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とれんど捕物帳 米安はようやく一服 米中間選挙を受け本格的に落ち着くか来週以降も注目

配信日時
2018年11月3日(土)08:45:00
掲載日時
2018年11月3日(土)08:55:00

 今週のドル円は上値は重かったものの底堅さも見せたといったところであろう。米株の急落もようやく一服感が出始め、ドル円にも安心感が広がったようだ。特に金曜日の東京時間はドラマチックな展開であっただろう。日本時間の早朝にアップルの決算が発表され“こりゃダメだ!”と思いきや、トランプ大統領が今月末のG20首脳会議の際に予定されている米中首脳会談に向け、重要閣僚に中国との貿易合意の草案作成を要請したとのニュースが流れ雰囲気は一変していた。

 トランプ大統領と習主席が1日に電話会談を行ったらしい。これまでの雰囲気から察して、中国側がかなり譲歩したのだろうか。あの中国共産党が譲歩したのなら、よほど困っているのかもしれない。それはそれで嫌な感じがするが、ひとまず市場は期待感を高めている。

 もっとも、最終的にどうなるか未知数の部分が多い。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は早期解決に否定的な見解を示し火消しに回っていた。金曜日のNY株式市場は再びネガティブな反応を見せていたが、当のトランプ大統領は「合意できると考えている」と前向きな発言を繰り返している。この政権は一体どうなっているのがとも勘ぐりたくなるが、いずれにしろ期待半分にしておいたほうが無難かもしれない。

 円高の動きは一服しいたものの同時にドル高の動きも一服しドル円の上値を抑えていた。直近はドルインデックスが年初来高値を更新するなどドル高が強まっていたこともあり、環境の変化に逆の流れが出たものと考える。一部には英EU離脱協議など、欧州や英国への期待感が復活といった解説もあったがどうだろうか。

 金曜日の米雇用統計は強い内容となった。非農業部門雇用者数(NFP)は25万人増と予想を大きく上回ったほか、特に平均時給が前年比3.1%と3%台に伸びを拡大させている。直近の米株の急落やトランプ大統領からのプレッシャーもあって、FRBは来年以降の利上げ姿勢を緩めるのではとの期待も一部からは出ている。しかし、今回の米雇用統計からすると、その期待は正当化されないように思われる。年末にかけてドル買い需要がかなり強まるとも見られており、調整が済めば再びドルは買われる展開も想定される。

 目先は米株式市場が本格的に落ち着いてくれるか注目される。FRBが四半期ごとに発表している資金循環統計によると、米家計が保有している金融資産のうち株・投資信託の割合は48%となっている。確定拠出年金(401K)の普及もあるのであろう、日本の15%よりも遥かに高い。ちなみに大雑把にひっくり返したのが現預金の保有率だ。

 金融リテラシーの影響もあるであろう。「株危ない!、FXなんかどんでもない!、やらないのが一番!」といった金融資産のリスクに対する日本の伝統的な教えが影響しているのかもしれない。もっとも毎週のように、このような文面を書いている筆者が金融リテラシーについて語るのはどうかとも思われるが。

 いずれにしろ、現代の米経済にとって株価は重要な位置を占めている。米経済の最大のファクターは個人消費だ。世界経済の最大ファクターといっても過言ではないのかもしれない。「賃金はいまひつ上げが鈍いが、株さえ上がっていれば消費は何とかなる」といった声が聞かれるのも頷ける。

 バーナンキ、イエレン時代はパンチボールという株主優待を常に送ってくれていたFRBだが、パウエル議長になって厳しくなって来ている。インフレ警戒から致し方ないのだが。

 さて来週だが、6日火曜日に米中間選挙が予定されており最注目のイベントとなろう。世論調査では、上院は現状と変化はなく、僅差で共和党が過半数を確保しそうだ。ただ、下院については民主党が議席を獲得しそうで、過半数を確保しそうな情勢だ。再びねじれ議会になりそうで、トランプ大統領と共和党が推し進めている追加減税法案の成立は難航しそうだ。

 もっとも民主党の場合でもインフラ投資拡大など財政刺激策が期待される。いずれにしろ共和党もこのところ大きな政府に傾いており、財政赤字拡大路線に変化はなさそうだ。予想外に共和党が下院で善戦すれば別だが、市場もねじれについては既に織り込み済みであろう。株式市場も含めてそれなりに上下動はするであろうが、基本的には無難な通過を見込んでいる。FOMCも予定されているが、これまでと変わらず12月利上げを示唆してくると思われるが、こちらも無難な通過となる可能性もありそうだ。

 ドル円の想定レンジとしては111.50~114.00円を想定。スタンスは「中立」で変わらず。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↑↑(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓(↓↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓(↓↓)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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