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とれんど捕物帳 ECB理事会後の展開に思ふこと

配信日時
2016年3月12日(土)19:09:00
掲載日時
2016年3月12日(土)19:19:00

【ECB理事会後の展開に思ふこと】

 今週は何と言ってもECB理事会後のユーロの波乱だっただろう。為替相場は教科書通りには行かないということを、まざまざと感じた方も多かったのではないだろうか。偉そうに予想すること自体が間違っているのだろう。
 ドラギ総裁は満額以上の回答を引き出してきたものと思われる。マイナス金利の拡大幅こそ0.1%と予想通りだったものの、資産購入額は200億ユーロ拡大し月間800億ユーロへ、非金融機関の社債も購入対象として追加するとしている。個人的には驚きだったが、的を絞った長期流動性オペ(TLTRO)の計画も打ち出してきた。6月実施を計画しているという。
 ユーロも発表直後こそ売りが強まったものの、ドラギ総裁が会見で「追加利下げは見込まない」と述べた一言が一気に流れを変えユーロは急伸している。ドラギ総裁は銀行の経営などに配慮したのかもしれない。
 先日のG20では、通貨安競争をもたらす金融緩和策は限界にきており、この先は財政出動などで景気をてこ入れすべきとの主張も聞かれていた。今回のドラギ総裁の一言で、市場もそれを敏感に感じとったのかもしれない。

 この一連の出来事から思ふことは、消費税増税は無理だなということ。G20では「全ての政策を総合的に用いる」との共同声明が採択された。全ての政策とは、概ね「金融政策、財政出動、構造改革」であろう。
 金融政策が限界に来ている中、頼みは財政出動と構造改革ということになるのだが、構造改革は促進しなければならないが、直ぐには結果は出ない。5年タームの話だ。
 残されたのは財政出動だが、政府が景気対策を検討し業者を選定発注。そこから業者が役務を遂行し、数ヵ月後に役所から支払いを受けて収益が立つ。そこから従業員への給料の支払いという流れなのだろう。その過程で中小企業の従業員の賃金上昇に繋がれば成功なのだろうが、なかなかそう上手くは行かないのかもしれない。
 どうしても発注が偏る部分も出るであろうし、インフラなど大規模プロジェクトの場合は大手企業のノウハウが必要となる。
 その点、消費税であれば、あまねく確実に、格差も少なく効果が波及するだろう。それも迅速に。
 ちなみに、G20声明を合意して来たのは安倍総理ではない。財務省と財務省のOBだ。「確かに財務省だが、主計局じゃない!」という強引な声も聞こえそうだが、詭弁とは言え、意外に通ってしまいそうな感じが無くもないところは恐ろしいところだ。
 いずにしろ、安倍総理がどう決断するかはわからないが、世界経済も鑑みて現状の局面での消費税増税はかなり難しい選択であろう。
 経済通の自民党の有力議員からは、「増税見送りどころか減税すべき」との声も出始めているようだ。財務省もそこは是が非でも潰しに行くだろうが、せいぜい今回はそこまでではないだろか。

 それはさて置き、まじめな話に戻るが、来週はいよいよFOMCだ。今回はイエレン議長の会見も予定されており、経済見通しも発表される。
 直近のデータからは、海外経済低迷やドル高、エネルギー安の影響が一部には見られるものの、内需は依然として力強い。概ねトーンは前回1月と変わらず、海外経済の動向には注視も、年内利上げの旗は降ろさないであろう。
 12月も注目されたが、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・チャート)が今回も注目されそうだ。12月時点では今年は3~4回の利上げが予想の中心だったが、今回は2回程度に修正されてくるものと見ている。ただし、これはFOMCメンバーの本気の予想というよりは、主張に近いものである可能性は留意しておきたい。
 なお、個人的な見解として、現時点で次の利上げ確率は3月が10%、6月を30%、それ以降を60%としたい。

 想定レンジだが、ドル円はなかなか115円は重重い印象だ。FOMC次第だが、113.00~115.00のレンジ取引も想定したい。

 一方、ユーロドルだが、今週の動きで上向きのシグナルが示現したようにも思われるが、そう軽くはないであろう。1.1000~1.1300を想定する。

みんかぶ「Klug」 野沢卓美
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()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑(↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑(↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓↓)

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