FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

[FISCO]一尾仁司の「虎視眈々」:堰(せき)は破られた

配信日時
2016年2月12日(金)19:02:13
掲載日時
2016年2月12日(金)19:12:13


〇世界的株急落、円高進行、波乱続く

東京市場の休日が狙われたとも見れなくないが、イエレンFRB議長の議会証言がほぼ想定内だったことを受け、投機筋が一斉に攻勢を掛けた印象が強い。日銀が最も警戒した円高が進行、一時110.99円/ドルを付け、その後介入思惑を交え113円台に戻し、朝方は112円台半ばの攻防と目まぐるしい。115円の防衛ラインを底抜けるとチャート的なフシ目が乏しく、110円が心理的抵抗ライン、大きなフシ目は105円と見られていただけに、一気に具現化されつつある格好。当初は株売りに伴う円買戻し(円安相場では株買いに円売りヘッジを伴う)と見られていたが、その領域は既に大きく超えてしまった印象だ。

日銀のマイナス金利策の失敗との見方があるが、確かに流動性を高めた面はあるが、金融政策では効かない市場崩落と受け止める方が妥当だ。(余裕ある国の)財政出動などに焦点がシフトして来よう。

欧州金融株が最も激しく売られている。発端はドイツ銀行だったが、11日は仏ソシエテ・ジェネラルが予想下回る決算で大幅安、クレディ・スイス(年初来下落率は43%に達し、ドイツ銀の39%を上回る)なども急落し、上場来安値か、それに近い水準に多くの銀行株が売られている。

ドイツ銀はCoCo債(偶発転換社債)の利払い懸念を契機に売り込まれたが、背景には10年に買収したドイツ・ポストバンクの失敗(東芝が06年に買収したウェスチングハウスで失敗し、不正経理でカバーしようとしたのに類似)がある。評価損計上は待ったなしの状態で赤字決算が続く恐れがある。

欧州銀全体に広がったのは、ギリシャを筆頭に南欧の不良債権問題が一向に進展せず、欧州経済を底上げしてきたオイルマネーの急縮小が銀行部門の急縮小も招いている点が大きいと見られる。単純にオイルマネーが欧州株を売るだけでなく、経済・金融そのもののビジネスモデルが崩壊し掛かっていると見れる。加えて、ラストリゾートと見られたドイツの国力急低下が加わった。大量難民問題での混乱で政治体制が揺らぎ、VW不正事件、鉄道大事故など弱り目に祟り目状態。11日の下落率はドイツ株2.93%に対し、仏4.05%、イタリア5.63%、スペイン4.88%、ポルトガル4.47%。3月のECB追加緩和が予想されているが、ドイツが扱ければECBの支える力は弱いと見られている。

ウォール街の格言では「マーケットは最大限の人々を巻き込んで、最も行ってもらっては困る方向へ行く習性がある」。リーマン後の超金融緩和が流動性を大幅に高め、金融規制強化で資金の流れを歪めてきた感がある(リーマン前の金融バブルを生んだ構造が正しいとは言えないが)。

調整が米大統領が替わる前年、2000年、2008年に続き起こっているのも偶然でなかろう。ましてや次の米大統領は混沌、方向性をイメージできない状態にある。

16000円の堰(せき)を破られた日経平均は、13000~16000円ゾーンに落ちたと考えられる。中値の14500円は1990年代に下値抵抗ラインとなったところ。アベノミクスで比較的短期に突破してきたので、直近ではフシ目と見られていないようだが、抵抗力を試すと想定する。比較的短期に16000円を回復できれば、辛うじて「先進国相場」を維持していくパワーが残っていると考えられる。

なお、新たな脅威は、春節明け後の中国市場。いち早く再開した昨日の香港株は3.85%の下落。休みが長い分、下げ余地を溜めている可能性がある。生産能力調整(大規模な工場閉鎖など)が本格化する可能性が指摘されている。

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(2/12号)



<FA>

ニュース提供:FISCO

過去記事カレンダー

2016年1月2月3月4月5月6月7月     
2015年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2014年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2013年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2012年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2011年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2010年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2009年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2008年 2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ

URL変更のお知らせ

KlugFXのURLはhttp://klug-fx.jpへ変更となります。お気に入りやブックマークなどに登録されているご利用者さまは、お手数ですが下記の新URLへの変更をお願いいたします。

http://klug-fx.jp