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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

とれんど捕物帳 イベント目白押しも膠着した展開か

配信日時
2018年6月9日(土)08:45:00
掲載日時
2018年6月9日(土)08:55:00

 週初に警戒感が高まっていたイタリアの政治混乱があっけなく幕を閉じた。やはり一度手中に収めた権力は簡単には手放したくないのであろう。再選挙をしてもポピュリスト政党は勝利するとの下馬評も出ていたが、さっさと方針を変更して政権樹立に成功している。早ければ7月とも言われていた再選挙でのリスクは冒したくなかったのであろう。市場にはひとまず安心感が広がったが、もともとEUやユーロ懐疑派の集まりなので、火種は燻っている。折に触れ今後も出てくるであろう。

 もうひとつの政治リスクである貿易問題だが、こちらのほうは難航しているようだ。G7サミットがカナダで開催されているが、米国も他国も貿易問題で一歩も譲る機はないようだ。通商問題で合意が形成できるか注目されるが、恐らくで解決策は示されないであろう。ただ、慣れっこになってきたのか、意外に市場は冷静だ。景気の先行き期待のほうを選好しているのか、米株式市場は堅調な動きをしている。G7では合意できなくても、米貿易赤字で半分近くを占める中国とは、一定の合意ができるのではとの期待感が出ているのかもしれない。米国から700億ドル規模の輸入拡大という中国の提案にトランプ政権も関心を示しているともいわれている。既に決まっているものを除けば実質250億ドル規模らしいが、手打ちのラインが見えてきたといったところなのかもしれない。

 ということで、先週タイトルでも挙げたが、ファンダメンタルズに相場が戻せるかが注目点ではあった。先日の米雇用統計の強さなど米ファンダメンタルズへの期待感が今週は高まっている。米インフレや利上げ期待が高まる中、シナリオは当然ドル高と思われたが、相場はそんなに甘くはない。突然、ECBが14日の理事会で量的緩和(QE)終了を予断を持たず議論するとの報道が伝わり、市場のムードに変化が出ている。もともと下げ過ぎ感が強まっていたユーロだが、ショートカバーが強まり、ドルは対ユーロでの売りに押されて軟調に推移した。

 ちなみに、ユーロ圏の第1四半期の減速が一時的なものなのか、直近の経済指標からはまだ全くと言ってよいほど確認できていない。ただ、米国は絶好調なことや、英国でも直近の指標に回復の兆しが見られることから、ユーロ圏も大丈夫であろうという楽観的な見方があるのかもしれない。もちろん時期尚早との声もある。

 今月のECB理事会では、出口戦略に関しては積極的な議論は行われないと見られていた。現在の月300億ユーロの資産購入プログラムは9月で終了するが、年内の資産購入終了など、その後の出口戦略に向けた具体策が公表されるのは早くても7月と見込まれている。個人的には貿易問題や政治リスクなどを考慮すると、来週の理事会で何らかの具体策が公表される可能性は低いように思われる。ただ、ドラギ総裁が会見で何らかのヒントを示し、それがユーロ買いの反応を示す可能性はあるのかもしれない。

 さて来週だが、重要イベント目白押しの週だ。週明けはG7サミットの反応、12日は米朝首脳会談、そして、FOMC、ECB理事会と続く。週末に日銀決定会合もあるがこちらは無風であろう。G7サミットの反応だが、トランプ大統領は早々に切り上げてシンガポールに向かうようだ。欧州やカナダからの文句は聞きたくないのであろう。それよりも愛しの金委員長との会談に、期待と欲望で心が一杯なのであろう。週明けどういう反応を示すか注目だが、少なくともポジティブな反応は期待できない。

 そして、13日のFOMC結果発表だが、利上げは確実視されており、注目はFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)とパウエルFRB議長の会見であろう。今回を含めて年内あと3回の利上げの可能性を示唆してくるか注目となる。現在、市場では今回は確実なほか、9月については65%程度の確率で織り込んでいる。マクロのエコノミストの予想ではもう少し高い。足元の米指標からはFRBが弱気になる必要は無いが、12月もとなると、まだ可能性は低いように個人的には考えている。

 FOMCメンバーからは「インフレが2%を超えても、短期的であれば許容範囲」との発言や中立金利に接近との見解も出ている。2019年から20年にかけて景気減速も予想されている中、他国の金利格差も拡大することから、FRBがインフレ抑制に積極的になる必要もないのではとも考える。

 もし、次の日のECB理事会次第ではドルは底堅いものの、意外に上値が重く膠着した相場展開も想定される。

 今週のドル円は110円台前半に来ている200日線に顔合わせしたが、その後は上値を拒まれている。来週も底堅さは堅持するかもしれないが、上値抵抗も強く膠着した相場展開も予想される。来週の想定レンジとしては、108.50~110.50円を想定。スタンスは「中立」で変わらず。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立継続
短期 →(↓↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 →(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑↑↑(↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓↓↓)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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