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南北統一なら「新ウォン」か【フィスコ・コラム】[FISCO]

配信日時
2018年6月17日(日)08:58:00
掲載日時
2018年6月17日(日)09:08:00

史上初となった米朝首脳会談では、朝鮮戦争の終結に関する手続きは先送りされました。ただ、今後中国など関係国を交えた協議が始まる見通しです。仮に、終結までこぎ着けたら、南北統一というシナリオはあり得るでしょうか。6月12日にシンガポールで開かれた米朝会談は、終わってみれば、北朝鮮の核兵器や関連施設の「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」(CVID)が盛り込まれず、具体性が乏しいなどと批判が高まっています。反面、憎悪してきた両国の首脳による会談は、将来に向けての第1歩と前向きな受け止めもあり、評価は二分しています。北朝鮮問題は今後、どのようにプロセスを進めるかが焦点で、成否はこれからです。金融市場では、トランプ大統領による成功を約束するかのようなツイートに反応し、会談前日からリスク選好的な円売りが優勢になっていました。ただ、米朝の関係改善を織り込んだ円売りは会談の途中ですでに一巡し、クロス円の上昇は限定的となりました。一方、韓国ウォンは会談当日、対ドルで昼ごろに反落し、翌日にかけて値を下げました。やはり朝鮮戦争の終結が持ち越しになるとの失望売りとの見方ができます。まだ予断は許せませんが、戦争終結について当事国による協議が始まるようです。つい半年ほど前まで、米朝の首脳が直接会談するなど外交の専門家を含め、ほとんど誰も予見できなかったと思います。仮に、戦争終結宣言にこぎ着けられれば、関係国の思惑はともかく、南北統一への機運が高まるとみるのも、非現実的ではないかもしれません。その際には、韓国ウォンと北朝鮮ウォンの通貨統合がテーマにのぼってきます。北朝鮮の経済情勢については断片的な情報しかなく、不明な部分が多いのが実情です。アメリカ中央情報局(CIA)によれば、実質経済成長率は2015年(最新)が-1.1%、失業率は2013年時点で25.6%となっていますが、実際にはもっとひどい状況になっていると推測できます。通貨に関しては、2017年の北朝鮮ウォンの公式レートは1ドル=135北朝鮮ウォンですが、実勢レートは8500北朝鮮ウォンとされています。韓国ウォンは現在1ドル=約1080ウォンなので、韓国ウォンと北朝鮮ウォンの比率は大体「1:8」。仮に統一朝鮮が誕生し通貨が統合されるとなれば、1990年の東西ドイツ統一の際のドイツマルク発足がモデルになり得ます。西ドイツを韓国、東ドイツを北朝鮮と置き換えてみても、繁栄を謳歌する現在のドイツのような軌跡をたどるとは限りませんが、統合直前の西ドイツマルクと東ドイツマルクの比率は「1:10」といわれていました。もちろん、現時点で南北統一は空想にすぎません。国内総生産(GDP)ランキングでカナダに次ぐ世界11位の韓国と北朝鮮との経済格差から、統合は韓国の負担が重すぎます。そもそも韓国経済は貿易依存度が高く、統合を主導するほど盤石ではないといえます。ただ、統合という目標が触媒となり、東アジア地域の開発投資が活性化する可能性もあります。過小評価は禁物かもしれません。

<SK>

ニュース提供:FISCO

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