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とれんど捕物帳 中期的にはまだ強気で望みたい!

配信日時
2018年10月20日(土)08:45:00
掲載日時
2018年10月20日(土)08:55:00

 先々週はドル円は更に上値を目指し、心理的節目の115円を1回は付けに行く動きを期待したいと予想したが、残念ながら大きく外してしまった。米株式市場がここまで調整が深まるとまでは想定していなかった。きっかけは強い米経済指標に伴う米国債利回りの急上昇とイールドカーブのスティープ化だが、米10年債利回りは一時3.26%まで急上昇し、ポイントとなっている3.25%を達成後、一旦落ち着いている。

 米株式市場に関しては中国経済やイタリア情勢、サウジなど他の要因も理由付けにして更に下げが深まった。市場のボラティリティが高まるとポジションを減らし調整するリスクパリティー戦略ファンドからの大量売りなども警戒されていたが、米株式市場のボラティリティを示すVIX指数は今年2月の急落時ほどは警戒感を高めておらず、今回は当該ファンドからの大量売りへの警戒感はひとまず後退しているようだ。もっとも、まだ不安定な状態に変わりはなく、もうしばらく警戒感は燻るものと見られる。

 ドル円は今週も111円台まで一時下落した。ただ、米株式がひとまず落ち着きの兆候を見せ始めたこともあり押し目買いから112円台は堅持している状況。次の展開待ちといった雰囲気だが、株次第といったところであろう。

 米長期金利に関しては今後も上昇が予想される。米10年債利回りが急上昇したとはいえまだ3%台前半だ。リーマンショック前は5%、2000年前後のITバブル時は6%台半ばまで上昇している。ただ、リーマンショック前までの急上昇はないと見ている。米国ではトランプ政権による財政拡大策がとられており、今後も米国債の供給増が予想されるが、一方でEUや日本など他国の金利水準を考慮すれば米国債への投資は魅力的で需要も旺盛にあるものと思われ、供給増を吸収しバランスが取れるものと考えている。意外に緩やかな上昇に留まるものと予想する。FRBが過度に引き締めを急がなければだが。

 その場合、米株式市場は長期金利上昇の逆風を吸収して、もうしばらく上値追いを続けることを期待したい。11月6日には米中間選挙があり、あと半月程度だが、拮抗はしているものの下院では民主党が過半数を獲得しそうな雰囲気もある。その場合、再びねじれ議会ということになり混乱も予想されるものの、経済政策に関しては民主党が下院で過半数を奪還した場合、トランプ大統領が当初掲げた1兆ドル超規模と同様のインフラ支出拡大法案を議会指導部が提出する可能性が高まる。一方、共和党が過半数を維持した場合でも減税第2弾が検討されるであろう。いずれにしろ、景気拡大策はまだまだとられる見込みだ。米株にとってはポジティブなはず。

 当然、米国債の発行増は避けられず利回り上昇圧力も強まりそうだが、上記の通り、海外からの旺盛な需要がそれを相殺することを期待したい。雀の涙ほどの低成長にもかかわらず、増税しようとう不思議な国もあることから、ドル資産はますます魅力的なるものと思われる。前回は「米経済の線香花火は散り菊にはまだ程遠い」という題目で配信したが、米経済に関して中期的にはまだ、強気スタンスで望みたい。

 さて来週だが、ECB理事会や7-9月期の米GDP速報値など重要なマクロイベントが控えている。ただ、来週も株にらみの展開が予想される。その意味では来週から米企業決算の発表が本格化し、キャタピラーやボーイングといった産業株や、アマゾン、アルファベット、インテルなど大手IT・ハイテク株の決算発表が予定されている。ドル高や米中貿易問題の影響などもあり微妙なところではあるが、もし、市場がポジティブな反応を示せば調整が一段落しリバウンドも期待されるところ。そうなればドル円も上値追いが期待できる。いずれにしろ為替市場も米企業決算に対する反応次第といったところだ。

 レンジとしては111.00~113.50円を想定。スタンスは一旦「中立」に戻したい。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 →(→)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 →(↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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