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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

第75回 イギリス保守党とアメリカ茶会党 前編(2/3)

(1/3の続き)

 何しろ「戦後最大規模の緊縮財政」である。イギリス政府の大鉈は、すでに国内の様々な経済主体に及び、深刻な摩擦を引き起こしつつある。

 例えば、緊縮財政の手はイギリス王室にも及んでいる。イギリス王室は、英財務省による歳出削減の標的の一つになり、2012会計年度の王室費が、現在よりも約14%も削減される予定になっている。

 具体的には、エリザベス女王が王室職員を慰労するために開催される、バッキンガム宮殿におけるクリスマスパーティの中止などである。

 ちなみに、イギリスの新聞は王室のために使われる税金の額が、
「09年度は国民1人当たり約80円!」
 などと「毎年」報じ、王室費へ目を光らせている。
 正直、天皇家を頂く日本国民の一人としては、
「80円くらい、別に目くじらを立てずとも・・・」
 と、思ってしまう。まあ、イギリスにはイギリスなりの都合があるのだろうが。

 イギリス王室の件は置いておいて、さすがにイギリス国民は政府の「戦後最大規模の緊縮財政」を単純に喜んでいるわけではない。10月20日には、緊縮財政に反対する抗議活動が大々的に開かれた。

 デモ隊の一部に至っては、勢い余って官庁に乱入し、3人が逮捕される事態に至った。なかなかイギリス人も、ギリシャ人に負けないほどに過激である。

 キャメロン首相が率いるイギリス連立内閣は、公的部門(要は公務員)で49万人の人員を削減する政府方針を出している。これに対し、大手労組幹部は「事実上の死刑宣告だ」と憤った発言をしている。

 ちなみに「公務員削減」と聞くと、マスコミに汚染された日本人は、
「それは素晴らしい! 日本でもやるべきだ! 日本の公務員は多すぎる!」
 と思いかねないが、これは全く間違った認識に基づいている。日本の公務員数は、世界の主要国の中では最も少ない。


【図75-2 人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較】
20101110_02.png
出典:総務省


 図75-2は、人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較である。ちなみに、日本の「政府企業職員」には、行政法人や国立大学、特殊法人などの職員が「きちんと」含まれている。

 実は、マスコミなどの報道とは裏腹に、日本は主要国の中で公務員が極端に少ない国なのである。この事実を踏まえた上で、
「いや! それでも日本の公務員は多すぎる!」

 と主張したいのであれば、それはそれで構わない。とはいえ、その場合は「主要国で最も公務員が少ない日本において、さらに公務員を削減する理由」を、明確に示さなければならないだろう。

(3/3に続く)


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三橋貴明(みつはし・たかあき)

三橋貴明(みつはし・たかあき)

1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。
外資系IT企業ノーテルをはじめ、NEC、日本IBMなどに勤務した後、2005年に中小企業診断士を取得、2008年に三橋貴明診断士事務所を設立する。現在は経済評論家、作家として活躍中。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」での発言を元に執筆した『本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社)が異例のベストセラーとなり一躍注目を集める。同書は、韓国の各種マクロ指標を丹念に読み解き、当時日本のマスコミが無根拠にもてはやした韓国経済の崩壊を事前に予言したため大きな話題となる。
その後も、鋭いデータ読解力を国家経済の財務分析に活かし、マスコミを賑わす「日本悲観論」を糾弾する一方で、日本経済が今後大きく発展する可能性を示唆し「世界経済崩壊」後に生き伸びる新たな国家モデルの必要性を訴える。
崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『中国経済がダメになる理由』(PHP研究所)、『ドル崩壊!』 など著書多数。ブログ『新世紀のビッグブラザーへ blog』への訪問者は、2008年3月の開設以来のべ230万人を突破している(2009年4月現在)。

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