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今週のまとめ9月10日から9月14日の週

配信日時
2018年9月15日(土)07:55:00
掲載日時
2018年9月15日(土)08:05:00

 10日からの週は、円安とドル安の動きが優勢。米株が堅調に推移しておりリスク選好ムードが支配的だった。米中貿易戦争については米国が中国と新たな協議を行うことを示唆しており、先週末に報じられたような追加関税発動は様子見となっている。もっとも、トランプ大統領は協議の実施に関係なく2000億ドル規模の追加関税発動方針を維持との報道も伝わっている。週後半には米生産者物価指数に続いて同消費者物価指数の伸びが予想を下回ったことが、程よい利上げペースへの期待を広げて米株を押し上げた。木曜日には英中銀、ECB、トルコ中銀と中央銀行の金融政策発表が相次いだ。今回最も注目されたトルコ中銀会合では、エルドアン大統領の発表直前の利上げけん制発言に屈せず、17.75%から24.00%へと大幅な利上げを断行。トルコリラが急伸したことで、新興国通貨安の不安が後退した。英EU離脱交渉については、バルニエEU首席交渉官から合意に向けた前向きの発言が目立ち、ポンド買いの反応を喚起した。ECB理事会後のドラギ総裁会見では、ユーロ圏成長への自信が示され、貿易戦争への警戒感はそれほど強調されなかった。ドル円は112円台、ユーロドルは1.17ドル台、ユーロ円は131円台をつけるなど円安とドル安が平行して進んだ。

(10日)
 東京市場は、ドル円が111円を挟んだ振幅となった。朝方は、前週末のトランプ大統領による中国への追加関税関連の発言や日本との新たな合意を求める発言が円買いの流れを誘い、110.80台に下落。仲値にかけてはゴトウビ関連の円売りが入り111円台を回復。中国・香港株が寄り付きから大きく売り込まれると再び110.80台に。昼にかけては111円台を再び回復。ユーロ円は128.30近辺から一時128円手前まで軟化。米中の通商摩擦問題が重石に。

 ロンドン市場は、ユーロが堅調。序盤は中国・香港株の下落を受けてリスク開始ムードが残ったが、欧州株や米株先物が上昇、イタリア債が買われるなどリスク動向が好転した。週末の報道でトリア財務相は、負債圧縮と財政赤字抑制の必要性を強調した。これを受けてユーロ買いとともにドル円、クロス円が本日高値を伸ばした。ユーロ円は127円台後半から128円台後半へ、ユーロドルは1.15台前半から後半へと上昇。ドル円は110円台後半から再び111円台を回復。ポンドにとっては7月の月次英GDPが予想を上回ったことが好材料だった。英首相報道官が、合意なきブレグジットに対する計画について木曜日に閣議を開催、と発表した。

 NY市場では、欧州通貨の買いが優勢となり、ドルは軟調な展開。バルニエ首席交渉官の発言でポンドが急上昇しており、ユーロも連れ高となった。バルニエ氏は「8週間以内にEU離脱交渉が合意するのは現実的」と述べていた。ポンドドルは一気に1.30台へ、ポンド円は145円台に上昇。ユーロドルは1.16ちょうど近辺、ユーロ円は128円台後半に上昇。米欧通商担当者の会談では建設的な意見交換ができたと米USTRが発表した。ドル円は111円台前半での推移。米IT・ハイテク株の下落が一服したことが下支えに。

(11日)
 東京市場は、ドル円が堅調。前日海外市場でのリスク警戒感後退の流れを受けて取引を開始。東京午前には半導体大手ルネサスが米同業を買収すると報じられたことで、ドル買い円売りが期待された。ドル円は110.48レベルまで一時上昇。クロス円もポンド円が145円近辺で取引を開始、午後には145円半ばに迫る水準に上昇。

 ロンドン市場では、円安が一服。朝方は円売りが先行も、ポンドの急落や欧州株安を受けて円買いに転じている。ポンド売りの目立った材料はみられなかったが、フロー主導でポンドドルやポンド円が約100ポイントの大幅安となる場面があった。序盤に高値を伸ばしていたドル円、クロス円は円高へと方向転換。ユーロ円や豪ドル円は東京市場からの上昇をほぼ解消した。ドル相場もドル安先行からドル買いへと方向が目まぐるしく変化している。ドル円は111.57レベルまで買われたあとは111円台前半に押し戻された。英ILO雇用統計で、賃金の伸びが予想を上回ったが、ポンド買いの動きは限定的。

 NY市場では、株高とともにドル円が上昇。中国が米国がWTOの判断を順守していないとして、米国への報復許可をWTOに求める方針を示すなど米中貿易問題は一向に解決の糸口が見えない。ただ、懸念は根強いものの、きょうの株式市場は一旦様子見となっている模様。ドル円は米株高や米債利回りの上昇とともに111.60近辺まで上昇。ユーロドルは1.16台前半から1.15台後半まで下落。ドル買いが優勢に。ポンドドルも戻り売りで一時1.30台割れ。カナダドルは終盤に買われた。原油高や米加NAFTA再交渉への期待が背景。
 
