FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

今週のまとめ4月9日から4月13日の週

配信日時
2018年4月14日(土)08:00:00
掲載日時
2018年4月14日(土)08:10:00

 9日からの週は、リスク警戒ムードが一服している。米中貿易戦争については習近平・中国国家主席が市場開放姿勢を示したことで一気にリスクが後退した。新たにシリアでの化学兵器使用をめぐり米国とロシアの関係が急速に悪化。米国と英国はシリアにミサイル攻撃を行うと表明。トランプ米大統領のツイッターが緊張を高める場面があった。しかし、即時の攻撃を回避する可能性がトランプ大統領から示され、さらにTPPに再び参加する可能性まで示されたことで市場のムードは改善した。ドル円やクロス円は買いが優勢になった。原油など商品市況が持ち直したことが資源国通貨を支えた面も。売りが強まったロシアルーブルやトルコリラも値動きは一服。欧州通貨はまだら模様。ユーロ売りとポンド買いの動きとなった。3月のECB理事会議事録は、市場の出口方向への思惑に釘を刺す内容となり、ユーロ買いポジションへの調整を促した。一方、ポンドはEU離脱後も関税同盟を維持するとの報道などが下支え。米FOMC議事録では追加利上げの方向性が確認されたが、貿易戦争などをリスク材料としており、ドル買いの反応は一時的に留まった。米インフレ指標はほぼ想定通りの内容で、政治面の話題の前にファンダメンタルズ材料はあまり材料視されなかった。


(9日)
 東京市場は、レンジ取引が続いた。ドル円は106.80近辺から107.05近辺での振幅に留まっている。前週末のNY市場では米株安を受けて106円台に下落したが、週明けの東京勢は下値を拾う動きが優勢だった。日経平均は小高く推移も値幅は限定的。ユーロなども小動き。

 ロンドン市場では、緩やかな円安の動き。ロンドン朝方には中国が米国への対抗措置としての人民元の切り下げの影響を研究している、との関係者発言で一時円買いの反応も、すぐに落ち着いた。また、黒田日銀総裁と安倍首相、麻生財務相らが会談を行い、共同声明の堅持を確認。黒田総裁は再任記者会見を行い、物価2%へ総仕上げに取り組む、任期いっぱい務めるつもり、と抱負を語った。ドル円は107円台前半、ユーロ円は131円台半ばでの揉み合い。一方、豪ドル円は一時82円割れとなり、その後の戻りは鈍い。

 NY市場では、円安の動きが一服。序盤に円安方向を試したが、取引後半には押し戻される展開だった。中国の人民元切り下げについては実施は回避されるとの楽観的な見方がみられた。あすには中国の習国家主席が会合で演説を行う予定となっており、内容を見極めたいとのムードもあった。ドル円は107円をはさむ水準から一時106.60近辺へ下落。ユーロ円は132円近辺が重く、131円台前半まで反落。

(10日)
 東京市場は、中国国家主席の発言で株高・円安が進行。ドル円は午前の取引で106.70近辺で揉み合いとなっていたが、習近平主席がボアオ・アジアフォーラムでの演説で、米中の通商問題について対話が解決の方向と発言。自動車関税の引き下げなど市場開放を進める姿勢を示した。株高とともにドル円は一気に107.24近辺まで買われた。午後も107円台での推移。クロス円も総じて円安に。

 ロンドン市場は、欧州通貨が堅調。マカファティー英政策委員が、金融引き締め出遅れをとってはいけないと発言。ポンド買いを誘った。取引中盤にはノボトニー・オーストリア中銀総裁が、年内のQE終了やマイナス預金金利の引き上げについて示唆したことにユーロ買いで反応した。ポンドドルは1.41台後半へ、ポンド円は151円台後半へと上昇。ユーロドルは1.23台後半、ユーロ円は132円台乗せに。ドル円は107円をはさむ上下動。ルーブルやトルコリラが下落する一方で、人民元は持ち直した。

 NY市場では、円売りが優勢。東京時間の習中国国家主席の発言が蒸し返されている。ドル円は107円台前半でしっかり。ユーロ円は一時132円台後半、ポンド円は152円台に乗せた。その中で、ECBがノボトニー総裁の発言はあくまでも個人的な見解だと指摘、ユーロ売りの反応する場面があった。ユーロドルは1.23台前半に押し戻されたがその後は1.23台半ばへと再び上昇。米株は大幅高となっており、全般に円売り圧力が継続した。ユーロ円は132円台を維持。 

