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とれんど捕物帳 来週から10月相場 ドル円は下向きの流れ継続か ISMに注目

配信日時
2016年10月1日(土)09:57:00
掲載日時
2016年10月1日(土)10:07:00

 先週の日銀やFOMCといった日米金融政策の大イベントを通過して、今週は期末に向けた調整が中心とも思われたが、そうは問屋が卸さなかった。アルジェリアで非公式会合を開催していたOPECが予想外に減産で合意した一方、以前から経営不安が強まっていたドイツ銀行の信用不安が台頭という好悪の材料が混在した週となった。

 OPECは生産量を日量3250万バレルに削減することで合意。加盟各国の具体的な生産水準は11月の総会で合意を目指すとしており、ロシアなど非加盟国に対しては生産目標達成後に協力を呼びかけるという。どちらかといえば一口両舌の人たちの集まりで不確定要素も多そうなことから、最後まで慎重に見る必要はありそうだが、とりあえず市場は歓迎しているようだ。

 そして、ドイツ銀行だが、ただでさえ低金利などで収益環境が悪化していた中に、リーマンショック時の米住宅ローン担保証券(RMBS)の不当販売をめぐり米司法省から140億ドル(1兆4000億円)の和解金を要求され、また、フォルクスワーゲン(VW)の支援やLIBOR操作の訴訟費用などで、かなり資本が毀損していると言われていた。いつ信用不安が飛び出してもおかしくはない状態だったが、最後はメルケル首相が助けてくれるであろうという淡い期待を抱いていたところに、今週、首相が救済に難色を示しているとの報道が流れ、一気に不安が急浮上している。

 実際には和解金は140億ドルの半分以下になるのとの見方が有力だったが、週末には、米司法省と54億ドルの和解金で合意に近づいているとの報道もあり、とりあえず、不安も一服していた。しかし、ドイツ銀のみならず、コメルツ銀も含めて、今後も不安が付きまといそうだ。ドイツ政府が救済できるかどうかが鍵であろう。しかし、ドイツは来年、総選挙を控えており、移民政策で国民の不評を買っているメルケル首相としてはこれ以上、国民が嫌がる政策は避けたいとも思われる。

 収益環境の悪化は止むを得ないにしても、米住宅ローン担保証券問題やLIBOR操作、そして、VWもある意味、自らまいた不正の種が原因である。国民の理解を得られるとは到底考えにくく、この問題はまだまだ流動的と見てよいであろう。

 いよいよ来週から10月相場に入る。日銀はイールドカーブ操作を導入したことから、ある種、安定してしまった感もあり、これまでのように緩和期待を高める対象ではないようにも思われる。そうなると、10月相場の焦点はやはり、イエレン議長の言及通りにFRBが年内利上げを実施できるかどうかに一点集中して行きそうだ。この先、経済指標でその可能性を探ることになる。米大統領選も佳境を迎えることから、いつも以上に米国の動向に関心が集まりそうだ。

 そういった意味でも来週は、米雇用統計など重要指標が発表になる。米雇用統計はもちろんだが、個人的にはISM景気指数に注目したい。製造業と非製造業の両方が発表になるが、前回は予想外の弱い内容となり、9月に利上げできなかった要因の一つであったと思われる。市場では前回よりは良い数字が見込まれているようだが、予想外の結果が出れば波乱となりそうだ。

 個人的な見解での米利上げの確率は12月を40%と変わらずとしたい。

 ドル円は今週、何度となく100円割れを試したが、ブレイクしきれなかった。準政府系の買いオーダーなども観測されていたようだが、期末ということもありショート勢も一旦諦め、ショートカバーを入れていた模様。ただ、ドル円の上値を積極的に追う材料はない。日銀のイールドカーブ操作への政策変換が緩和縮小の方向かどうかの議論はともかく、少なくとも円安を誘発するような緩和拡大策ではないであろう。一方でFRBは年内の利上げ姿勢を堅持してはいるものの、確信には至らない状況。現状では、これまでの日米金融政策の格差拡大への期待からドル円を買うというシナリオは容易には選択できないであろう。

 米指標次第ではあるが、ドル円は下向きの流れが続くと見ている。来週のドル円の予想レンジとしては、99.50~102.50を想定する。一方、ユーロは不安があるものの、とりあえず、いまのところは底堅さは堅持するものと見る。対ポンドでの買いもサポートするであろう。ただ、上値追いは限定的。ユーロドルの予想レンジとしては、1.1100~1.1350のレンジからは出ないと想定する。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑(↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 →(↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

みんかぶ「Klug」 野沢卓美

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