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とれんど捕物帳 パウエルへのラブレターだったのか?

配信日時
2018年2月17日(土)08:50:00
掲載日時
2018年2月17日(土)09:00:00

 今週は株式市場の乱高下もひとまず冷静さを取り戻してきている。正直、今週の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けてどうなるかとも思われたが、株式市場は良く乗り切ったというのが率直な感想ではある。期待感と地合いの強さをうかがわせる光景ではあった。

 今回の世界同時株安だが、米雇用統計の平均時給をきっかけに米早期利上げやインフレへの警戒感が高まったという解説になっている。ただ、少し角度を変えてみると、今回の株安はパウエルFRB議長就任前後から発生している。

 就任の門出から世界同時株安の洗礼ということで、さすがに困惑したであろう。もしかすると、「あまり、ガツガツやるなよ!」という市場からパウエル議長へのラブレターだったのかもしれない。個人的には「イエレンの呪い」だと思っている!(笑)

 そんな冗談はさて置き、為替市場では困った問題が発生している。ドル安だ。ドル円も余計に下値模索となっている。為替市場は年初からの流れに戻そうとしているのか、株式市場の落ち着き後のシナリオはドル売りという声がなぜか米国中心に強まっているようだ。先週の予想は完全に外している格好だが、背景としては、米財政赤字や貿易赤字、金利上昇による成長鈍化等々、なかにはスタグフレーションという文言まで登場している。しかし、あまりしっくり来ないというのが個人的な感想だ。

 その中に、2011年から16年にかけてドル高の流れが続いたことでドル買いの活力が失われている。それに比べて回復がまだ若いユーロ圏や円のほうが魅力的で、資産価格もまだ米国と比較すれば割安の水準にあるとの解説も聞かれた。実効為替レートで見れば、ドルは過去10年の平均から上方乖離している一方で、ユーロは平均値付近、円はやや下方乖離しているという。

 個人的にも昨年末に「新鮮味」というキーワードで、世界経済の回復期待が高まるようであれば、中央銀行に出口戦略の余力から、円やユーロのほうが買われやすいとの見方を示して来た。確かにその見方には一部賛同するとは言え、株式市場の混乱も落ち着きつつある中、米経済の強さを考えれば、タイミング的に少しは、年初からのドル安の反動が、短期的にではあるが、出ても良さそうな環境ではある。

 さて来週だが、ドル円は正直言って、現時点ではやり過ぎだと考えている。来週はFOMC議事録の公表が予定されており、それをきっかけに反転を期待したいところではあるが、いまの相場は一旦流れが出るとなかなか止まらず、行き過ぎる傾向にもある。105円割れを試す展開も想定されるが、そこは買い時かもしれない。ただし、その場合でもあくまで自律反発の範囲であることは留意される。

想定レンジは104.50~107.50円を想定。スタンスは「中立」で変わらず。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓(↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓↓(↓↓)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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