(11日)
 東京市場は、小動き。ドル円は107円台前半を中心とした揉み合い。前日NY市場で107円台半ばが重かったことで、日経平均が売り先行となると一時107円台を割り込んだ。しかし、106円台では買いが優勢で、すぐに107円台に戻している。豪ドルはやや上値が重い。新興国通貨が軟調なことが重石に。その他主要通貨は目立った動きをみせず。

ロンドン市場では、円買いが優勢。取引中盤にトランプ米大統領が、ロシアはシリアへのミサイル攻撃に備えよ、と攻撃実施を示唆したことでリスク回避の動きが広がった。米株先物や欧州株が下げ幅を拡大、米債利回りは低下。ロシア・ルーブルは連日の大幅下落。ドル円は107円近辺から106.75レベルまで下落。クロス円も下押しされた。ポンド相場にとっては英鉱工業生産が弱含んだことも重石。一方、ユーロ相場は比較的底堅さを示した。

 NY市場も、シリア情勢の緊迫化に警戒ムード。米株は下落。そのなかで午後にはFOMC議事録が公表された。全体的にインフレ上昇に自信を示しており、中期的には追加利上げが適切とした。発表直後はドル買いの反応で、ドル円は107円台を回復。しかし、議事録では貿易戦争による下振れリスクも指摘され、ドル円は再び106円台に。市場での米利上げ確率は特段上昇せず。資源国通貨は商品市況の持ち直しを受けて堅調に推移。ユーロドルは1.23ドル台で振幅。

(12日)
 東京市場は、落ち着いた展開。ドル円は106円台後半での取引のなかでやや買われている。株式や債券市場が落ち着いており、シリア情勢などの材料待ちのムード。ユーロドルは1.23台半ばで上値が重い値動き。ドル全般に買い戻し圧力がみられた。

 ロンドン市場では、トランプ発言を背景にリスク動向に楽観的な動きが広がった。トランプ米大統領は「シリア攻撃の時期について決して言わない、すぐかも知れないしそうではないかも知れない」と発言。市場では即時のシリア攻撃が回避される可能性があると希望的な見方が広がった。米株先物や欧州株が上げ幅を拡大。ドル円は106円台後半から107円台乗せ。クロス円も総じて円安の動き。ドル相場は、ユーロドルの下落などドル買い優勢に。

 NY市場では、円安とドル買いが混在。トランプ米大統領がシリア攻撃はすぐには必要がないとの可能性を示唆したことで、市場にはひとまず安心感が広がった。ドル円は107.40近辺まで上昇。ユーロドルは一時1.23台割れを試すなどドル買いが優勢。ユーロにとってはECB議事録での慎重姿勢も重石となった。一方、ポンドは堅調。対ドルでは1.42台を回復。EU離脱後も関税同盟に留まる可能性が報じられていた。米株式市場は堅調で、リスク選好の円売りにもつながった。

(13日)
 東京市場では、ドル円が107円台前半での取引。日経平均の上昇とともに107.48レベルまで買われたが、107円台半ばでは上値が抑えられている。日経平均が上げ幅を削る動きが重石となっている。3月の中国貿易統計ではドル建て輸出が前年比2.7%減となったが、市場は反応薄。来週にも米国が中国に対する1000億ドルの輸入関税リスクと公表するとの報道があったが、円買いの動きは限定的。

 ロンドン市場は、円売りが先行。前日にトランプ米大統領がシリア攻撃をすぐには行わないことを示唆、TPPへの最参加の可能性も示しており、リスク動向が改善したことが背景。欧州株は小高く取引を開始した。ドル円やクロス円が全面高となっており、ドル円は107円台後半へ、ユーロ円は132円台後半へと上昇。ドル相場はドル円以外ではドル安に傾いた。ただ、今後の情勢次第の面もあって、値幅は限定的。

 NY市場は、高値からの調整が入った。朝方は米株が強めに始まったこともあり、ロンドン市場のドル買い円売りの動きが継続。ドル円は107円78銭を付ける動きに。しかし、シリア情勢が不透明な中で、週末越えのポジション維持には慎重な姿勢が見られ、ポジション調整の動きが広がった。

過去記事カレンダー

2018年1月2月3月4月5月6月7月8月    
2017年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2016年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2015年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2014年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2013年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2012年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2011年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2010年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2009年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2008年 2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