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メキシコペソ早くも売りか【フィスコ・コラム】[FISCO]

配信日時
2018年7月8日(日)09:00:00
掲載日時
2018年7月8日(日)09:10:00

7月1日にメキシコで行われた大統領選・議会選で新興左派勢力が政権を奪還し、同国の政治は歴史的な転機を迎えています。政治情勢に振らされやすいメキシコペソは結果を受けて上昇中ですが、新政権の難題は山積で早くも利益確定売りが出ているようです。ペニャニエト大統領の任期満了に伴う大統領選は、新興勢力の「国家再生運動」から出馬した元メキシコ市長、ロペスオブラドール氏が予想通り圧勝しました。大政党に所属せずに選挙に出馬し当選した大統領は、1929年以来では初めてといわれています。国家再生運動は、4年前に旗揚げしたばかりですが、同時に実施された上下両院の議会選でも躍進。12月の新政権発足に向け、政策推進のための運営基盤を築いています。ロペスオブラドール氏が選挙戦で、空港建設の見直しをはじめとする財政再建や中銀の独立性、エネルギー改革に前向きな姿勢をアピールしてきたことから、金融市場の期待も高まりました。実際、選挙結果を受けたメキシコの株価指数は上昇基調となったほか、メキシコペソは2カ月ぶりの高値圏に強含んでいます。選挙公約が政策として実現する流れとなれば、メキシコに流入するマネーは増大が見込まれます。しかし、メキシコの場合、社会問題で成果を挙げないと市場の活性化につながらない懸念があります。次期大統領は、汚職や麻薬に絡む犯罪の撲滅、貧困対策を打ち出していますが、ペニャニエト大統領も2012年の就任時に同じ項目を優先課題として掲げていました。解決するには指導者の卓越したカリスマ性と有権者の忍耐力が必要ですが、歴代のどの政権も成し遂げられず、現在に至っています。メキシコでは、現在の与党「制度的革命党」が1929年から2000年まで、実に71年間にわたり与党として君臨しました。1党支配がこれほど長く続けば、盤石な利権構造が構築されるのも当然でしょう。今回の国政選挙と地方選挙に関連し、この10カ月間で候補者や関係者など145人もの政界関係者が殺害されたことを考慮しても、改革を受け入れたくない闇社会のすそ野は相当に広いと思わざるを得ません。ロペスオブラドール氏が掲げるポピュリスト的な政策のうち、年金支給額の引き上げに関しては財源不足とみられ、着任後は年金生活者の失望を買うかもしれません。一方、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉では現政権を「弱腰」と批判してきましたが、アメリカ依存の経済を変えるのは困難で、自ら政策手段を狭めてしまった可能性もあります。いずれにしても、政策的には早くも行き詰まりそうな雲行きです。新興勢力のため政党としての実績は乏しく、また左派政権は同国初とあって政治の安定の視点からも不安が残ります。それでも一般有権者がロペスオブラドール氏や国家再生運動に政権を委ねたのは、政治に対する怒りが沸点に達したためだと思われます。そのことは、6年前の選挙で当選したペニャニエト大統領38%、今回のロペスオブラドール氏52%という得票率の違いに表れています。新政権と有権者が一体となって改革に取り組む、という一縷の望みぐらいはありそうです。

<SK>

ニュース提供:FISCO

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