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第268回 マイナス6.8%(1/3)

 2014年4-6月期のGDP統計が発表された。実質GDPの成長率は、年率換算でマイナス6.8%。

『2014年8月13日 日本経済新聞「4~6月期GDP、年率6.8%減 2四半期ぶりマイナス」
http://www.nikkei.com/article/DGXLNS000Y012_T10C14A8000000/
 内閣府が13日発表した2014年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.7%減、年率換算では6.8%減だった。マイナスは2四半期ぶりで、1~3月期(年率換算で6.1%増)から急減した。消費増税前の駆け込み需要の反動が出て、自動車や家電など耐久消費財を中心に個人消費が大きく落ち込んだ。
QUICKが12日時点で集計した民間予測の中央値は前期比1.9%減、年率7.2%減だった。
生活実感に近い名目GDPは前期比0.1%減、年率では0.4%減だった。名目では7四半期ぶりのマイナスとなった。
実質GDPの内訳は内需が2.8%分押し下げ、外需は1.1%分のプラスだった。輸出は0.4%減。東南アジアなど新興国経済の回復の遅れが響いた。輸入は5.6%減。消費増税前の駆け込み需要の反動減を受けた国内需要の縮小で、通信機器や電子部品などを中心に減少した。(後略)』

 97年4月の消費税増税時、4-6月期のGDPは年率換算で3.55%(対前期比0.9%)のマイナスだった。すなわち、今回のGDPの落ち込みは、パーセンテージで97年時の二倍近いということになる。(今回の対前期比はマイナス1.7%)
 しかも、まずいのが、民間在庫の寄与度が1.0%と、大きなプラスになっている点だ。
 GDP統計上、在庫の増加はGDPの「押し上げ要因」になる。すなわち、4-6月期に企業の在庫が積み上がった(とはいえ、生産は行われたため、GDPは増える)ことを意味しているのだ。この在庫が「はける」まで、企業は生産を手控えることになる。すなわち、7-9月期のGDPを押し下げる。
 実際、同じく13日に発表された6月の鉱工業指数確報値では、生産が対前月比マイナス3.4%、在庫率が同プラス3.4%、そして稼働率が同マイナス3.3%となり、
「生産の減少、在庫の増加、稼働率の低下」
 が進行していることが分かる。
また、外需の寄与度はプラス1.1%だったが、これは「輸出の増加」ではなく、「輸入の減少」によるものだ。
GDP統計上、輸出入は「純輸出(=輸出-輸入)」で計上されるため、輸入の減少はGDPに「プラス」の影響を与えるのだ。すなわち、内需縮小により輸入が減少したことで、外需の寄与度が上がっていることになる。「不況型の純輸出の増加」と表現すればいいだろうか。

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三橋貴明(みつはし・たかあき)

三橋貴明(みつはし・たかあき)

1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。
外資系IT企業ノーテルをはじめ、NEC、日本IBMなどに勤務した後、2005年に中小企業診断士を取得、2008年に三橋貴明診断士事務所を設立する。現在は経済評論家、作家として活躍中。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」での発言を元に執筆した『本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社)が異例のベストセラーとなり一躍注目を集める。同書は、韓国の各種マクロ指標を丹念に読み解き、当時日本のマスコミが無根拠にもてはやした韓国経済の崩壊を事前に予言したため大きな話題となる。
その後も、鋭いデータ読解力を国家経済の財務分析に活かし、マスコミを賑わす「日本悲観論」を糾弾する一方で、日本経済が今後大きく発展する可能性を示唆し「世界経済崩壊」後に生き伸びる新たな国家モデルの必要性を訴える。
崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『中国経済がダメになる理由』(PHP研究所)、『ドル崩壊!』 など著書多数。ブログ『新世紀のビッグブラザーへ blog』への訪問者は、2008年3月の開設以来のべ230万人を突破している(2009年4月現在)。

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