けていればすむFRBが、敢えて世界経済について注視する必要があるというのですから、尋常ではないと考えるべきでしょう。

 まあ、だからと言って、中国の株価が下がり続ければ、米国の利上げのペースが必ず遅くなるかと言えば、そうとも言えないと思いますが、少なくても利上げのペースを速める理由にならないことは事実でしょう。


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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