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とれんど捕物帳 過熱気味もドルは来週も底堅い展開か

配信日時
2018年5月19日(土)08:40:00
掲載日時
2018年5月19日(土)08:50:00

 今週もドル買いの流れが加速し、ドル円は111円台まで一時上昇した。先週はそろそろドル買いの動きも止まると予想したが見事に外してしまった格好となる。米国債利回りの上昇が続き、イールドカーブのフラット化も解消に向かいつつある。悪天候の影響もあったようだが、各国で第1四半期の成長が鈍化している。日本に至ってはマイナス成長となった。悪天候は米欧共通の要因だが、日本の場合、電化製品など輸出の落ち込みがそれに加わった模様。日本の場合、個人消費や設備投資など内需の足腰がどうしても弱く、外需頼みの面が今回の結果に繋がったものと考えられる。失業率は完全雇用に近い状態に改善しているものの賃金の上げが鈍い面もある。ただ、それ以上に個人消費や設備投資など内需にブレーキをかけている何かがあるのであろう。だいたい想像はつきそうだが。

 今回の第1四半期の鈍化でFRBと他国の金融政策へのスタンスの格差が鮮明になっている。日本以外は各国とも出口戦略に向かっているが、米国以外はトーンダウンしている。ECBはまだ資産購入のペースを縮小しているという段階で拡大はまだ終了していない。マイナス金利の解消に至っては2020年との声も出ている。日銀に至っては話にならない。その一方でFRBは少なくとも年内あと2回、場合によっては3回の利上げが見込まれている状況。インフレも目標の2%付近に上昇してきている。

 ただ、2周先を走っている米国だが、新鮮味という点ではECBや日銀のほうが魅力的だ。米国のほうは保護主義の動きもある。もし、欧州や日本の4-6月のデータに改善が見られれば、ドル買いは後退して行くのであろう。

 そのほか、ここに来て新興国通貨の売りが目立っており、これもドル買いをサポートしている。米10年債利回りは3%台を回復しており、気が付けばドルは高金利通貨となっている。10年債で3%というラインが一つのメドとなっているものと思われる。もちろん、新興国通貨のほうが利回りは高いが、流動性やカントリーリスクなどを考慮すると、ドル資産のほうが魅力的なのであろう。この流れはしばらく続く可能性も高い。

 さて来週だが、足元のドル高に過熱感が出ていることは確かだ。ただ、今週の動きを見ると、ユーロ圏や英国など米国以外の国のデータ改善を確認しなければ、流れに変化は出ないのかもしれない。来週はマイナーではあるがユーロ圏のPMIが発表になる。また、英消費者物価あたりも注目したい。ただ、予想を見ると前回と変わらない水準のようだ。反転のきっかけにはならないのかもしれない。むしろ、FOMC議事録でFRBの慎重姿勢が出れば、ドルも過熱感を取りに行くかもしれない。このところの米地区連銀総裁の発言を聞くと、インフレが目標の2%をある程度超えても許容するといった趣旨の発言が多く聞かれる。あと3回の利上げまではまだ、織り込ませたくないといったスタンスのようにも思われる。そのときの相場の雰囲気次第であろう。ドルは、ある程度の利益確定売りに押されながらも底堅い展開も予想される。

 先週は外してしまったドル円の想定レンジだが、今週回復した200日線が110円台前半に来ている。その水準を下値サポートとし、上値は112円をメドとする。想定レンジは110.00~112.00円を想定。スタンスは「やや強気」に戻したい。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↑↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 →(↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

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minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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