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【NY市場】円高の動き強まる ユーロ円の下げが波及との指摘も

 きょうのNY為替市場は円高の動きが強まっており、ドル円は111円台前半に下落した。他のユーロ円やポンド円といったクロス円も下落しており、円高圧力がドル円を圧迫しているようだ。中国が米国からの輸入600億ドル相当に最大25%の報復関税を計画していると伝わるなど米中貿易問題の激化が続いていることはもちろんだが、一部からはイタリア財政への懸念からユーロ円が下落し、他の円相場に波及しているとの指摘も出ている。

 イタリアのサルビーニ副首相はマスコミとのインタビューで「イタリア国民が我々に投票したのは、暮らしをよくし、適切な年齢で引退でき、低い税金を支払うためだ」と述べている。副首相はEUの財政規律を軽視する構えを示しているが、それに対して、トリア財務相は慎重な姿勢を求めている。

 この状況を受け欧州債市場でイタリア国債の売りが膨らんでおり、10年債利回りは一時3%台に上昇していたが、市場ではイタリア国債を多く保有する日本の投資家が同国債を売却するのではとの懸念が高まっている模様。

 ドル円は一時111.10円付近まで下落し、21日線を下放れる動きが見られている。このまま110円台に再び下落するようであれば、200日線が控える110円ちょうど付近までの下落も想定される。ドル高の流れはあるものの、ドル円は要警戒の値動きではある。

 一方、ユーロドルは1.15ドル台半ばから1.16ドルの間での上下動に終始。この日発表の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回ったことからドル売りが優勢となり、ユーロドルは1.16ドル台を回復する場面が見られた。しかし、イタリア財政への懸念もある中、ユーロの上値は依然として重く、ユーロドルは1.16ドル台に入ると上値を抑えられている。

 原油高もあってインフレはECBの目標に接近しているものの、第1四半期からの景気回復のペース鈍化が依然として続いている中、「来年夏の間中までの金利据え置く」というECBのコミットに変化を与えるものはない。

 米中貿易問題の激化による中国経済の減速が、米国よりもユーロ圏の経済に与える影響のほうが大きいとの見方もある中、ユーロドルは更に下値を探るとの指摘も少なくないようだ。心理的節目の1.15ドルをブレイクするようであれば、1.10ドルに向かって行く可能性も警戒されているようだ。

 ポンドドルは1.30ドル台は維持しているものの上値が重い展開。対円でも下落しており、ポンド円は一時144.50円近辺まで下落している。今年、強いサポートとなっている144円の水準をブレイクするか警戒される展開となっている。

 前日は英中銀が利上げを実施し、政策委員の投票行動も全会一致となった。利上げに反対する委員が複数いると思われていただけに全会一致はサプライズであったであろう。ただ、英中銀はEU離脱交渉にかなり敏感になっている様子も示唆したことからポンドは売りの反応を見せていた。きょうもカーニー総裁がBBCのインタビューで「合意のないEU離脱の可能性は不快なほど高い」と述べており、ポンド売りを誘っていた。

 市場でも早期利上げ期待は一切高まっておらず、年内の利上げ確率は10%台に留まっておりポンドを圧迫している。英経済はユーロ圏と違い回復基調を鮮明にしているが、EU離脱交渉やメイ政権の動向など政治リスクが不透明感を高めている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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