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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

田村厚生労働大臣が「年金75歳支給」に言及した、その本当の理由

 田村厚生労働大臣が、年金の支給開始を75歳に繰り下げる案に言及したと報じられています。

 ガーン!

 75歳?

 日本人の男性の平均寿命は79.9歳です。ということは、年金が支給されたとしても、平均的な日本人男性は、年金によって生活できる期間は5年弱しかないことになるのです。

 再び、ガーン!

 ここで怒りが込み上げてきます。年金は100年安心だと言っていたのは、どこのどいつだ?!

 しかし、次の瞬間、諦めにも似た感情が湧いてきます。

 そう言えば、オーストラリアも年金の支給開始年齢を引き上げると言っていたし‥と。そもそも政府の言うことを信じていたのがいけなかったのかも、と。

 このブログを読んで下さっている皆さんも、私と同じように感じている人が多いのではないでしょうか?

 しかし、多くの人が勘違いをしているのです。

 というのも、田村大臣は、何も年金の支給開始年齢を強制的にに75歳まで遅らせると言っているのではないからです。彼は、次のように言っただけなのです。

 「自分がいつまで働けるか、状況を見ながら支給開始年齢を選ぶことは、自分の意思でできる。今も70歳までは選択できるが、これを例えば75歳まで選択制で広げる提案が与党から出されていて、一つの提案だと認識している」

 つまり、今は個人の判断で70歳まで支給開始を遅らせることができるが、それをさらに75歳まで遅らせることを可能にしたらどうか、と。支給開始時期を遅らせ、その代り毎月の年金の支給額を増やしてもらうことを選択する人もいる筈だ、と。

 如何でしょうか?

 貴方も誤解していましたか?

 確かに、我々は誤解していたのかもしれません。

 しか~し‥騙されてはいけません。

 そもそも75歳まで年金支給開始の時期を遅らせてもいいなんて考える人間がどれだけいるのか、と。

 いるとしたら、75歳ごろまで国会議員をやっている先生方か、会社のオーナーくらいではないのか、と。

 だいたい、そのような金持ちに年金を支給する必要はないのです。年金なしでも十分暮らしていける人に何故年金を支給するような制度を維持しているのでしょうか?

 おかしいでしょう?

 こうして年金制度の継続が大変に難しくなっているのに‥

 田村厚生労働大臣の発言を額面通りに受け取るならば、我々国民が即反発するような内容でないのはそのとおりでしょう。何故ならば、強制的に支給開始年齢を75歳まで遅らせると言った訳ではありませんし、また、支給開始を遅らせるのに応じて毎月の支給額が増額されるからです。

 しか~し‥

 いきなり強制的に支給開始年齢を遅らせると言えば国民の反発を招くので、先ずは選択制を採用して、少しずつ支給開始を遅らせることに慣れさせようとする作戦なのではないのでしょうか。


 再度言いますが、幾ら現役時代に保険料を納めたからといっても、年金抜きでも暮らしていける人々に年金を支給するような制度は止めたら如何でしょうか?

 それが真の公平さというものだと思います。

 それにしても、年金制度の持続可能性について100年安心だなどと安請け合いをする一方で、抜本的な対策を講じようとしないばかりでなく、国土強靭化とかオリンピックとか景気対策とかと、いろんな理由をつけては無駄遣いばかりする政治家たち。

 そうやってどんどんお金を使うので益々財源が枯渇してしまうのです。

 いずれにしても田村厚生労働大臣に聞きたい。75歳まで年金の支給開始を先延ばしすることを希望する人って、具体的にはどのような人たちなのでしょうか。

 現内閣の面々がそうした希望を持っているのですか?


以上

最新の小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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