※忙しい人のサマリー
シリアへの攻撃、米雇用統計と二つのドル売り材料も110円維持
米軍のシリアへの攻撃で110円10銭台
雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を大きく下回りこちらも110円10銭台。
ポンドは建設PMIが弱く、ロンドン市場で売り
【東京市場】米軍のシリア攻撃受けて不安定な展開に
朝方は前日の海外市場で安値から値を戻す動きとなったことを好感し、しっかりの展開。ドル円は111円ちょうど近辺まで買い戻される展開となった。
しかし、米軍がシリアの航空施設などをミサイル攻撃したことが報じられ、一気にドル売り円買いが進行。ドル円は110円台前半まで落とされると、その後の戻りも鈍く、一時110円13銭近辺までと、先月27日28日の安値に迫る動きに。
午後に入ると、ポジション調整もあって、ドル円は買い戻しが優勢となり、110円台半ばを超える動きとなったが、プーチン露大統領がシリアへの攻撃は侵略行為とみなすと強く批判したことで、再びドル安円高が進むなど、不安定な展開が続いた。
クロス円もシリア問題を受けて軒並みの円高進行。ユーロ円は118円台を回復していたところから117円台前半まで。その後117円台後半を回復。
【ロンドン市場】地政学的リスク一服
地政学リスクを受けての円買いは一服。ドル円は東京午前の110円13銭までの動きで110円を維持したことで110円台後半に戻してもみ合い。
目立ったのはポンド売り。
2月の英鉱工業生産が予想を下回ったことが背景。前月比-0.7%と事前予想+0.2%から予想外の低下となり、前回1月の-0.3%とともに2ケ月連続のマイナスとなった。ポンドドルは1.24台後半から1.2410台へと下落。ポンド円は138円手前から137.20台まで押し下げられた。カーニー英中銀総裁が、緩和解除のペースが極めて緩やかになるとの見通しを示したこともポンド売りを後押し。
【NY市場】雇用統計衝撃的弱さも、午後に買い戻し
注目された米雇用統計は非農業部門雇用者数増が10万人を割り込む
衝撃的な弱さとなった。前回値も下方修正されている。
この結果を受けて瞬間的にドル売りが進み
ドル円は110円10銭台。
しかし、シリア攻撃報道を受けても割り込み切れなかった110円の大台が
またも維持される格好でドル円の下げが止められた。
その後は一転してドル買いの動き。
ダドリ―NY連銀総裁が
「まだバランスシート計画を策定中ではあるが、バランスシート縮小は今年終盤か来年始めに開始するであろう。バランスシート縮小にともなって利上げを休止した場合でも、その期間は極めて短いものになる」などと発言したことがドル買いに。
ドル円は111円台を回復して週の取引を終えている。
【本日の見通し】底値しっかり感
金曜日の米軍によるシリア攻撃、驚きの非農業部門雇用者数の弱さと
二度の大きなドル売り円買い材料にも
110円の大台が維持されており、下値しっかり感が広がりそう。
ドル円は反発が期待されるところで
111円台半ばからの売りを崩しに行く可能性も。
ただ、シリア情勢についてはまだ不安定で警戒感が残るため
高値からの買いにも慎重姿勢。
上値を意識しながらのレンジ取引か
【本日の戦略】
110円台は買い下がり。
110円手前の買いがかなりしっかりしているだけに
大台割れまでは買いで攻めてみたいところ。
但し割り込むときっちりストップ
デイトレも買いから。
こちらはもう少し小さく回転。
110円台後半で買い、111円台で売りのイメージ
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません