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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

第168回 踏み越えてしまった韓国(3/3)

 韓国は、何しろ97年以降、すでに三回も通貨危機もしくは通貨危機直前という事態に陥った国である。これほどまでに脆弱な通貨を抱えている国が、日本との通貨スワップ協定という「保険」を失った場合、どうなるだろうか。冗談抜きで、それ自体が韓国への投資のリスクを高め、キャピタルフライトの一因になりかねない。だからこそ、日本は現時点で韓国との通貨スワップ協定を破棄するべきなのだ。現在の日本に必要なのは外交的なお題目ではなく、「相手国にダメージを与える行動」だ。通貨スワップ協定を破棄しても、韓国側にダメージがないのであれば、別にする必要はない。
 韓国との通貨スワップ協定破棄について提言すると、途端に、
「だが、韓国経済は日本にとっても重要だ。韓国経済の安定は日本の利益にもつながる」
 などと、国益と直結する領土問題と経済をごっちゃにして発言する愚かな政治家や評論家がいる。あるいは、新聞紙面に「竹島問題は確かにあるが、韓国経済は日本にとって重要だ」などと言い訳がましい記事が載る。この辺りは、2010年9月の尖閣問題のときと同様だ(あの当時は「中国経済依存の日本経済」というデマがマスコミで飛び交った)。
領土問題と経済問題を同じ土俵で考えている時点で言語道断なのだが、それ以前に韓国経済など、日本にとっては「どうでもいい」規模である。

【2011年 日本の対韓国輸出入と貿易黒字(単位:十億ドル)と対GDP比】
20120820.PNG
出典:JETRO

 対韓国輸出の対GDP比は1.12%、輸入が0.68%、貿易黒字が0.45%である。果たして、これが「領土問題」という国益を害してまで守らなければならない「経済」なのだろうか。日本が韓国との通貨スワップ協定を破棄し、同国の経済が混乱に陥ると、確実に対韓国輸出は多少減少するだろう。だが、だから何なのだろうか。日本の国民経済の規模(GDP)と比べ1%にも達しない対韓貿易黒字を守るために、我が国の領土問題で譲歩しても構わないとでも言うのだろうか。
 もそも、韓国の大手輸出企業は日本企業の完全な競合相手だ。韓国経済が混乱に陥り、日本からの資本財輸入が難しくなり、韓国大手企業の世界市場への輸出が困難になると、我が国の大手輸出企業をその分だけ利する。日本企業は、韓国の大手輸出企業が失った世界市場におけるパイを堂々と頂戴すればいい。韓国への資本財輸出減少でダメージを受けた日本の資本財メーカーも、「日本の大手輸出企業」への売上拡大により損失をカバーできる。
 韓国との通貨スワップ協定を破棄すると、これまで対韓国ビジネスを拡大していた日本企業が損失を受ける可能性は確かにある。だから、日韓通貨スワップ協定は維持するべきだ。などと反論してくる人が現実にいる。
 バカバカしい限りだ。日本はいつから「国家が過保護的に企業の面倒を見る」社会主義国家になったのだろうか。日韓通貨スワップ協定が破棄され、韓国が通貨危機に陥ると、同国との取引を継続していた日本企業が損失(韓国側の支払い不能)を被ることもあるだろう。とはいえ、そんなものはそれこそ自己責任だ。自国の脆弱な通貨韓国ウォンの「保証人」の役割を引き受けてくれている日本に、真っ向から喧嘩を売るような国とのビジネスを縮小しない、日本企業の方が悪いのである。現在の日韓関係の悪化を見て、それでも通貨スワップ協定破棄や韓国の通貨危機再来のリスクを全く考えなかったとしたら、冗談抜きで経営者失格だ。
 筆者は別に、日本政府に国家資本主義的あるいは重商主義的な政策を採れと言いたいわけではない。だが、少なくとも日本における韓国経済の「重み」は、領土問題とは比較にならないほど「どうでもいい話」だということを、いい加減に日本の政治家にも理解して欲しいだけである。

最新の三橋貴明の「経済記事にはもうだまされない!」

三橋貴明(みつはし・たかあき)

三橋貴明(みつはし・たかあき)

1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。
外資系IT企業ノーテルをはじめ、NEC、日本IBMなどに勤務した後、2005年に中小企業診断士を取得、2008年に三橋貴明診断士事務所を設立する。現在は経済評論家、作家として活躍中。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」での発言を元に執筆した『本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社)が異例のベストセラーとなり一躍注目を集める。同書は、韓国の各種マクロ指標を丹念に読み解き、当時日本のマスコミが無根拠にもてはやした韓国経済の崩壊を事前に予言したため大きな話題となる。
その後も、鋭いデータ読解力を国家経済の財務分析に活かし、マスコミを賑わす「日本悲観論」を糾弾する一方で、日本経済が今後大きく発展する可能性を示唆し「世界経済崩壊」後に生き伸びる新たな国家モデルの必要性を訴える。
崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『中国経済がダメになる理由』(PHP研究所)、『ドル崩壊!』 など著書多数。ブログ『新世紀のビッグブラザーへ blog』への訪問者は、2008年3月の開設以来のべ230万人を突破している(2009年4月現在)。

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