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第251回 首相指示とは何なのか?(1/3)

最近の安倍政権で気になるのが、「首相指示」の乱発である。
 去る3月19日、安倍首相は配偶者控除の縮小検討を指示。理由は「女性の就労促進」とのことである。
 続いて3月27日、安倍首相はTPP日米協議の加速を指示。
 4月4日。またもや「女性の活躍推進の観点」から、安倍首相が家事支援などへの外国人労働者の拡大を指示。
 4月16日には、自民党税調会長に対し、安倍首相が法人税率引き下げを指示。
 4月17日。成長戦略の柱というお題目で、安倍首相が混合診療拡大を指示。
 指示、指示、指示。
 たとえば、東北復興を早期に成し遂げるために、土木・建設産業における供給能力強化のための予算獲得を「指示」する、あるいは国土強靭化基本計画に「数値目標」を含めるよう「指示」するというのであれば話は分かる。さらに、景気対策のために消費税を臨時に軽減する法案の検討を「指示」するというならば、個人的には大歓迎だ。ところが、最近の安倍総理の「指示」は、ことごとく新古典派経済学的な「小さな政府化」「自由貿易」「労働規制の緩和」路線なのである。
無論、総理の指示の「向う側」には、産業競争力会議や経済財政諮問会議などの「民間議員」と自称する経営者たちがいるわけだ。彼らは「自社の利益のための政治」を実現するべく、安倍総理に「政治力を発揮」しているのである。結果、日本の民主主義は力を失いつつある。
 特に、自民党の政党政治が無視されているように「見える」ことは、非常に気になる。自民党は古い政党だけあって、党内の意思決定プロセスがきちんと整備されている。すなわち、党内議論という民主的なプロセスを経て、政治を動かそうとするのだ。当たり前だが、自民党の国会議員は、全員が「選挙」で当選した「国民の代表」であるため、議員による議論は正しい民主的プロセスに該当する。
 それに対し、産業競争力会議や経済財政諮問会議の「民間議員」たちは、選挙というプロセスを経ていない。議員でもない一般人が「首相指示」で政治を動かすのでは、完全に「日本国の私物化」だ。
 さらに気になるのが、一年前のTPP交渉参加以降、安倍総理が具体論で説明せず、抽象論で逃げを打つケースが増えてきていることだ。具体的には、
「(日米)がTPPを作るのは歴史の必然です」
「TPPこそ瑞穂の国の資本主義!」
「女性が輝く日本へ」
 などになる。

『2014年4月17日 テレビ朝日「安倍総理と石破幹事長の間に"温度差"TPP対応で」
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000025281.html
 TPP=環太平洋経済連携協定の協議を巡り、安倍総理大臣と石破幹事長に微妙な温度差です。
安倍総理大臣:「(関税の)数字にこだわることも重要だが、それを超えたもっと大きな、このTPPには意味があるという高い観点から妥結を目指していきたい」
安倍総理はこのように述べて、妥結に強い意欲を示しました。一方、自民党の石破幹事長は、BS朝日の番組収録で、「国益を損ねて、重要産業を壊滅させてまでまとめる必要性はない」と述べて、安易な妥協はすべきでないという考えを示しました。』

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三橋貴明(みつはし・たかあき)

三橋貴明(みつはし・たかあき)

1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。
外資系IT企業ノーテルをはじめ、NEC、日本IBMなどに勤務した後、2005年に中小企業診断士を取得、2008年に三橋貴明診断士事務所を設立する。現在は経済評論家、作家として活躍中。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」での発言を元に執筆した『本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社)が異例のベストセラーとなり一躍注目を集める。同書は、韓国の各種マクロ指標を丹念に読み解き、当時日本のマスコミが無根拠にもてはやした韓国経済の崩壊を事前に予言したため大きな話題となる。
その後も、鋭いデータ読解力を国家経済の財務分析に活かし、マスコミを賑わす「日本悲観論」を糾弾する一方で、日本経済が今後大きく発展する可能性を示唆し「世界経済崩壊」後に生き伸びる新たな国家モデルの必要性を訴える。
崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『中国経済がダメになる理由』(PHP研究所)、『ドル崩壊!』 など著書多数。ブログ『新世紀のビッグブラザーへ blog』への訪問者は、2008年3月の開設以来のべ230万人を突破している(2009年4月現在)。

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