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とれんど捕物帳 G20で強いメッセージが出せるか注目

配信日時
2016年2月27日(土)09:56:00
掲載日時
2016年2月27日(土)10:06:00

【G20で強いメッセージが出せるか注目】

 今週はリスク回避のムードは依然として根強いものの、後半にかけてはその雰囲気も緩んでいる。原油の下げが一服した他、上海で開催されているG20財務相・中央銀行総裁会議への期待感も出ていたようだ。

 G20については金曜日に1日目が終了した。金曜日のNY時間にはあまり要人発言も出ていなかったが、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた声明草案では、世界的な景気減速への懸念が高まっていることを言及。ただ、それに対して各国が新たな刺激策を打ち出す用意があることまで言及するかは検討中だという。
 米国もIMFも、財政出動を伴った需要促進策を打ち出すよう促したものと思われるが、各国も財政再建中の中、二の足を踏んでいるといった状況のであろう。
 もし、G20声明で、状況次第では財政出動も実施し景気を下支えするといった強いメッセージが出るようであれば、週明けの市場もポジティブな反応が見られるかもしれない。個人的にはそれなりのメッセージが出ると期待したいが、いずれにしろ注目ではある。金融政策だけでは限界に来ている。

 また、今回のG20では通貨安競争は望ましくないとの見解でも一致しそうだ。日銀の黒田総裁はマイナス金利政策に関し、円安を目的に行っているわけではないとし、そのことを説明するとしている。
 本当にそうであれば、サプライズを主体とした金融政策運営は必要ないはず。サプライズを起こしても為替市場や株式市場は感度良く反応するだろうが、金融機関の貸し出しや物価は上がらない。
 これまでの行動からすると、とても説得力はなさそうだが、各国も表向き納得してくれるのだろう。少なくとも現時点での介入はご法度になりそうだ。

 今週はユーロ、ポンドといった欧州通貨の弱さが際立っており、特にポンドは7年ぶりの安値を更新しており、リーマンショック級の下げを見せている。
 先週のEU首脳会議での合意を経て、キャメロン英首相がEU離脱の国民投票を6月23日に実施することを表明したことで、英経済のリスクが本格的に高まってきたことが要因となっている。
 英国の国民投票だが、もし、EU離脱ということになれば、欧州大陸の経済にも波及することは必至で、ポンドに連れてユーロも売られているといったところだろう。
 この先、世論調査に一喜一憂することも予想されるが、前回の英総選挙から、必ずしも世論調査と結果は完全に一致しないことも経験則ではある。
 これについては、よほど世論調査で差が出ない限り、6月の投票結果まで予断を許さない状況が続くと思われる。ポンドは十分値ごろ感は出ているものの手掛けにくい。

 そして、米経済については、幾つか指標が発表になっていたが、個人的に目を引いたのが、金融情報のマークイット社が発表した2月のサービス業PMI。結果は49.5と景気判断の分岐点である50を割り込んでいた。50割れは2013年10月以来だそうだ。米国の場合、ISMが発表するPMIがあることから影に隠れがちだが、最近は注目している市場関係者も少なくない。
 ドル高や原油安、そして、海外経済の不振で、米製造業の不調はこれまでも伝えられてきたが、サービス業の底堅さがそれを補っていた。支えとなっていたサービス業のセンチメントが弱まっていることは非常に気掛かりであり、弱い傾向が続くか警戒される。
 なお、個人的な見解として、現時点での次の利上げ確率は3月が10%、6月以降を90

%と前回と変わらず。恐らく3月のFOMCは、原油安や海外経済軟化が米経済に悪影響及ぼすか点検するのみの会合になるものと見ている。

 さて来週だが、まずはG20がどのような声明を出してくるか注目となるだろう。個人的にはそれなりのメッセージが出ると期待し、その場合、ドル円は115円を突破してくるものと見る。逆の場合は失望ということになるが。
 ドル円の1月29日から2月11日の下降波のフィボナッチ38.2%戻しが115円付近にあり、それを突破し、定石通りであれば、上記フィボナッチ50%戻しの116.30付近までの上昇の可能性も高まる。もし、失望であれば直近安値の111.00円付近を再度目指す動きも想定される。
よって、想定レンジは申し訳ないが、広めに取らさせていただき、112.00~116.50を想定したい。

 ユーロドルは200日線が週末の段階で1.1050付近に来ている。200日線は水平にになっており、もうしばらく1.1050付近で推移するものと見ている。一方、1.0800が強い下値サポートラインとして意識されている。想定レンジとしては1.0800~1.1050を想定。
 G20が失望であれば、ドル売りから反発も想定されるが、ECB理事会も3月10日に控えていることから、そう上値も軽くないと見られる。今週の動きで1,10から下放れした雰囲気も出てきており、G20への期待感も込めて向きは下を予想している。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 →(↓↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑(→)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓↓(→)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓(↑↑)

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