(12日)
 東京市場は、落ち着いた値動き。ドル円は111円台半ばを挟んで狭いレンジ取引。朝方に111.65レベルを前日高値をわずかに更新も、その後は上値を抑えられた。中国・香港株が軟調、アジア通貨の上値が重く、ドル円も111.46レベルまで下押しされた。ユーロドルは1.16台を維持できず、小安い動き。日経平均は60円安で引けた。

 ロンドン市場は、値動きが限定的だった。ドル相場は米債利回りの値動きに敏感に反応しているが、方向性は希薄。序盤に米債利回りが低下し、ドル売りが先行したが、米債利回りの下げ渋りとともにドルは買い戻されている。欧州株は、前日の米株高を受けておおむねプラス圏で取引されているが、一時下げに転じるなど上昇は限定的。あすの英中銀、トルコ中銀、ECBなどの金融政策発表を控えて動きにくくなっている。ドル円は111円台半ば、ユーロドルは1.15台後半、ポンドドルは1.29台後半。

 NY市場は、ドル売りが優勢。ロンドン中盤からの流れを受けてドル円は111円台前半へと軟化。米国が中国に新たな通商交渉を提案との一部報道で買われたが111円台半ばは重かった。その後111.10近辺まで再び下落。ユーロドルは1.16台へと上昇、ユーロ円は129円台後半まで買われる場面があった。ユーロドルは高止まりも、ユーロ円は129円台前半へと反落。ポンドも買いが広がる場面があった。英EU離脱について、EU側がアイルランド国境について柔軟な姿勢を示しているとの観測がでていた。米株は高安まちまち。

(13日)
 東京市場は、小動き。海外市場でのイベント待ちに。ドル円は前日NY市場の下げで111円台が維持されたことを受けて、111円台前半で底堅く推移。日経平均が上昇しており、リスク選好の円売りが入っていた。豪ドルは雇用統計が強めの結果となり、買いで反応。対ドルで0.72ちょうど近辺へと上昇。ただ、午後には買い一服に。ユーロは午後にやや売りが入った。イタリア財務相が来年度予算をめぐって辞任も辞さないとの発言報道が背景。

 ロンドン市場では、円売りが優勢。この日の注目イベントは英中銀、ECB、トルコ中銀の政策金利発表。英中銀とECBは大方の予想通り政策金利の据え置きを決定した。市場にインパクトを与えたのがトルコ中銀の利上げ決定だった。発表前にエルドアン大統領が「この高い金利を引き下げる必要がある」と発言したことでトルコリラが急落する場面があった。しかし、トルコ中銀は政策金利を17.75%から一気に24%に引き上げだ。市場ではトルコリラ買いが殺到。発表後にリラ円の急騰がその他主要通貨にも円売り圧力へと広がった。ドル円は111円台半ば越え。ユーロ円は129円台後半、ポンド円は145円台後半に上昇。

 NY市場では、ドル売りと円売りが強まった。米消費者物価指数の伸びが予想を下回ったことで米債利回り低下、米株高の動きが広がったことが背景。また、ECB理事会後のドラギ総裁会見が、ユーロ圏の景気拡大は世界的なリスクに十分対応できるとの自信を示したことがユーロ買いを誘った面もあった。トルコ中銀の大幅利上げでリラが急上昇したこともユーロには好材料。ユーロドルは1.17ちょうど近辺、ユーロ円は130.80近辺まで上昇。ポンドも英MPCで第3四半期成長見通しを引き上げたことが好感された。ポンドドルは1.31台、ポンド円は146円台後半へと上昇。ドル円は米株高とともに112円ちょうどまで買われた。 

(14日)
 東京市場では、円売りが一服。三連休を控えて調整含みとなっている。ドル円は朝方に112.08レベルと8月1日以来の高値をつけた。しかし、日経平均が大幅高となるなかで111.80台まで下押しされている。安倍首相の、異次元緩和についてずっとやっていいと思っていない、との発言がドル円の上値を重くした面も。ユーロ円は130円台後半、ポンド円は146円台後半、豪ドル円は80円台半ばで推移。ドル円ほどは下押しされず底堅い。

 ロンドン市場では、小幅な上下動。欧州株が堅調に取引を開始。ユーロやポンドが一段高となる動きでスタートした。ユーロドルは1.1722レベル、ポンドドルは1.3138レベルに前日からの高値を伸ばしている。ドル円は111.80付近でやや上値重く揉み合っている。ユーロ円やポンド円は序盤に上昇も、中盤にかけては売り戻されている。米小売売上高の発表を控えて調整の動きも。

 NY市場ではドル高円高の動き。トランプ大統領が米中の新たな協議に関係なく2000億ドルの追加関税を発動方針との報道がリスク警戒を誘った。また、供給過剰懸念のある米国債の売りが目立ち、10年債利回りが節目の3%に乗せる(国債価格の低下)動きを見せたこともドル高に。もっとも週末を前に高値からの調整も入り、ドル円は112円近辺で週の取引を終えている。

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