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【NY市場】様子見の中、後半になってドル売り優勢に あくまで調整の範囲か

 きょうのNY為替市場、主な米経済指標の発表もなく手掛かり材料に乏しい中、米中貿易問題の動向に市場の関心は集まっている。NY時間に入って伸び悩んだものの、きょうは人民元が再び下落したことや、中国株も下げたことで全体的にはドル買いが優勢となっていた。ただ、後半になってドルは再び利益確定売りに押されている。夏休みシーズンでもありポジション調整が出ているようだ。米中貿易問題がエスカレートする中、ドル買いが続いていたが、特段の材料もない中、調整が主体となっている模様。ただ、あくまで調整の範囲ではあろう。

 ドル円は円高の動きもあって上値は重かった。米政府は160億ドルの中国からの輸入品に23日から制裁関税を発動することを決定した。一方、中国側も160億ドル相当の米輸入品に対して報復関税の発動を発表している。依然として米中貿易問題の解決の糸口が見えない中、明日は日米通商協議(FFR)も控えており、リスクを意識した円高が出ているようだ。

 ドル円はロンドンに売りが優勢となり、110.85円付近まで一時下落した。その後、111円台に戻したものの、再び110円台での取引となっている。ただ、下押す雰囲気まではない。目先の下値メドは7月26日安値110.60円が意識される。

 明日ワシントンで日米通商協議(FFR)の初会合が行われ、一部からは警戒感も出ているようだ。茂木経済財政相がワシントンを訪問し、ライトハイザーUSTR代表と協議するが、それに先立って会見を行っており、「1980年~90年代とは情勢はかなり異なり、日本企業の現地生産、相互依存が進んでおり、ウィンウィンの関係構築について話したい」と述べていた。

 米国は2国間自由貿易協定(FTA)を求める一方、日本はTPPへの復帰を求めている。TPPは幅広い市場に日本の農産物がアクセスできる代わりに関税引き下げを受け入れており、日米FTAではそれは認められないとしている。すぐに合意することはないと思われるが、米中や米欧のような対立にはならないものと考えられる。

 ユーロドルは1.16ドル台で推移。ロンドン時間に売りが優勢となり1.15ドル台に再び値を落とししていた。ただ、夏休みシーズンということもあり、下値ではポジション調整のショートカバーも出ていたようだ。対ポンドでの買いもユーロをサポート。ただ、全体的には動意薄の展開でレンジを抜け出そうというう動きまでは

 イタリアの新政府が計画している財政拡大策に市場の不透明感が強まっている。EUの財政規律に反する大胆な景気対策を主張しており財政赤字への懸念が強まっている。ただ、イタリアのコンテ首相は「政府の景気対策は現実的になる必要がある」と述べており、きょうは市場に安心感をもたらしていたようだ。しかし、連立政権の五つ星運動の党首で副首相のディマイオ氏のインタビューが先ほど伝わり、「EUとの財政論争では強硬な戦術を繰り返すことを誓う」と述べ、イタリアの財政拡大策への懸念はなお火種は燻っている模様。

 ポンドは下値模索が続き、ポンドドルは1.28ドル台半ば、ポンド円は142円台に一時下落した。市場には合意なきEU離脱への警戒感が強まっており、ポンドを圧迫している。ポンドドルは重要な心理的節目の1.30ドルを割り込んできたことで市場では、向こう2ヵ月から6ヵ月の期間のポンド安へのヘッジ需要が高まるとの指摘も出ている。目先は1.25ドルまでの下落の可能性も高まってきたとの見方も増える中、もし、EU離脱期限の来年3月末にかけて、合意なきEU離脱の可能性が強まるような情勢であれば、1.20ドル水準を試す可能性まで警戒され出しているようだ。

 なお、ブルームバーグが関係筋の話として、メイ首相はEU離脱交渉が不調に終わり、合意なきEU離脱になるケースに備え、9月初旬に内閣の高レベル会合を開催する予定だと伝えていた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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